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一 括 講 読

投稿時間:07/05/09(Wed) 21:30
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:追加責任準備金
住友生命が追加責任準備金を積み立てるようですが、いよいよ株式会社化の
準備完了というところですね。

その昔、太陽生命も自社の株価向上を狙って、年金開始後を予定利率1%で
再計算して、追加責任準備金を積みました。

三井住友海上、三井住友銀行、そして、三井住友生命。

何ともゴロが良いですね。

頑張れ、スミセイ。負けるな、すみれい。

(征保大将軍さんには不評でしょうか?)

投稿時間:07/05/10(Thu) 09:10
投稿者名:征保大将軍
Eメール:
URL :http://www.hiroks.com/rocohouse/
タイトル:Re: 追加責任準備金
> (征保大将軍さんには不評でしょうか?)

突然ご指名があったので…

でもバカな代理店にはいつものコトですが
何だかよく理解出来ません、なぜ私に訊ねられたかも(^_^;)

たしかに三井住友生命は流れからいったら判りやいですが
そもそも生保同士は合併してメリットなんてあるのでしょうか?

損保なら1年も経過すりゃほとんどの契約が新会社の契約になって
しまいますが、生保の場合はどうなるのでしょうか?
外務員の職域やテリトリー争いもあるでしょうし。

MY生命を見たって成功しているとは思えないのですが
私に判りません。

でも「次はアサヒか?ミツイか?」って言われていたのが…
こういう話題が出るだけでも、よかったですね(^_^)

投稿時間:07/05/10(Thu) 22:43
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:Re^2: 追加責任準備金
住友生命に続き、日本生命でも追加責任準備金を積み立てるようですね。

以前、参加したセミナーで、逆ざや対応は完了し、更なる財務基盤強化に取り
組まれると聞きました。

http://www.nissay.co.jp/kaisya/gyouseki/pdf/nomura2002_2.pdf

⇒12頁・・・将来発生する逆ざや2兆円を積立完了

⇒13頁・・・諸外国の大手生保と同水準の自己資本比率を目指して3兆円を
積み立て

今回の追加責任準備金は、逆ざやに対応するものですが、3兆円では足らない
ということでしょうか?

あるいは、国際会計基準等に対応するためなのでしょうか?

いずれにせよ、決算発表が楽しみですね。

(追伸1)

征保大将軍さまへ コメント有難うございます。以前、住友生命の既契約遡及
対応(介護保険関係)について公平性の観点から好評価の旨をコメントしたと
ころ、貴殿には不評であったため、今回の追加責任準備金も不評なのかと勝手
に思い込んでしまいました。

もし、不快な思いをさせてしまったのであれば、お詫びいたします。

追加責任準備金に回すお金があれば、配当をもっと多くして欲しいという契約
者の声があっても良さそうなのですが、そのあたりは、今年の総代会でキチン
と説明されるのでしょうか。

もっとも、増配かつ追加責任準備金積み増しと言われると、流石の総代も何も
言えないのでしょうね。

(追伸2)

追加責任準備金に関する今回の報道で、逆ざや対応としては、日本生命・住友
生命とも業界初対応という書きぶりでした。それでは、大和生命のH17決算の
追加責任準備金は、日本生命・住友生命の対応とは異なるのでしょうか?

http://www.seiho.or.jp/data/account/pdf_h17/kessan/yamato_h17a.pdf

⇒23頁・・・会計方針の変更「1.責任準備金の積立方法の変更」

投稿時間:07/05/16(Wed) 13:08
投稿者名:難破船
Eメール:
URL :
タイトル:Re^3: 追加責任準備金

> 追加責任準備金に回すお金があれば、配当をもっと多くして欲しいという契約
> 者の声があっても良さそうなのですが、そのあたりは、今年の総代会でキチン
> と説明されるのでしょうか。
>
> もっとも、増配かつ追加責任準備金積み増しと言われると、流石の総代も何も
> 言えないのでしょうね。
>

新聞を見て、私も、この点がどうも納得行かないところでした。
 会計的には、将来に損失が予想される場合には、これを一時に認識する
 ことは合理性があります。
 しかし、逆ざやでも利益は出ているのですよね。
 顧客の受け取る保険金や解約返戻金は変わらないそうですから、保険料に
 おいて約束された、織り込まれた、予定利率は変わっていないということ
 でしょう。そうすると、配当だって、前と変わらないということではない
 か。高い予定利率の顧客に対する配当は少ないか、無いに違いないし、低
 い予定利率の顧客は、この追加責任準備金とかいうものの財源を供給して
 いることになるのではないでしょうか。これを積みますことで、配当が増
 えるというのはどうも納得が行かないですね。長期的には結局同じことで
 はないか。見掛けだけ? いや、早く解約すると損ということですか?
 一般の財務会計における損式処理とは何か違う気がするのですが・・・
 

