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私のコメント


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このホームページに関するご意見等は、「練習帳」掲示板か、
直接、私 mail-admin@acalax.infoまでメールをください。

(2002年12月25日)
私のコメントは、今年はもうおしまいのつもりだったのですが、急遽追加することになりました。
今までほうりっぱなしだった『リンク集』がようやくできたからです。

自分でしっかりリンク集を作ろうと思っていたからできなかったので、誰か他の人が作ってくれたリンク集にリンクを張ればそれで十分、その方がしっかりしたリンク集ができる、と他人のふんどしで相撲を取るアイデアに気が付くまで、3年近くかかってしまいました。

『アクチュアリーの練習帳』も、おかげさまでもうすぐ4年目を迎えます。
その前に、ようやく宿題を果たせたような気持ちです。

リンク集の最初には、私の会社のホームページへのリンクがあります。
これは、商売の宣伝のつもりです。
どうぞよろしくお願いいたします。


(2002年12月23日)
今年も残すところ後1週間になってしまいました。
生保会社も銀行も、問題を先送りしたまま年を越すことになりそうです。その会社で働く人たちにとって、とりあえず会社がそのままで年が越せる、と喜ぶべきなのか、いつまでたっても解決しない不安を抱えたままでまた新しい年を迎えなければならない、と失望するのか、いずれにしても否応なしにもうすぐ新年です。

民主党は決まったばかりの党首を交代させ、一部の人は保守党と合流して与党の一部になる、その保守党の党首は離党して自民党に入れてもらうとかもらわないとか、もはや自民党以外の政党は体をなしていないような有り様です。となると、対抗馬のいなくなった自民党自体、体をなさなくなってしまいます。戦後の自民党対社会党の与野党対立の体制は、お互いに安定した対立する体制が出来上がっていたため、もたれあいでどちらの政党にとっても存在が確保できた、といえると思います。小沢一郎さんをはじめとする人たちによってこの体制が崩され、既に野党の方はほとんど存在感を失っていますが、これに引き続き、もたれあいの支えを失った与党の自民党もいずれ近いうちに大きな変革に見舞われることになるのかな、と思っています。
党首の小泉さんが『自民党をぶっ潰す』と言っていますが、何も小泉さんがぶっ潰す、というわけではなく、単にそのときそこに小泉さんが居合わせた、というだけのことでしょうが。

ところで、浅谷さんのホームページでも取り上げられていますが、金融庁がアクチュアリーと再保険の専門家の人材募集をしています。

(浅谷さんのホームページの記事)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/asatani/kiji0212.htm#kiji021206
(金融庁の募集案内)
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/14/sonota/f-20021209-1.htm

日経新聞の週末の人材募集広告にも金融庁の名前で2週続けて広告が出ています。今度は本気で採用を考えているのかもしれません。

このホームページの読者のどなたか、応募してみる気持ちはないでしょうか。
お役所仕事はあんまり面白くないかもしれないし、給料もあまり多くないかもしれませんが、一度、役所に勤めて、役所の考え方を知ったり、役所がどこにどのように気を使っているか、とか、役人が自分の行動を決めるための力学がどのように働いているかを知るのにいい経験になるかもしれません。いずれにしても役所には膨大な情報が蓄積されていて、さらに必要だ、といえばそれ以上の情報もかなりの範囲で収集できる、という、他では得られないような利点があります。特にまだ若いアクチュアリーにとって、人生の一時期、ここに身をおいてみるのもいい勉強になると思います。
私ももう20年位若かったら(日本社から外資系生保に移った頃です)この募集に手を挙げていたかもしれません。今となっては手を挙げるのもなかなかむずかしくなってしまっていますし、手を挙げたとしても、年齢のこともあるし、今までいろいろなところで役所の悪口を言いふらしていたこともあるしで、私を採用してくれることはないだろうなあと思っています。
できればこの採用に応募して、採用された後、折にふれて役所の内部からこのホームページに向けて実況中継などしてくれると他のアクチュアリーの人たちにも大いに役立つと思います。
応募の締め切りは、来年1月16日、ということですから、この年末年始のお休みにでもじっくり考えてみてください。

