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一 括 講 読

投稿時間:07/12/09(Sun) 07:57
投稿者名:プロFA
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タイトル:相互主義の終焉?
第一生命が株式会社化。その昔、題名のタイトルで生命保険経営に投稿された方がいらっしゃいましたが、逆ざや恒常化に伴う相互主義終焉ではなく、会社組織として相互会社が減少するのは、何となく寂しい気がします。これも時代の流れなのでしょうかねえ。もっとも、コンサル会社は潤うのでしょうが。

投稿時間:07/12/20(Thu) 09:56
投稿者名:山中鹿之介 
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タイトル:相互主義の意義
ごく真面目な話です。

 相互会社も株式会社も、それぞれに長点や短点があり、それぞれに存在意義があるのでしょう。派手にM&Aなどの合従連衡を行うには株式会社のほうが、都合が良いことも明白です。逆に相互会社には利益還元を要求する出資者が存在しないので、それ分だけ相互会社では契約者(社員)に低廉な実費コストで保障が提供できるとされています。

 現在の相互会社の経営陣は、その社員(契約者)に選任された訳であり、その付託に応えることが何よりも大事なことは言うまでもありません。つまり社員が株式会社化を望んでいるのか、それが社員全体のためになるのかが重要なのです。株式会社化が経営陣の都合であったり、一部の社員だけの利得で言っているのなら賛成しかねます。
 米国の例では株式会社化で膨大な利益うを得た経営者(日本と違って経営者にも寄与分がある)がいたり、英国では社員の一部が株式化を要求したケース(これは寄与分の計算方法に問題があるか、社員配当による利益還元が不十分であることに起因する)もあります。

 戦前から相互会社の盟主を標榜していた第一生命の経営者なら、このような視点を踏まえて「相互会社のどの点の何が悪いのか(相互会社と言う制度が悪いのか、それとも経営の執行がまずいのか)」を明解にすべきでしょう。そうでなければ、株式会社化はもちろん、現在の相互会社の経営からも手を引いてもらわなければなりません。

> 第一生命が株式会社化。その昔、題名のタイトルで生命保険経営に投稿された方がいらっしゃいましたが、逆ざや恒常化に伴う相互主義終焉ではなく、会社組織として相互会社が減少するのは、何となく寂しい気がします。これも時代の流れなのでしょうかねえ。もっとも、コンサル会社は潤うのでしょうが。

投稿時間:07/12/20(Thu) 14:19
投稿者名:prelude
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タイトル:Re: 相互主義の意義
>  戦前から相互会社の盟主を標榜していた第一生命の経営者なら、このような視点を踏まえて「相互会社のどの点の何が悪いのか(相互会社と言う制度が悪いのか、それとも経営の執行がまずいのか)」を明解にすべきでしょう。そうでなければ、株式会社化はもちろん、現在の相互会社の経営からも手を引いてもらわなければなりません。

第一生命の社長のコメントが最近のニュースにありました。以下のような内容です。

>>−−契約者の利益を損なわないか
>> 「高水準の内部留保を続けると契約者配当が難しくなる。
>>それならば株で内部留保を返した方が適切だと判断した」

当面キャッシュアウトはさせられないので、その代わりに株券で配るという発想は分からなくもない気もしますが、今後のことはどうなるんでしょう。特に第三者からの投資資金を新規株発行で受け入れた場合、それらの株主と既存の株主(=社員)との関係等々についてどう変わっていくのか、相互会社を続けた場合との比較で説明が欲しい感じがします。

>>−−株式会社化する狙いは
>> 「相互会社の特徴である剰余金を最大限配当として契約者に返すことと、
>>新規事業への投資に必要な内部留保とのバランスをとるのは難しい。国内の
>>死亡保障保険市場が少子高齢化で縮小が避けられない中、新規事業への投資は
>>不可避だ。そのために株式会社化が必要と考えた」

(契約者保護を図る上では経営の安定を図る必要があり、そして)経営の安定を図るためには新規市場への参入が不可避であろう、そのためには株式会社化が必要である、という論理ですね。ただ、本当に新規市場への参入が経営の安定をもたらすのでしょうか。逆に不安定になりそうな気もしますが。新規投資は行わず最大限内部留保せず配当財源に充当し、相互会社のままで安定的に縮小するという選択肢のほうが、実は現在の契約者/社員にとっては良いのではないかという発想もあるでしょうし。

