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一 括 講 読

投稿時間:06/11/08(Wed) 22:15
投稿者名:坂本嘉輝
Eメール:
URL :
タイトル:『国家の品格』
久しぶりに書評など書いて見ました。
チョット前に話題になった藤原正彦さんの『国家の品格』という本です。
チョット長くなってしまったので、ブログ版の方に乗せました。
http://lax.dreamblog.jp/CALENDAR/200611/08/
よかったら、読んでみてください。

投稿時間:07/02/18(Sun) 10:30
投稿者名:征保大将軍
Eメール:rocohouse@mqb.biglobe.ne.jp
URL :http://www.hiroks.com/rocohouse/
タイトル:Re: 『国家の品格』
ひさびさに↑でコメントを入れさせて頂いたのですが…
盛りあがらないようなので、
オソマキながら私の意見を述べさせて頂きます(^_^;)


私は「国家の品格」を読んでいませんし、
藤原正彦さんがどのような方で、どのような考えをお持ちなのかもよく知りません。
ただ、この本が講演を元に編集されタイトルも多分ご本人がつけたのではなく
出版社がつけ、そのタイトルでベストセラーになったとも聞いています。

さて、そのタイトル「国家の品格」とはどういう意味なのでしょうか?
「国民の品格」ならわかるのですが…それも好きではありません。
「人それぞれの品格」いや「品格」でなく「品」だけでもいい様な気がします。
でも、「人それぞれの品」ではベストセラーにならなかったでしょう。

私は”国家”という言葉が個人的には好きではありません。
”国家”が表に出て来た時には古今東西歴史においてもロクな事がありません。
必ず”個人”が犠牲になってきたからです。

だからと言って”国家”を否定するわけではありません、
日本国内にも東京都や大阪府があるように区分する事は必要だと思います。
でも、東京と大阪が国益?を争って戦争する事は現代ではありえません。
まー私は”国家”は必要悪とぐらいしか思っていないのです(^_^;)

たしかにモノにも品格があると言う事があります。
この器には品格があるとか、品格のあるクルマだとか…
でも、それは作った人達に品格があったからではないでしょうか?

ニワトリが先か?玉子が先か?のようになりましたが(^_^;)

私は、自立した個人・個人が色々な価値観の中で品格を持っていれば
おのずと、その国は品格のある国として捉えられると思うのです。

しかし、まず「国家の品格」が先にあって…
この品格に準じるように国民も頑張りましょう!…なんて空気になったら
私は「ドウモ…」と思ってしまいます。

藤原さんは、そんな事なんて思わずに日本人個人個人の心の有り方について
講演していたのかもしれません。
また編集者も憲法改定問題や拉致問題で”国家”がトレンディの昨今にあって
深い意味もなく「国家の品格」としたのかもしれません。

しかし、そんな本がベスト・セラーになり
それに続いて安倍さんの「美しい国、日本」(これも読んでいませんが)
という、まことの抽象的で口当たりの良さそうな本が
が本屋に平積みされているのを見ると、
”個”としての品や美しさを横に置いて、他力本願で国家に依存し
時代の空気な流されやすい、この国の風潮に違和感を感じるのは私だけでしょうか。

投稿時間:06/12/01(Fri) 12:34
投稿者名:JGB
Eメール:
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タイトル:Re: 『国家の品格』
私は、藤原正彦さんはもうかなり前から好きな随筆家(?)ですので彼の本はすべて読んでおります。国家の品格もずいぶん大仰なタイトルだなと思いつつも販売直後にすぐに読みました。ブームになるほどの内容が詰まっているのかというのは、私も坂本さんに同意見ですが、坂本さんのブログを読みずいぶん私と感じ方が違うなと思いましたので、ご参考までに私の感想を申し上げます。
少し前に読んだ本なので、記憶違い等ありましたらご容赦ください。