このホームページに、メールマガジン方式による新着情報の機能を追加して、10日ほどたちますが、今のところ、20人弱の方が登録してくれています。これをすることの副次的な効果として、メールマガジンを出すためにホームページ自体に何か書き込みをしなければ、という私自身に対するインセンティブになっているようです。まだ登録していない方、よろしかったら登録してみてください。
右側のメニューボタンの『新着情報』を(ダブル)クリックし、『新着情報』のページに入ったら『メール登録』のボタンをクリックしてください。『登録』のフィールドにメールマガジン送付先のあなたのメールアドレスを記入して『登録』のボタンをクリックしていただければ、それで仮登録になります。
あなたのメールアドレス宛に、『仮登録のお知らせ』のメールが行きます。そこに、本登録のためのアクセスパスが書いてありますので、そのアドレスを(ダブル)クリックしてください。(あるいは、そのアクセスパスをIE(インターネットエクスプローラー)やNN(ネットスケープナビゲーター)のブラウザーのアドレスのところに転記してアクセスしてみてください)そうすれば、本登録が完了し、あなたのメールアドレス宛に、『本登録のお知らせ』のメールが行きます。
このような2重の手間をかけるのは、間違って登録するのを避けるためですが、順調に行けば、仮登録も本登録もあっという間に終わってしまいます。試してみてください。 登録する内容は、メールアドレスだけですし、そのメールアドレスも『新着情報』を配信するためだけにしか使いませんので、ご安心ください。

多分これが、今年の最後のコメントになるかと思います。今年も1年、ご声援ありがとうございました。山積みされ、先送りされた問題も多々ありますが、来年こそはそれらの問題にも解決の方向性が出てくることを信じて、皆様、よいお年をお迎えください。


(2002年12月13日)
先月末、生保各社の中間報告の発表の前日、日経新聞が予定利率引下げ問題について、金融庁が法制化の方針を決めた、とリークし、その中に予定利率引下げの際、解約停止期間を設ける、早期解約控除を導入する、などの可能性も示唆しました。
マスコミは大騒ぎし、お役人は知らん顔をする、と言ういつもの光景ですが、生保各社の中間報告に向けてのアリバイ作りだったのかもしれません。

予定利率の引き下げ問題は生保会社の経営の重要なテーマでもあり、且つ又、生保数理の根幹にかかわる問題なので、もっとアクチュアリーが積極的に発言しなければならないのではないか、と思いますが、残念ながらこのホームページの掲示板は音なしの構えなのに引き換え、アクチュアリー以外の皆さんの議論は活発に行われています。

さて、このホームページは残念ながらあまり頻繁に内容が更新されないため、いつも見に来てくれる皆さんにしょっちゅう『何も新しいものはないな』と確認するためだけに見に来てもらうことになっていたように思います。
と同時に、『どうせまた何もないだろう』と言うことでせっかくの新しい内容を皆さんに見てもらうのが何日も遅れてしまう、ということもあったと思います。
前前からこの問題を何とかしようと思っていたのですが、ようやく、1つの解決策としてメルマガ方式で新着情報を送信する、ということにしました。

皆さんにあらかじめ、メーリングリストに登録していただき、このホームページの内容が変わったら(私のコメントを追加した、掲示板に新しいコメントが載せられた、その他なんでも)、その旨を簡単にメールに載せて、あらかじめ登録していただいている人に発信する、という仕組みです。このホームページの管理人として、私自身は毎日このホームページを見ていますので、掲示板に新しいコメントが載ったら遅滞なく(その日のうちに、と言うお約束はできないので、1〜2日のうちに)皆さんに報告する、という仕組みです。ご希望の方は、右のメニューボタンの一番上の『新着情報』のボタンを押して登録してください。
この『新着情報』と言う言葉はかなり一般的になっている言葉ですが、考えてみれば不思議な言葉です。
『新着』と言うより『新発』と言った方がふさわしいような気もしますが、もはや一般的な言葉ですからあまりこだわらずに『新着情報』で行こうと思います。
もしよろしかったら試してみてください。
何か不都合な点などありましたら、お知らせください。


(2002年11月 4日)
11月の三連休も無事に過ぎました。
竹中さんのハードランディングプランも何のことはない腰砕けで全てはまたまた先送り、小泉さんの国債発行30兆円の公約も取り下げ、となってしまったようです。

