このページの訪問者数は、累計 
です。

私のコメント


   保険と数理のコンサルティング
      アカラックスに御用の方は、 ここをクリックしてください。
   保険代理店
      アカラクシアに御用の方は、 ここをクリックしてください。


このホームページに関するご意見等は、「練習帳」掲示板か、
直接、私 mail-admin@acalax.infoまでメールをください。

(2003年11月 1日)
この練習帳を、もっと多くの人に見てもらおうと思い、また、ホームページの活性化も図りたくて『新着情報』のページを作り、練習帳や私のコメントなど新しい書き込みがあったらあらかじめ登録してくれている人にお知らせを配信する仕組みを作りました。

この新着情報も管理人の怠慢でなかなかきちんと維持できていません。
そこで、この新着情報を自動化し、新しい投稿があり次第自動的に配信する仕組みを作りました。

この仕組みが悪用されてしまうと困るのですが、そのときには管理人のほうで配信をストップします。

『私のコメント』も今後はこのページに載せると同時に『練習帳』掲示板にも載せて自動的に配信する事にします。この機会に、まだメールアドレスの登録が済んでいない方は差し支えない範囲内でぜひ登録してください。

配信先のメールアドレスの登録は今までどおり、『新着情報』のページで行なってください。


(2003年10月25日)
またまた1ヵ月があっという間にたってしまいました。国会が解散され、いよいよ総選挙ですね。

総選挙を前に、相変わらずいろいろなニュースが飛び込んできます。
今回は生保の特別配当支払い漏れのニュース、弁護士の中坊さんの起訴猶予のニュース、道路公団の藤井さんの解任のニュースについてちょっとコメントしたいと思います。

旧大手をはじめとするいくつかの生保会社で特別配当の支払い漏れが見つかったとのこと、ただでさえ生保不信のこの御時世に厄介なことです。
とはいえ、25年も見つからなかったエラーがよくも見つかったものだな、と思います。

詳しい内容は良くわからないのですが、多分、転換契約の特別配当の計算がうまくいかなかったものと思います。保険料や解約返戻金の計算は転換してしまえば転換後契約についてだけ考えていればいいのですが、特別配当については転換前契約のデータを持っていないと計算できないようになっているのでしょうか。

いずれにしても、特別配当の制度ができ、転換制度ができたときは今のように2、3年おきに次から次へと何度も転換が繰り返される、という事は想定していなかったでしょうから、システム作りも大変だとおもいます。

とは言え、基本的には有配当の相互会社が配当にあまり関心を持たなくなったというのが一番の原因かもしれません。

中坊さんが弁護士を辞める、と急に言い出しました。例の詐欺事件で告訴されていたのでやはりかなり深刻なのかな、と思っていたら、中坊さんの弁護士廃業のニュースの約1週間後にその詐欺事件で中坊さんはじめ告発されていた人々が起訴猶予になった、というニュースが流されました。

微妙にタイミングがずれていますが、やはりこれは弁護士廃業と引き換えに起訴猶予にしてもらった、という風に理解するしかないように思います。
中坊さんは『今残っているのは命と弁護士資格しかない』などとかっこいいことを言っていますが、彼ほど有名人になってしまえばもはや弁護士資格などなくても何の不自由もなく、何でもできるはずです。必要だったら弁護士資格を持っている人に名前を貸してもらえばいいだけの話ですから。弁護士を廃業するなど何の意味もないのではないでしょうか。これと引き換えに起訴猶予になった、というのは何とも情けない話です。

日弁連の会長まで勤めた人が、司法を無視するような行動をとったのは残念です。起訴猶予になる、というのは、裁判による法律の判断を拒否して検察が(無罪の)処分を決めることを受け入れる、ということですから。中坊さんは自分だけでなく、他の何人かの人についても起訴猶予を勝ち取って、自分だけでなくこれらの人についても法律による判断を拒否させてしまったのですから。これが日本の弁護士の法意識のレベルをあらわしているのでしょうか。

さてそんな中、道路公団の藤井さんは頑張っていますね。9時間にも及ぶ聴聞を終え、今週の月曜(20日)にでも解任される予定が結局24日(金曜)まで延期になってしまいました。さて、いよいよ正式に解任され、藤井さんの反撃が楽しみです。

マスコミのインタビューでは高速道路の問題で藤井さんを攻撃していた人々が次々に藤井さんを攻撃して、『けしからん』、とやっていますが、相変わらずのマスコミのセンセーショナリズムです。高速道路についての意見の相違と解任されるほど悪いことをしたのかどうかということがごっちゃになっているように思います。