投稿時間:07/05/17(Thu) 00:24
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:Re^4: 追加責任準備金
難破船さまへ

コメント有難うございます。

追加責任準備金の積増しを、減損会計のように取り扱うことは可能でしょうか。

追加責任準備金を積増した会社と、積増さなかった会社の保険計理人の意見書を見てみたいです。意見書を受け取った金融庁も、どう対処するのでしょうか。

投稿時間:07/05/18(Fri) 13:05
投稿者名:難破船
Eメール:
URL :
タイトル:Re^5: 追加責任準備金
> 難破船さまへ
>
> コメント有難うございます。
>
> 追加責任準備金の積増しを、減損会計のように取り扱うことは可能でしょうか。

 聞いている限りは、追加責任準備金は、利差損だけを見ているのではなく、
負債の認識が十分かどうかの観点で評価されているらしいですから、そこから
出て来る結果は将来の損失の認識ということになるのではないでしょうか。
 尤も、ベースにある原価法的な負債(特別法に根拠を置く負債)が、負債評
価としてどうなのか、財務会計的な議論は残るのかもしれませんね。

>
> 追加責任準備金を積増した会社と、積増さなかった会社の保険計理人の意見書を見てみたいです。意見書を受け取った金融庁も、どう対処するのでしょうか。

 この方面は、全く分かりません。

ところでnanasiさんも私と同様の疑問をもってらっしゃるようですね。

投稿時間:07/05/16(Wed) 21:01
投稿者名:nanasi
Eメール:
URL :
タイトル:Re^4: 追加責任準備金
今のロックイン式の監督会計では、ご指摘のように何がなんだかわかりませんね。
内部留保も十分そうに見えるのに、さらなるV積み増しが必要なのか。
これは、いわば異時点間の資源配分の問題です。将来逆ざやが生じた場合に、なにが問題か。内部留保がくいつぶされることはないでしょう。
とすると、将来時点の公平性か?そのために今の契約者との公平性を軽視しているのか?
よくわからないですね。配当が利源分析をもとに決定されていることもさらにわかりにくいものにしてますね。

FSAは、配当率決定の哲学を含む相互会社のガバナンスをしっかりみるべきですね。

投稿時間:07/05/14(Mon) 21:14
投稿者名:nanasi
Eメール:
URL :
タイトル:Re^3: 追加責任準備金
各社、逆ざや対応をしているとのことですが
いったいどうやって積み増し額を計算しているんでしょうね?

単にV基礎の予定利率を変えて差額積み増しだとあまりに巨額すぎるし、逆ざや見込みの現価
とかなんですかね。

とにかく配当流出させず、内部留保を正当化する理由を見つけたり、
ということなんですかね。
マスコミも好意的ですしね。

投稿時間:07/05/16(Wed) 01:10
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:Re^4: 追加責任準備金
nanasiさまへ

仮に年金開始後契約について追加責任準備金を積み立てる場合、

(ケース1)予定利率を引き下げる

(ケース2)予定死亡率を引き下げる

の2パターンが考えられます。ここで、今年の4月から標準生命表(年金開始
後用)が改定されたことを考慮すれば、(ケース2)も想定されます。

もちろん、実務基準では、この「基礎率変更方式」以外に「実額積増方式」も
許容されています。

興味深いのは、ソルベンシー・マージン比率との関係です。

(ケース2)であれば、終身年金の追加責任準備金ということになりますが、
単純に責任準備金が増加するだけなので、生存保障リスク(責任準備金の
1%)が増加して、ソルベンシー・マージン比率は下がります。

しかし、終身年金で(ケース1)を適用した場合、生存保障リスクが増加する
一方、平均予定利率が下がるため、予定利率リスクは減少します。場合によっ
ては、ソルベンシー・マージン比率が上昇する可能性があります。

さらに、確定年金で(ケース1)を適用した場合、生存保障リスクは元々ゼロ
ですが、予定利率リスクは減少しますので、確実に、ソルベンシー・マージン
比率は上昇します。