小泉さんは次々に公約を破っていますが、一つだけ確実に実行しつつあるものがあります。
自民党をぶっ潰す、という公約です。

自民党だけでなく、民主党もあおりを食らってぶっ潰されそうですし、社民党も同様です。
政党だけでなく、中央官庁も、次から次へと、役人のいうことを聞かない大臣、大臣のいうことを聞かない役人、一つの官庁の役人がいくつもに分裂して、橋本首相がめざした霞ヶ関をぶっ潰す行政改革がようやく動き出しつつあるようです。

いよいよ自己責任の時代、役人にも頼らず政治家にも頼らず学者にも頼らないで、自分の目で見て自分の頭で考えて自分の言葉で表現する、そんな時代がやってきそうな気がします。

そう思うとちょっと未来は明るい、と思いませんか。


(2002年10月21日)
北朝鮮の状況が急に変わってきました。

5人の拉致被害者を表に出し、拉致していたことを認めたと思ったら、今度は核開発も認めてしまいました。

こうなった以上、もはや金大中さんの太陽政策による時間稼ぎもは通用しなくなり、韓国による北朝鮮の併合、統一も時間の問題のような気がします。そうなるといよいよ再びの朝鮮特需でしょうか。

戦争による特需か戦争を経ない特需か、たぶん戦争はしないのじゃないか、と思いますが、いずれにしても特需景気で、長かったポストバブル経済の時代も終わりかもしれません。

しかし、景気がよくなる前に(景気がよくなると同時に)まず、金利の上昇が起こり、国債をはじめとする債券価格は大幅に下がることが予想されます。

そんな中、一昨日の日経新聞によると、生保各社は債券投資を増やそうとしているようです。
なんとも危なっかしいことです。


(2002年10月10日)
連日、東京もニューヨークも株価を下げ、世の中がだいぶ騒がしくなってきました。

ところで、最近ではアクチュアリーもかなり流動性が高くなり、大勢の人が会社を替わっています。

私のところでは、アカラックスという会社で人材紹介業も行っているのですが、いくつかの会社から、優秀なアクチュアリー、その他人材を紹介してもらいたい、という話が来ています。

アカラックスの基本的な考え方は、単なる橋渡しをするのではなく、求人側、求職側の双方の現状とニーズを理解した上でお互いがハッピーになれるようなアドバイスをする、というように考えています。特に、どうしても求人側のほうが立場上、強くなりがちですが、求職側にたって聞きにくいことを聞いたり、要求しにくいことを要求したり、求職側を代理して話を進めます。

アクチュアリーだけでなく、その他のキャリアの人でも、いくつか求人の話がありますので、興味があったら連絡してみてください。

個人的なメールは  lax@air.linkclub.or.jp あて、
アカラックスの会社宛のメールは sakamoto.y@acalax.jp あて、
会社の電話は 03-5209-1251  Faxは 03-5209-1259

転職をしてみようかと考えている人、転職するつもりの人、転職せざるを得ない人、連絡をお待ちいたします。


(2002年10月5日)
9月末を超え、い良いよ世の中が騒がしくなってきました。

保険毎日のプロフェッショナル・アイに下のような投稿をしたのですが、内容が内容だけに、中々掲載も難しいのか、今のところ連絡がありません。
せっかく書いたものなので、ここに載せておきます。

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公的資金

いよいよ9月が終わってしまった。日本を始め、ほぼ全世界的な株式市場の大幅下落と共に。
そして為替も円高(即ち外貨安)で終わってしまった。
9月末の中間決算(生保の場合、半期報告)はどんな姿になるのだろう。

その前々日、9月最後の週末の土曜日に日経新聞に生保の契約者保護機構の記事が出た。契約者保護機構の中の公的資金枠4,000億円が来年3月末で期限が切れるので、これを延長する---ことを金融庁が検討を開始する。このような「これから考えます」という記事が何と日経新聞の一面トップ記事になった。
勿論トップ記事だから、見出しは「生保契約者保護を継続」となっており、2行目に「公的資金枠4,000億円延長」とあり、その下に小さく「金融庁検討」と書いてあるので、気の早い人は簡単に誤解してしまいそうな記事となっている。
「継続」とあるからには、今まで生保契約者保護はされていたに違いない、「公的資金枠4,000億円延長」とあるからには、公的資金が今までも用意されていてこれからもあり続けるんだ、このような誤解を誘うような見出しが使われている。
公的資金枠というのは絵に描いた餅で何の役にも立たないものだとか、生保契約者保護などもう既になくなっている、などというのはわかる人にしかわからないような表現になっている。