まずもって、この本は本当にただ思うがまま徒然なことを述べているだけなのでしょうか。たしかに局面、局面では首尾一貫していないことを言っておりますし、そもそもが論理性が一番重要な数学者が日本人は論理性を追いかけるのはやめろと自己否定のような体裁に見えます。しかし、この本は数学書ではなく、まあ、ある種の啓蒙書であり、根底にひとつ貫かれた意見があればそれでいいのではないでしょうか。数学のように前の定理と次の定理が完全に整合するようなことは、通常世界ではかえってありえないでしょう。
さて、そんな体裁は良いのですが、彼の主旨は何かと考えてみますと、極めて逆説的なことを言っているように私には読めました。周り背景にへつらう一段思考はやめ、より深い論理思考に基づき日本人は行動せよと。彼の文調は時にきついのでそれに捉われると、ただアメリカのまねはやめろ、日本人は感性のままが一番だみたいに感じてしまいますが、本当にそれがいいたいのでしょうか。今、日本でこの本がベストセラーになっている背景には、かつてのジャパンイズアズナンバーワン、アメリカのTOP、MBAスクールが日本の企業をケーススタディに取り上げていた時代への郷愁と、バブルも弾け、大企業もつぶれ、かつての日本にあったこうすれば成功するような哲学というか方針が、高度な情報化と価値観の多様化によってまったく役に立たず、何を信じたらいいのかわからない混沌において、昔の日本人を取り戻せのような強いフレーズが、共感をもたらしているだけで、いかにも小泉政権のごとく中身はないけどなんかすごい、まさに坂本さんがおっしゃる状況に私も感じます。しかし、私が藤原正彦が読者に求めたのはそういうこととは裏腹に、論理は大事だけど、論理の国アメリカがいうのだから正しいみたいな単純な一段思考はやめよ、もっと深く論理的に思考せよということと感じます。
単純な演繹は一見まともそうだけど、現実世界ではそれを成り立たせようとする土壌にかなり依存し、時にはまったく逆の結果を生むようなことを述べています。この土壌こそ日本人としての感性であると。感性をでは論理的に説明せよといわれても、簡単にはいえません。いったとしても必ず抜けとダブりがあって論理的ではないでしょう。でもそれを踏まえることがもう一段の論理なのではないでしょうか。武士道はあまりに極端です。今の世界で考えるとこんな不条理なことがあるかみたいなこともたくさん述べられています。(新渡戸の本には)でもその不条理の中、日本人は強い誇りと幸福感を持って生きていた。そのころの人聞くことはできないので比べようがないけれど、でも藤原は今よりみんな幸福であったのではないかと考えるのです。少なくても私はそう考えます。日本人の成り立ち、感性、(私は惻隠という言葉が表象していると思うのですが)の上に思考をすべきということを論理的に理解したうえで、論理的に思考すべきだと思います。ではそれは具体的にどういうことか。それがないからこの本はあいまいに見えるのかも知れません。日本人ならほとんどできる折り紙が、世界ではびっくりされること、それが日本の技術を後押ししていないわけはないこと、私たちの世界でいったら、たとえば外資のリスク細分型自動車保険はなぜ思ったほど普及していないのか等、つまらない例で恐縮ですが、考えれることは沢山あるように思います。ただ現象的な論理を徒に妄信すべきではない。日本人の論理は、感性、背景を踏まえた論理のうえに欧米型の現象的な論理であるべき、そういうことがいいたいのではないでしょうか。そしてそれがいつも成功につながるわけでもないとも。そんなことはきっと坂本さんもわかっているでしょうけれど、あえて書きました。だらだらすいません。

投稿時間:06/12/01(Fri) 20:58
投稿者名:Yes
Eメール:
URL :
タイトル:Re^2: 『国家の品格』
私もJGBさんと同じ意見です。馬鹿みたいなブームは気にかかりますが、意味がないとは思いません。ベストセラーにはそれなりの理由もあるでしょう。

投稿時間:06/12/05(Tue) 21:04
投稿者名:山中鹿之介
Eメール:
URL :
タイトル:Re^3: 『国家の品格』
それぞれに見方が違い面白いですね。
私も藤原正彦のファンです。何というか彼の反骨精神みたいなのが好きです。
意見はJGBさんに近いのですが・・・JGBさん自身はよい子過ぎるようで、少し批判精神が足りない店が気になります。

> 私もJGBさんと同じ意見です。馬鹿みたいなブームは気にかかりますが、意味がないとは思いません。ベストセラーにはそれなりの理由もあるでしょう。

投稿時間:06/12/06(Wed) 09:21
投稿者名:JGB
Eメール:
URL :
タイトル:Re^4: 『国家の品格』
>JGBさん自身はよい子過ぎるようで、少し批判精神が足りない店が気になります。

この類の本の内容の全て対し大手を振って大賛成というのは考えにくいと思います。自分と意見が合わない部分も多々ありますが、それらのほとんどは自己のうちで解釈すべきものとこの本の場合考えましたし、またその多くは坂本さんのご意見と一にするものでした。

他の方の見方自体をどうこうということが問題ではありませんよね。私も坂本さんの読み方に批評を加えるつもりは全くありません。

投稿時間:06/12/05(Tue) 20:59
投稿者名:山中鹿之介
Eメール:
URL :
タイトル:Re^3: 『国家の品格』
二人(坂本さん、JGBさん)とも、それぞれ見方が違い面白いですね。
私も藤原正彦ファンで意見はJGBさんに近いかなあ。何というか、彼の反骨精神みたいなのが好きです。
> 私もJGBさんと同じ意見です。馬鹿みたいなブームは気にかかりますが、意味がないとは思いません。ベストセラーにはそれなりの理由もあるでしょう。



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