本来、追加責任準備金を積み立てれば、解約返戻金超過額部分が増加するので、
ソルベンシー・マージン比率は上昇しそうですが、終身年金の場合、年金開始
後契約は解約できないため、解約返戻金超過額をマージン算入できない可能性
がありますが、予定利率リスクの軽減で、ソルベンシー・マージン比率を向上
させる可能性があります。

一口に追加責任準備金と言っても色々な論点があるため、アクチュアリー試験
問題の宝庫と言えそうですね。

投稿時間:07/05/16(Wed) 07:55
投稿者名:nanasi
Eメール:
URL :
タイトル:Re^5: 追加責任準備金
般若さまは、アクチュアリー会会員でしょうか?

たしかに、ご指摘のように、ソルベンシーへの影響がいろいろな形で出ます。危険Vに積めば、単に分子が増えるだけでクリアなのですが。

前に予定死亡率改定の際にもこのような現行SM制度の問題をパズルのようにとらえるという
議論がありましたが、私はこのような議論は、アクチュアリーにとって、不毛であると考えています。無論、
実務上はそのような影響も考慮しなければなりませんが。アクチュアリーの世界には、
このような制度上の問題を、何か普遍的な問題として、永遠のアポリアであるかのように扱う人が
多すぎます。これは、特に日本の法定決算しか従事
したことのない人に顕著のようです。もっと、経済価値ベースの新SM制度のあり方とかの議論が活発に
なってほしいものです。

投稿時間:07/05/17(Thu) 00:18
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:Re^6: 追加責任準備金
nanasiさまへ

不勉強で恐縮ですが、「経済価値ベースの新SM制度のあり方」について、参考文献などありましたら、教えていただけると嬉しいです。

知人からは「将来収支分析の分析期間を延ばしたようなもの」と言われました。

でも、それだと、単に追加責任準備金を計算するだけだと思うのですが…。

投稿時間:07/05/17(Thu) 07:47
投稿者名:nanasi
Eメール:
URL :
タイトル:Re^7: 追加責任準備金
先月FSAからでている報告書をまず読んでみてはどうでしょうか?あとは、IAAやIAIS、ソルベンシー2関係のドキュメントとかですかね。

投稿時間:07/05/20(Sun) 07:57
投稿者名:般若
Eメール:
URL :
タイトル:Re^8: 追加責任準備金
nanasiさまへ

ご指摘ありがとうございました。

FSAの報告書を早速読みました。が、正直、よく分かりませんでした。

そもそも、ソルベンシー・マージン基準というのは、行政介入基準の筈ですが、それなのに、各社の内部モデルによる測定を許容した瞬間に、自ら進んで自社のソルベンシー・マージン比率が200%を下回っていますとは、誰も言わないのでは。

逆に言えば、どんなに経営が苦しくても、200%以上になるような「恣意的な」前提の下で将来キャッシュフローを測定するのではないでしょうか。

あるいは、そのような「恣意性」を排除するような仕組みづくりを、業界が自主的に設定することを(主務官庁は)期待しているのでしょうか。

投稿時間:07/05/20(Sun) 17:44
投稿者名:nanasi
Eメール:
URL :
タイトル:Re^9: 追加責任準備金
それは、たとえアクチュアリー以外の世界でも当然でしょう。別に野放図にするわけではないんですから。

原則を決めるとか、FSAが検証するとか、レビューアクチュアリーをおくとか。

投稿時間:07/05/18(Fri) 23:29
投稿者名:10年選手の準会員
Eメール:
URL :
タイトル:Re^8: 追加責任準備金
追加責任準備金を積み立てる財源は何か?
「積立」という言葉を「留保」と言い換えれば
これは結局、資本の部の剰余金に計上するのではなく、負債側に振り替えている、という事に過ぎず、
ソルベンシー・マージン「比率」は計算の上では上下するかも知れませんが、
マージンそのものは追加Vを積んでも積まなくても変わらないのではないでしょうか?
負債繰入コストの分減少した資本の分と同額がW超過額としてマージン参入されますし。
ましてや損金限度としての標準Vを超えて積んでいれば有税積立→税効果で戻ってくる為、尚更資本の部には変化なし。

では、その効果は・・・・・
資本の部とすると、すなわちこれは配当財源とする事が可能となるので、
これを負債中に留保する事により配当として社外流出する事を抑え、
支払余力を確保する

というように理解しております。



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