記事では公的資金は必要な時には使えるとなっているが、実際はこれを使うには国会の決議が必要であり、現実問題としてはまず使えない(国会議員が国民の批判を恐れて公的資金を使うことに賛成しない)ものだ。
この絵に描いた餅を延長することと引き換えに、金融庁は民間生保に更に拠出金を出させようとしているようだ。
前回この絵に描いた餅と引き換えに民間生保に拠出金を出させた時は、東邦生命の破綻処理が人質になっていた。またその時は絵に描いた餅が実際に使えるものかどうかも半信半疑だった。(大蔵省のお役人は自信タップリに、「自分達(お役人)が決めた事だから、必要になったら国会議員は無条件で自分達(お役人)の言う通り公的資金を使うことに賛成する」と、国会議員の先生方が聞いたら怒ってしまうような事を平然と言っていた。その後、その公的資金が本当に必要になった千代田生命・協栄生命の破綻処理の際、これが絵に描いた餅だということがようやく明らかになり、これら会社の引受け会社は公的資金なしの計画を立てなければならなかった。)
今回は朝日生命の破綻処理が人質になるのだろうか。だとしても絵に描いた餅が絵に描いた餅でしかないことがもはや明らかになってしまった今、民間生保各社もそう簡単にこの話を飲むことはできないのではないか。
金融庁はこの方向の具体策を来年の通常国会に保険業法の改正案として提出する方針だと記事にある。だとすると、朝日生命の破綻処理はそれが済むまでお預けということになるのだろうか。そうすんなりとは物事が進まないだろうから、決着が着くとしても来年の4月以降になることが想定される。そのためにも公的資金枠を来年の4月以降に延長しなければならないのだろうか。

翌日の日曜日にはまたまた日経新聞の一面(今度はトップではなかったが、トップ記事は日本経済の概観みたいなものなので、実質的な具体的な記事としてはトップの扱いだった)に、朝日生命が団体年金から撤退するという記事が出た。朝日生命に今だに3,500億円もの年金受託資金が残っているというのも驚きだが、これに見合うだけの換金できる資産がまだ残っているのかなと他人事ながら心配になる。この年金資産を2、3年以内に親密先のみずほ信託銀行、大和信託銀行に移す方向で調整中ということだが、こう言うことでまだ2、3年はもつという印象を世間に与えたかったのだろうか。

一内閣一閣僚と言っていた小泉さんの内閣改造で柳沢金融担当相が更迭され、銀行に対する公的資金投入は一気にやりやすくなった。
朝日生命が破綻できない原因の一つは、その破綻がいくつかの親密先銀行に大きな影響を及ぼし、銀行の破綻につながりかねないという懸念だ。この問題が銀行に対する公的資金の投入で解決できるのであれば、朝日生命の破綻処理はスタートすることができるかもしれない。
いつまでも朝日生命をたな晒しにしないで、早く破綻処理に移してあげたら良いのになと思う。その処理の過程で、今度こそ契約者にとって、破綻前の予定利率引下げと比べて、破綻処理がいかにコストがかかるか明らかにする。そして他の会社についても既契約の予定利率引下げにつなげるというシナリオはどうだろう。死に体の一社の犠牲で他の会社が生き延びることができるのであれば、以って瞑すべし。これも検討に値する考えではないだろうか。

ここまで書いたところで今日(10月1日)の日経新聞を見ると、今度は(さすがに一面は改造内閣の顔ぶれの紹介に取られてしまっているが、3頁目に)個人保険・個人年金保険の7割以上が逆ざや状態になっていると、これまたかなり大きく取上げられている。コメントには「逆ざや解消のため、破綻前の予定利率引下げ制度の導入を求める声が強まる可能性がある」として、そちらの方向に読者を誘導しようという意図が読み取れる。
周知のように日経新聞は政府の御用新聞として、政府の意見を知らしめるため、雰囲気作り、あるいは民間の意見にさぐりを入れるために使われている。このように連日生保関連の記事が掲載されるところを見ると、いよいよ金融庁も重い腰を上げて動き出そうとしているのかなと思える。