民間企業(たとえば普通の株式会社)であれば、代表取締役の解任は取締役会で決議してしまえばそれまでだし、取締役の解任も株主総会で決議してしまえばそれまでです。別に理由も要りませんし、聴聞などの手続きも必要ありません。

道路公団が民間企業ではなく、お役所の一部であるために解任にはいろいろな手続きが必要になります。

日本では、お役人は基本的に悪いことをしない限りやめさせることができないようになっています。そのため、藤井さんを解任するにも藤井さんが悪いことをした、という事にしないとやめさせることができないんだろうと思います。藤井さんは信念に基づいて仕事をしており、悪いことをした、とは認めることができないでしょうから、この解任騒動はまだしばらくは続いていくのかな、と思います。

小泉さんは自民党の中にいて『自民党をぶっ壊す』といって頑張っています。藤井さんの頑張りも、多分藤井さんの本意とする所ではないでしょうが、結果的にお役所の組織の中(ちょっと中心からは外れていますが)にいて『お役所組織をぶっ壊す』という効果につながっているものだと思います。藤井さんが頑張れば頑張るほどお役所の中からのお役所をぶっ壊す活動が効果を発揮する、ということになると思います。もちろん、自民党の政治家もお役人も馬鹿ではないのでいずれ妥協が成立してなあなあのうちにうやむやになってしまうのでしょうが、それまでできるだけ藤井さんには頑張ってもらいたいものです。私の基本的な立場は、橋本さんが首相の時に言いはじめたビッグバン、今までの体制をぶっ壊すことによって新しいものが生まれてくる、ということを支持していますので、小泉さんにしても藤井さんにしてもそのために頑張ってもらいたいと思っています。


(2003年9月23日)
またまた1ヶ月があっという間に過ぎてしまいました。
それにしても月遅れの真夏、暑かったですね。

自民党の総裁選、小泉さんの勝利に終わりました。
小泉さんの公約の、自民党をぶっ壊す、その根本の派閥をぶっ壊す、自民党の派閥の代表のような橋本派を見事にぶっ壊してしまいました。
今度の総裁選で最も典型的な派閥選挙をしたのが小泉さんを応援した森派をはじめとする派閥だった、というのもなんとも面白い現象です。

総裁選の余勢をかって内閣改造もあっという間に行なってしまいました。
小泉さんも当初言っていた一内閣一閣僚、などという言葉をすっかり忘れてしまったかのように大幅な閣僚の入れ替えでした。何しろ留任したのが小泉さんを除くとたったの6人、3分の1しかないのですから。そのかわり、新入閣の人を7人も入れて、新しく幹事長に就任した安倍さんも含めてこれでは選挙対策の内閣改造だといわれても仕方ないかもしれません。

小泉さんの最大の応援勢力である青木さん、森さんの意向に従って山崎さんは自民党の幹事長からはずされてしまいましたが、竹中さんのほうはお二人の意向に逆らってそのまま留任、ということになりました。この結果は小泉さんが勝ったのでしょうか、青木さん・森さんが勝ったのでしょうか。

この総裁選の結果を受けて、マーケットは今年最大の下げ幅で応えました。急激な円高ともあわせて、9月末決算の行方がチョット気になります。

この総裁選の直前の絶好のタイミングを見計らうかのように、ムーディーズが朝日生命の格付の引き下げを発表しています。マスコミ各社は総裁選の結果予想に忙しくてこの格下げには十分なスペースを割くことが出来なかったようです。

格下げの内容はCaa1からCaa2への変更、S&P流の表現をすればCCC+からCCCへの1段階の格下げですからそれほどたいしたことはないのですが、その中身はムーディーズのニュースリリースを見てみればよくわかります。そのリリースによると、5月16日に開始した見直し作業をこの格付の変更で終了した、ということのようです。4ヶ月にもわたる見直し作業、その間、予定利率の引き下げ等による保険金額の削減のための保険業法の改正も行なわれる中での見直し作業に4ヶ月もかかって、その結果が1段階の格下げ、しかも格付の見通しはネガティブのまま変わっていない、ということです。いかに事態が深刻かを物語るもののような気がします。

