生命保険数学入門−掲示板
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投稿時間:10/02/15(Mon) 15:59
投稿者名:坂本嘉輝
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タイトル:はじめに

これから、生命保険の様々な計算と、そのバックにある考え方について説明します。
生命保険がどのようにできているのか、生命保険会社はどのように儲けているか解説します。

生命保険の計算は生命保険数理とよばれるのですが、これの基礎となる考え方として、金利計算と死亡率計算の二つがあります。
ふつうは金利計算というのは、利率という率についての計算方法についての議論ですが、これは単なる率なのか、確率なのか、という議論もあります。また死亡率の方は何となく確率のように思われていますが、実際の所、これが確率なのか単なる比率なのか、という議論もあります。これは『元々は比率なのが生命保険ではそれが確率になり、それを技術的に比率として取扱う』というちょっとめんどうくさいのが生命保険数理の考え方なのですが、これらについてはそれぞれの所でもうすこしくわしく解説します。
生命保険数理を実際に使って計算する専門家をアクチュアリーといいますが、これを通常は、金利計算と死亡率という確率計算の二つを使いこなす専門家、というふうに言っています。

ここで「金利計算」と「死亡率という確率計算」の間に置かれている「と」の理解のしかたでアクチュアリーとは何か、という点がかなり変ってきます。この「と」を「両方」という意味でとらえると「金利計算」と「死亡率計算」の両方がかかわることがアクチュアリーの領域だということになります。この「と」を「どちらか一方あるいは両方」という意味でとらえると、「金利計算」のみ「死亡率計算」のみ、あるいは「金利計算」と「死亡率計算」の両方、という具合にアクチュアリーの領域がかなり広くなります。

しかし、いずれにしても「生命保険数理」を理解するためには「金利計算」と「死亡率計算」の両方を使いこなせなければならないので、両方ともある程度マスターする必要があります。

まずは金利計算から、死亡率計算、そして生命保険の保険料の計算、責任準備金の計算と、順に解説していきます。

なお、この解説は、私の個人的な理解にもとづいているので正統的な(日本アクチュアリー会の正統的な理解に基づく)生命保険数学の考え方とは必ずしも一致するわけではありません。アクチュアリー試験を受験しようと考えている人は注意してください。しかし、この解説を副読本として生命保険数学の教科書を読むと、理解が進むかも知れません。少なくとも、無味乾燥な教科書をしんぼう強く読み進むより、かなり面白い勉強ができると思います。
生命保険数学を1 からすべて解説するのはかなりしんどい話なので、私の方は逆に、アクチュアリー試験の生命保険数学の教科書である二見さんの「保険数学」という本を時々利用させてもらいながら、この解説を進めようと思います。うまく行ったらお慰みです。

この掲示板では、私の解説に対して、間違いの指摘、解説が不十分な箇所の指摘、わかりにくい解説の改善のリクエスト、解説項目の追加のリクエスト、内容に関する質問・意見等を受け付けます。
ご指摘・質問・意見等を反映して解説のページを改善、充実させていきたいと考えています。
皆さんのご協力により多少でも役に立つサイトにしていけたらうれしいのですが。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

坂本嘉輝(管理人)


以下は関連一覧ツリーです。
- はじめに - 坂本嘉輝 10/02/15(Mon) 15:59 No.4
Re: はじめに - 坂本嘉輝 10/02/15(Mon) 16:07 No.5


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