行政・民間生保・消費者サイド、それぞれ過去からの行きがかりや様々な思惑もあると思うが、それは暫時棚上げしてもらって、この際当面の課題を解決するために本音ベースで協力してもらいたいと切に期待したい。
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御意見お聞かせください。


(2002年8月19日)
久しぶりに素晴らしい本を読んだので紹介します。

高橋伸夫さんという東大の先生(東京大学大学院教授)の書いた『できる社員は「やり過ごす」』という本で、日経ビジネス文庫から出ています。(定価600円+税)

本のタイトルからすると気楽な読み物風の本のようで、文章も確かに読み物風の気楽に読める、わかりやすい文章ですが、内容は素晴らしいの一語につきます。
「やり過ごし」、「尻ぬぐい」、「泥をかぶる」、「見通し」、「付き合いの長さ」など、借り物でない日常的な言葉が次から次へと出てきて面白く読める本ですが、それと同時に学問的にもかなり水準の高い本です。

日本にもようやく、日本の会社の経営のやり方について、自分の目で確かめ、自分の頭で考えたことを、自分の言葉で表現する、本物の経営学者が生まれたんだなと本当に嬉しくなりました。
勿論私は経営学の専門家ではありませんが、今まで私の知っている限りでは、日本の経営学者というのは欧米の経営学の翻訳、紹介、そしてそれを日本の現実にどう適用するかということしか考えて来なかったように思います。借り物でない視点で現場をはっきりと見つめ、その中から考えを整理し、理論化していく。その中で今まで我々にとって当たり前のことだけれど、欧米の理論では十分な説明ができずに何となくモヤモヤして欲求不満に思っていたことが、理論的根拠をもってわかりやすく説明され、これで良いんだと保証してもらえる。こんなに気持の良いことはありません。

欧米流の経営学に惑わされることなく、日本流の経営の良い所をそのまま良いと学問的にはっきりさせてくれる、素晴らしい本です。
この本の素晴らしさは実際に読んでもらわないと十分伝わらないと思います。お盆休み明けのくたびれた頭で読み始めても、ワクワクして元気が出てくる本です。是非一度読んでみて下さい。


(2002年8月19日)
前回、何の気なしに代理店ビジネスの準備と書いてしまいましたが、良く考えてみるとこのホームページではまだ代理店ビジネスのことは話していませんでした。
代理店向けのメールマガジン Inswatch(http://www.inswatch.co.jp/ を参照して下さい)に毎月、代理店ビジネスの初めからの経過報告を書いていたりするので、何となくもう皆が知っているような気がしていたのですが、ここで改めて説明しておきたいと思います。

昨年2月にアイエヌジー・リ・サービスという再保険の会社を閉鎖することになり、アカラックス株式会社という会社を設立したというところまでは、既に以前書いていると思います。その会社は数理を中心とする生命保険コンサルティングの会社ですが、何とか1年たって、2期目の決算を終えました。(設立が昨年4月で6月決算なので、1年とちょっとでもう2期目の決算が終わってしまいました。)
このアカラックスというコンサルティングの仕事で、今まで出来なかった、より営業の現場、あるいは消費の現場に近い所、即ち保険の代理店や募集人、消費者である契約者に対するコンサルティングをしたいと思っていたのですが、なかなかうまく行きません。そこで今年3月に、相手が来てくれないんならこちらか飛び込んでしまえということで、代理店を始めることにしました。

営業をすると言っても、誰かに教わってやるとか、営業の経験者を雇って働かせるとか言うのではなく、営業の経験などない人間が何人か集まって、自分達でこうするのが正しいだろうと考えるやり方でやってみようと言うのですから、こんなアブナッカシイ話はありません。
アクチュアリーに営業なんかできるわけがないんだから、悪いことは言わないから早くやめろという親切なアドバイスはたくさんもらいました。
また、代理店営業のプロからは、生保の営業で成功するためには、しっかりした大きなマーケットを確保していることと、卓越した営業力があることの2つの条件が必要だとアドバイスされました。2つの条件が両方共あれば素晴らしいけど、どちらか一方でもうまく行くかも知れない。どちらもなければ絶対にうまく行くわけがないということです。私の所は自慢じゃないけれど、どう考えてみてもどちらの条件も満たさないのは明らかです。