ムーディーズを見ると、実は同じ日に三井生命の格付についても発表していることがわかります。こちらのほうはBa3(S&P流に書けばBB-)の格付が据え置き、ということで、見通しについてはネガティブのまま、ということです。こちらも6月18日に開始した格付け見直し作業が3ヵ月かかってようやく結論に達した、ということのようです。

9月末の半期決算(あるいは中間報告)に向け、このニュースがどのような反響を呼ぶのか、注意して見ていきたいと思います。


(2003年8月25日)
保険業法の改正案が国会で成立し、施行令、施行規則のパブリックコメントの手続きも何事もなく終わり、いよいよ施行のようです。

金融庁は事務ガイドラインの改定も終え、準備万端整った、と言ったあんばいですが、さて最初の実施例は何時頃になるのでしょうか。

最近、会社でセミナーをしたり、本を売ったりしてばたばたしていてこのコメントもかなりサボってしまいました。

この私のコメントを、アクチュアリーや生命保険には何の関係もなく、単に本の紹介のページとして利用してくれている人もいるようなので、久しぶりに本の紹介をしたいと思います。

ひとつは、『検証 経済暗雲』という西野智彦さんが書いて、岩波書店から出ている本です。バブルがはじけた1990年代の前半、まだ世の中がのどかで、住専、信組の破綻処理のための高々数千億円の公的資金の投入で日本中が大騒ぎになった頃のことを克明な取材とインタビューを元に淡々と記述しています。
取材、インタビューの相手はどうしてもお役人(日銀に勤める人を含んで)や政治家になるので、彼らの言っていることをそのまま書くと彼らを弁護するような書きぶりになってしまうのを一生懸命我慢して書いているようです。
この本を読んでみてわかるのは、世の中には秘密の文書が山ほど存在して、特にお役人や会社のえらい人が関わった大事な会議や会談などには必ず秘密の議事録が残されている、ということと、著者もあとがきで言っているように、その当時の当事者が自分たちのやったことに対して何の反省もない、自分たちは正しいことを精一杯やったといまだに信じ込んでいる、ということです。
チョット引用すると
『一つだけ筆者の心証を付言するとすれば、当事者たちの多くは、自らの政策選択が「先送り」だったという認識を驚くほど持っていない。彼らは限られた条件下で「最善」を尽くし、その時点において「誤りなく問題を解決した」と自負しているのである。』
これでは事態の解決はまだまだ先、ということになるのでしょうか。

公的資金について話すことがタブーのようになってしまって、結局金融機関の破綻処理を数年間遅らせてしまった住専、信組に破綻処理が実際どのように検討されたのか、今から振り返ってみるのも面白いかもしれません。

もうひとつは『資本主義は江戸で生まれた』という鈴木浩三さんの書いた本です。日経ビジネス人文庫から去年出ている本で、文庫化される前は別の名前で1995年に出版されている本ですが、しばらく前に発見して読んでみました。
資本主義は日本で独自に江戸時代には既に出来上がっていて、そのため明治維新の混乱のあと、日本は直ぐに欧米に追いつくような資本主義社会を作り上げることができた、その基盤は既に江戸時代に出来上がっていた。それと同時に、戦後の日本の高度成長を支えた、いわゆる1940年体制、国家総動員体制の官民一体型、護送船団体制も既に江戸時代には出来上がっていた、ということが丁寧に書いてあります。
江戸時代というのは、金貨、銀貨、銅銭の3通貨(あるいはこれに米を加えて4通貨)のそれぞれ互いに変動相場制の経済で、ひとつの国でいくつもの通貨の変動相場制を経験してきているのであれば、いまさら自国通貨と外国通貨の変動相場制でおたおたすることもないだろう、という、非常に元気の出る本です。
また、捕り物帳や大岡裁きで有名な町奉行所が実は経済官庁として江戸時代の経済・産業を仕切っていた、というような話も面白く読めました。

他にも様々私の知らなかった知識が豊富に盛り込まれています。良かったら本屋さんで見てみてください。

ついでに、私の書いた「アクチュアリーの書いた生命保険入門」もよろしくお願いいたします。簡単に、さらっと楽しく読み通すことができると思います。気楽な本を読みたいな、と思ったら試してみてください。


(2003年7月21日)
保険業法の改正案が予定通り参議院も通過しました。
これで、あとは引き続き政省令(業法施行令と施行規則)をこれにあわせて改正し、いよいよ法律の施行、ということになります。
改正案参議院本会議での可決の当日に早くも三井生命の株式会社化の株主構成などがマスコミ各社から報道され、いよいよ具体的な動きが表面化してきたようです。