日ごろの不勉強で発想が現時点ではこれ以上発展しないので、ご覧になっている皆さんの考えを聞かせていただければと思います。

投稿時間:07/12/10(Mon) 09:53
投稿者名:山中鹿之介 
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タイトル:Re: 相互主義の終焉?
> 第一生命が株式会社化。その昔、題名のタイトルで生命保険経営に投稿された方がいらっしゃいましたが、逆ざや恒常化に伴う相互主義終焉ではなく、会社組織として相互会社が減少するのは、何となく寂しい気がします。これも時代の流れなのでしょうかねえ。もっとも、コンサル会社は潤うのでしょうが。

生保会社の経営は、逆鞘状況になった以降は特にひどかったと思います。
大手の相互会社までも、国際決済業務を行う銀行の監督規制の考え方(自己資本の充実)に訳もわからず翻弄され、目先の逆鞘対応と内部留保の積み増しに奔走した。そして相互主義の肝である社員配当を軽視してきた。
中小や株式会社も、もちろん同様!
コンサルトは潤うのは目に見えている。

投稿時間:07/12/10(Mon) 22:53
投稿者名:70
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タイトル:Re^2: 相互主義の終焉?
たしかにコンサルは潤いますが、それは本質ではありません。株式会社化を通じた、保険経営の効率化というニーズがまずあり、それを効果的かつ法に従って遂行するために、コンサルが必要とされ、必要な人材や時間を調達するためにコンサルが潤う。まさに、レッセフェールそのものです。さらに、これにより保険会社間の競争も促進され、その効果は、第一生命の契約者以外にも及びます。まさに、資本主義万歳というしかないと思います。

もう一つの点、内部留保優先の指摘はある意味正しいですが、これは、FSAがそれを求めてきたわけであり、ソルベンシーマージン(とマスコミ)に踊らされる契約者に対して、合理的な経営行動を取ったからです。保険会社の経営者の問題というよりも、監督、マスコミ、消費者の相互作用によって生じた現象ととらえるべきでしょう。非常に興味深い現象ではありますが、朝日新聞的なおらが正義論に陥るのは、知的センスが疑われます。

投稿時間:07/12/11(Tue) 20:37
投稿者名:プロFA
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タイトル:Re^3: 相互主義の終焉?
「株式会社化を通じた、保険経営の効率化というニーズ」ですが、やはり、相互会社形態のままでは、経営効率化は困難なのでしょうかねえ?確かに、総代選考手続きをみれば、ガバナンス効果は期待薄かもしれませんが。

投稿時間:07/12/15(Sat) 06:24
投稿者名:PATRIOT
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タイトル:過去の経験より
素朴な疑問なのですが、昨日まで相互会社の経営をやっていて、株式会社の経営をやったことがない方々がいきなり株式会社の経営ってできるものなのでしょうかね。
「契約者である株主と、契約者でない株主は違うんとちゃいまっか!」なんてことを言っているうちは、無理じゃねぇのかなと思いますが…

投稿時間:07/12/15(Sat) 09:45
投稿者名:山中鹿之介
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タイトル:Re: 過去の経験より
> 素朴な疑問なのですが、昨日まで相互会社の経営をやっていて、株式会社の経営をやったことがない方々がいきなり株式会社の経営ってできるものなのでしょうかね。
> 「契約者である株主と、契約者でない株主は違うんとちゃいまっか!」なんてことを言っているうちは、無理じゃねぇのかなと思いますが…

「剰余金のうち99.6%、いや99.7%を社員配当の財源として処分する」なんて牧歌的なことを言っていた時代が懐かしい。

投稿時間:07/12/15(Sat) 21:00
投稿者名:プロFA
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タイトル:Re^2: 過去の経験より
> 「剰余金のうち99.6%、いや99.7%を社員配当の財源として処分する」なんて牧歌的なことを言っていた時代が懐かしい。

いきなり「配当性向」なる新指標を示されてもねえ。去年まで9割以上還元していたものが実は6割足らずとは。契約者は正しく理解できるのかしら?



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