というわけで、3月にアカラックスの子会社の形でアカラクシアという有限会社を設立し、4月に代理店登録をしました。この関係で20何年ぶりで募集人資格のための試験(一般課程-昔の初級、専門課程-昔の中級)を受験し、また変額保険の試験も受けました。

実際に代理店を始め、見込み客をみつけ、手持ちの保険契約を分析し、保険ニーズをみつけようとしていると、生命保険会社の本社の中の方にいて、商品開発や経営管理、決算をやっているのと全く別のあれこれが見えてきます。
標準的に誰にでも利用できる汎用の商品特性を考えるのではなく、具体的に個別の顧客とその特定のニーズに適した商品を選択し、組み立てるというのは本当にワクワクするような面白い仕事です。
社員一同少しずつ仕事にも慣れてきて、最初は1日がかりだった設計書の打ち出しもアッという間にできるようになりました。色々な会社の商品も具体的な個別の顧客のニーズに照らして、その良し悪し、優劣を検討できるようになりました。また各社の営業社員の代理店に対するアプローチ、あるいは顧客に対するアプローチもわかるようになりました。

今の所私の知る限りでは、アクチュアリーで代理店として保険の販売をやっているというのはかなり珍しく、他にはいないのではないかなと思います。そんな物珍しさも面白いアピールポイントになるかも知れません。
保険サービスの購入者の立場で、こんな代理店のアドバイスを試してみたいというような奇特な人や会社がありましたら、是非紹介して下さい。


(2002年7月16日)
またまた、あっという間に2ヶ月もたってしまいました。

このところ、代理店ビジネスの準備でバタバタと忙しく、また、体調もちょっとこわしてしまって、大事を取って少しノンビリしていたら(そういえばサッカーのワールドカップも見なければならなかったし)、いつのまにかもう7月も半ばになってしまいました。

ここへ来て、国会と中央官庁のお役人のやることなすこと、見事なほど、あきれ返るほどのだらしなさです。その例をあげようとも思わないほど次から次へ、不祥事や不手際がでてきています。

財務省や金融庁では、お役人の順送りの人事異動さえできずに終わってしまいました。それも、もう誰が見ても死に体の、何の力も残っていないと思われる小泉内閣に対して、自分たちの人事さえ承認させることができなかった、と言うのは、いよいよもって本当にお役人の力がなくなってきたことの表れに違いない、と思います。

お役人の力の源泉の一つは、あのカッコとした順送りの人事異動とそれに伴う天下りのシステムですから、お役所の上のほう(財務省の事務次官や金融庁の長官など)の人事異動が予定通りいかないと全ての手順が狂ってしまうことになります。今までは国民がなんと言おうと政治家が何を言おうと、所轄大臣だろうと総理大臣だろうとどんな反対も押し切ってお役人の世界の人事異動を押し通してきたものですが、これができなくなった、と言うのは、思っている以上にお役人の力がなくなってきているのかもしれません。

何年か前、橋本首相が省庁再編を決めたときの深慮遠謀の時限装置がいよいよ効いてきたのかな、と思います。

もちろん、お役人の力が弱くなれば政治家の力もそれに伴い弱くなります。中国の言葉に唇亡びて歯寒し、とあるとおりです。政治家の力、と言うのはお役人の力に依存していたわけですから。

当面、政治家も官僚も、新聞をにぎわすつまらない記事のネタになること以外に実のあることは何もできないでしょう。個人であれ法人であれ、もはや政治家に頼ったりお役人に擦り寄ったりしておいしい目を見ることができなくなります。全て自分の判断と知恵でこれからの行く道を探していかなければならなくなります。ちょっと大変ですが、これこそ日本再生のあるべき姿だ、と思います。この意味で、いよいよ日本再生が始まった(始まる環境が整った)と考えると、うれしい限りです。