日経新聞はこの法案成立を受けて土曜日の朝刊に改めて法案の解説記事を書いていますが、誤った記述が何箇所も有り、いまだに一般の理解はこの程度のことなのかな、と思います。

今日発売の『日経マネー』誌、『ZAI』誌にたまたま今回の予定利率引下げ法案についてのインタビュー記事が載っています。21日発売、と聞いていたので今週になってから、と思っていたのですが、3連休の関係でしょうか、土曜日にはもう既に書店に並んでいました。

このようなマネー誌の記事ですからあまりまとまったコメントをすることが出来ず、本当に一言二言のコメントにしかなっていません。できればどこかでまとまった説明ができればいいのですが。

7月11日に行なわれたセミナーではたっぷり2時間話をする時間があったので、今回の法案の説明をじっくりすることが出来ました。当初の予想をはるかに上回る140人もの参加者が集まってくれたので大盛況でしたが、直接営業の現場にいる代理店さんは1/3くらいで、どちらかといえば保険会社の社員の人の参加のほうが多かったので、せっかくの私の話もなかなか一般の消費者の人には伝わらないかもしれません。

ようやく本も出来ました。
『アクチュアリーの書いた生命保険入門』というタイトルで、生命保険の基本的なあれこれを解説した本です。
この本を書こうとしたきっかけは、書店に並んでいる生命保険入門の本があまりにも難しいことが書いてあるような気がしたため、もっとやさしい本が書けないかな、というのが始まりです。楽しく読んでもらいながら、いつのまにか生命保険の言葉や考え方に慣れていってもらって、こんどこそ書店に並んでいる生命保険入門の本でも簡単に読めるようになれればいいな、ということです。

一応一般の書店でも扱えるようにはなっていますが、大きな書店でないと在庫はないので取り寄せになると思います。大きな書店でもたぶん在庫は1冊くらいしか置いていないと思います。(なにせ、弱小出版社で出した、名もない著者の書いた本ですから)

会社(アカラックス)の方に直接注文(ホームページから直接申し込みできるようになっています)していただけると、会社から郵便で本を直送します。
本の中に郵便振込用紙をはさんでおきますので、それを使って代金を振り込んでいただく、という仕組みです。本の送料、郵便振り込みの手数料は当社で負担しますので、書店でお支払いいただく1,800円と同じ金額をお支払いいただければお手元に本をお届けする、という仕組みを用意しています。


(2003年6月28日)
予定利率引下げ問題もあっという間に衆議院を通過したところで参議院の審議の様子が良くわかりません。

先週はAIGによるGEエジソン買収が発表され、今後もいろいろな動きが出てくるものと思います。

『練習帳』掲示板にも書きましたが、7月11日にセミナーを開催します。
「生保・予定利率引下げ問題と2003年3月期決算」と題し、予定利率引下げ法案の内容と対応策にとついて話をします。一般の生保代理店の皆さんを対象に開催を企画しているのですが、参加申し込みの状況はかなり生保会社の社員の参加が多そうです。当初の予定通り、生保代理店の方々に役に立つ話をするつもりですが、参加資格については特に限定はしていませんので、ある程度以上の生命保険、生保業界についての知識のある人には面白い話が出来ると思います。
今のところ、目標100名で参加申し込みの受付をしていますが、今週1週間で50名くらいの参加申し込みが集まりました。会場自体は最大で180名まで収容可能です。
興味のある方は『練習帳』掲示板にある案内を見てください。
参加申し込みはその案内を印刷して会社宛てファックスしていただいてもいいし、会社(アカラックス)のホームページからインターネットで申し込むことも出来ます。
先日、日経新聞に予定利率引下げの試算をしてから、マスコミ各社の取材も多くなり、セミナーにもマスコミ各社の記者さんたちも参加してくれるようです。

その前日の7月10日にはアメリカンファミリーの代理店会で話をします。
ここでのテーマも同じようなものです。
対象はアフラックの一般の代理店さんたちで、この会社の性格から一般の生保代理店とはちょっと性格が異なります。ここでも参加者の皆さんに面白い話が出来たら、と思います。

翌日の7月12日は私自身は話はしませんが、横浜でRINGの会主催のセミナーがあります。
このセミナーは保険代理店(どちらかというと損保の方が主力ですが、生保代理店もかなり参加しています)の集まりであるRINGの会が主催する、その意味で保険会社とは独立した組織によるセミナーで、今回5回目になります。
会の案内は
http://ring-web.net/os/
を見てください。