(2002年5月4日)
旧千代田生命の破綻処理にあたった管財人の弁護士の先生方が書いた『生保再建』という本が東洋経済新報社から出ています。

更生特例法申請の何日か前、弁護士の先生があらかじめ裁判所から保全管理人になるように頼まれるところから始まって、更生計画が裁判所に認可され、AIGから送り込まれていた戸国さんに千代田生命の経営をバトンタッチし、その後もうひと波乱あったもののそれも無事収まったところまで、半年余りの波乱万丈の、ハラハラドキドキの物語です。

登場人物と会社名をチョットだけ変え、フィクション仕立てにしていますが、誰のこと、どこの会社のことが書いてあるかすぐにわかるように書かれています。

AIGを相手に値段交渉をするのに、相手に義理人情を期待してみたり、名だたるコンサルティング・投資銀行がとんでもない間違いをやらかしたり、非常に面白い読み物になっています。

弁護士も、企業の破綻処理を得意とする先生が選ばれるので、破産法・会社更生法や民事再生法には慣れているのでしょうが、更生特例法などというのは法律ができたことは知っていてもジックリ読んだことはない、実例もまだほとんどないから細かいところはいちいち自分で考えなければならない、という状況で、生保の経営についても、保険の仕組みも、相互会社のことも何も知らない弁護士の先生が裁判所に指名されて破綻した生命保険会社の一切の権限をもってしまう、というとんでもないことが起こることになります。勿論、弁護士の先生をサポートするためにコンサルティングファームその他がアドバイスすることになりますが、全ての最終的な判断と意思決定は弁護士の先生がとんでもない混乱のまっただ中で行わなければならないことになります。これは本当に大変なことです。

この本の中で全くと言って良いほど存在感のないのが金融庁と生保協会です。以前、日産生命や東邦生命の破綻処理の際、中心的な役割を担っていた金融庁、生保協会はこの本ではほとんど登場しません。出番がない分、気楽だったかもしれませんが。

管財人の目標はいつしか契約者保護機構からの資金援助なしの更生計画を作る、ということになり、そのために獅子奮迅の努力を重ねてついにAIGにその条件を飲ませ、めでたしめでたし、というのが結論ですが、AIGだって慈善事業をしているわけではなく、そんなに甘い交渉をしているはずがないので、ちゃんとどこかで元をとっているはずだ、と思われるのですが、そこのところは弁護士の先生方は余り気にしていないようです。

交渉の直接の相手、ということでしょうか、千代田生命の元社長の米山さんやAIGの人たちがとてもいい人のようにかかれているのがチョット気になりました。

とにかく、一気に読める本です。楽しんでください。


(2002年3月27日)
浅谷さんのホームページの3月24日のコメントに、3月23日付の週刊ダイヤモンドに載っていた元大蔵省の滝本さんのコメントに関するものがありました。
遅まきながらその号のダイヤモンドを買ってきて読んでみました。

滝本さんのコメントは、あいも変わらない元お役人の、うそと無責任と責任回避のコメントに終わっていて、予想通りだったのですが、浅谷さんのこれに関するコメント、これに関連した自分自身の元大蔵省時代のことに関して、ちょっと弱気の発言、いいわけじみたコメントが気になりました。

週刊ダイヤモンドのこの号は、『選ばれる保険会社』という特集記事がメインになっていますが、ついでにほかの記事も読んでみました。

その特集の中に、『悲鳴をあげる保険の現場』というタイトルで朝日生命のベテラン外務員3名が匿名で座談会をしている、という形式の記事がありました。

朝日生命は大丈夫だ、優秀な社員もたくさんいるし、非常にいい商品(『保険王』のこと)が良く売れているし、もっといい会社になってもらいたい、という座談会ですが、そこでコメントされている外務員さんのコメントがもし本当だとしたら、朝日生命というのは経営や管理の面でもうどうしようもないほど問題の山積している会社で、改善の余地は余りなさそうだし、早く整理した方が世のため人のためになるのではないか、と思わせるような内容でした。

週刊ダイヤモンドの編集サイドがどんなつもりでこの記事を作ったのか、ここの内容が本当に現役外務員さんの生の声を代表しているものなのか、なかなか興味深く読みました。

また、この号にはニッセイ基礎研の正田さんの『生保予定利率引下げ、今こそ政・官・民が決断を』というコメントも載っています。

今すぐだったら本屋さんにも『先週の週刊ダイヤモンド』ということで残っているかもしれません。


(2002年3月17日)
いつにの間にかもう3月の半ばになってしまいました。

3月危機はいよいよ目の前に迫ってきており、金融関係のお役人の『大丈夫』発言しか聞こえなくなりました。
このような状況の中、鈴木宗雄さんのことでマスコミは大騒ぎをしています。

ことの始まりは確か、田中真紀子さんと外務省の争いだったはずなのが、いつのまにか鈴木宗雄さんの問題にすりかわってしまい、田中真紀子さんと一緒にやめたはずの野上さんという次官も、外務次官は辞めたもののなんだかまだ外務省を辞めていないようです。(更迭、というのは次官をやめる、ということで外務省の役人を辞める、ということではないようです。)
一般的に他の省庁ではお役人の一番えらいのが事務次官ですが、外務省ではそうではなく、事務次官というのはまだ出世の始まりという位置付けのようですから、野上さんはこれから外務省でもっとえらくなるのかもしれません。
一番悪者の外務省がいつのまにかひ弱ないじめられっこ、というイメージになってしまい、その悪者にたかってちょっとだけ甘い汁を吸っていた鈴木宗雄さんが諸悪の根源みたいなことになってしまいました。
外務省の内部文書がいつのまにか外部の人の手に渡り、それが公表されると外務省がその存在を認める、外務省がそれを認めた段階であたかもその文書の中身がまったくの真実であるかのような取り扱い方をされる、なんともむちゃくちゃなことになってきました。
誰か外務省のお役人が何年も前の日付けで内部文書を作り、ファイルに綴じこんだ上でそのコピーをこっそり野党の議員に手渡して、野党の議員に公表してもらい、それを追いかけるようにしてすまなそうにその文書の存在を認める、という形をとればどんなデッチ上げでもできそうな雰囲気です。
外務省は形だけすまなそうな振りをして謝れば、それ以上は責任を問われないようです。
うまい具合に鈴木宗雄さんに責任転嫁して、世論の糾弾を逃れてしまったかの感があります。お役人の世界はいつもこんなものだな、といったところです。

といった按配で一般の世間の目は3月危機が遠のいたかのような感があります。
多分、朝日生命の破綻も3月中には起こらない(起こさない)のだろうと思います。

相互会社の株式会社化、相互会社同士の合併、相互会社の社員配当の下限を80%から20%に引き下げる話、等、相互会社のあり方にかかわる大きな問題が、このドサクサに紛れていつのまにかほとんど議論されることもなく大きく進行しています。

我々にとっては、生命保険のあるべき姿の理想形の一つとして相互会社組織を習いました。もう一度、このあたりを考え直してみたいと思っています。

浅谷さんのホームページでも紹介されている、住友生命総合研究所の主任研究員である茶野努氏の著書「予定利率引き下げ問題と生保業の将来」でも、既契約に対する予定利率引下げ問題について相互会社組織の視点から、予定利率の変更ができないのは間違っている、という指摘があります。


(2002年1月2日)
明けましておめでとうございます。

このホームページも3年目になりました。
何とか今まで続けてこられたのも、ひとえに皆さんの御支援のおかげです。

今年は銀行も、保険も、バブルの後始末の最終局面で、またまた色々大きな動きが予想されます。
年始早々から、ニュースから目を話せない日々が続くと思います。

私も、このホームページを始めたときは、アクチュアリーの皆さんに意見発表の機会を提供するのと同時に、自分自身の意見発表の場としても考えていました。当時、このホームページくらいしか、自分の意見を自由に発表できる場がなかったのです。

その後、私自身、アイエヌジー生命をやめ、また、アイエヌジー自体からも離れ、自由の身の上となったと同時に、InsWatchという保険代理店向けのメールマガジンや最近では保険毎日新聞にも定期的に投稿できるようになりました。その分、このホームページに意見を載せるのが少なくなっているかもしれませんが。

自己紹介のページをずっと放ってあったので、更新しました。
このコメントも2年分たまってしまったので、今日の分から新しく積み重ねていきます。
今までのコメントは別ファイルにして、この最後から見ることができるようにしました。


2001年12月までの私のコメント