特に生保業界の方々にとって、あまり触れ合うことのない、家業から企業へと変身過程の一般損保代理店の皆さんと知り合い、その現状を知り、課題を知る貴重なチャンスです。
こちらのセミナーは参加者目標600名という、保険代理店の集まりとしては大きなものです。それが、保険会社のスポンサーなしで、保険代理店が自弁で行うセミナーです。日本の保険営業を考える方には一見の価値はあると思います。

セミナー紹介の記事を『練習帳』掲示板に載せておきますので見てみてください。

なかなか出来なかった初めての本の出版も何とかこれらのセミナーに間に合うようで、会場では本の販売も行います。

たくさん売れるとうれしいのですが。


(2003年5月25日)
今週はいよいよ銀行と生保の決算発表の週です。

予定利率の引き下げ法案も国会に提出され、ようやくその内容が明確になってきました。
(『練習帳』にコメントしました。)

りそな銀行に対する公的資金の投入も良くわからなくなってきました。
(先週の報道では、リスク資産が23兆円あるからその10%の2.3兆円の公的資金を入れて自己資本比率を10%にするんだ、と書いてありました。そうだとするとそれをしなければ自己資本比率は0ということで、2%に下がったといわれていた自己資本はどこに行ってしまったのかな、と思いました。)

りそな銀行に続いて破綻する銀行、生保がいつ頃出てくるのでしょうか。
今回の予定利率引下げ法案は内容を見ると明らかに破綻処理の法律ですから(今までの破綻処理と違うのは、お役所が責任をとらない、裁判所にもお伺いを立てない、保険会社と契約者の自己責任による破綻処理、ということです)、これが国会で成立してもしなくても破綻会社は破綻するしかなさそうです。

小泉さんは閣議をホッポリ出してアメリカに行き、いよいよ北朝鮮問題にけりをつけようとしている(けりをつけようとしているブッシュ大統領に抱え込まれに行った)ようです。去年北朝鮮に行って金正日と会った頃とは風向きが正反対になってきているようです。

1929年の世界大恐慌(Great Depression)を解決するのに第2次世界大戦が必要でしたが、今回の世界的なデフレ(deflation)を解決するのにあまり大きな戦争は起こってもらいたくないですね。


(2003年5月20日)
りそな銀行が破綻して,公的資金を入れることになりました。
なかなか正確な情報が伝わらないのですが,とりあえず当初の情報はほぼで尽くしたのかな,という気がします。
繰り延べ税金資産の計上が3千億円ほど減らされてしまったことによって2兆円前後の公的資金を投入することになった,というのはどうも計算が合わないような気がします。

銀行,生保の決算の記者発表は来週ですから,それまでの週末はいよいよ今度の週末を残すだけになりました。

予定利率引下げの法律化についても,保険業法改正案の全容が明らかになったそうです。
(新聞は明らかになった,とは報道していますが,その中身は報道してくれていないので内容の確認は出来ませんが。)
23日の金曜日に閣議決定する予定だということです。これもこの週末の直前です。

予定利率の引き下げに伴い,生保会社に対して3利源をはじめとする一層の情報開示要求が出てくることを見越して,これ以上の情報開示に反対する,という動きが生保業界であるようです。
生保会社が与党サイドを,生保労連が野党サイドを訪問して,議員さんたちに働きかけているようです。

その働きかけに使われている資料を見せてもらったのですが,例によっていつもながらの『誤解を招きかねない、信用不安をまねく,儲けすぎ批判につながる,(保険料の)割引圧力を呼び起こす』というような理由付けです。
きちんとした情報開示とその内容,意味を説明する努力をしようと思わないのでしょうか。

いずれにしても,当分なんとなく落ち着かない気分です。


(2003年5月17日)
りそな銀行に公的資金が投入されることになりました。
2兆円前後のかなりな額の投入のようです。

報道によると問題となったのは繰り延べ税金資産の評価の問題のようです。
会社が計上しようとしていた繰り延べ税金資産を公認会計士に反対されて自己資本が足りなくなってしまったようです。
他の銀行も、生保会社もかなりな額の繰り延べ税金資産を計上しています。同じ問題を抱えている、ということです。

今回の動きを契機に他の公認会計士も繰り延べ税金資産の計上をなおさら厳格にしようとするかもしれません。これによって決算がうまくまとめられないケースも出てくるかもしれません。

予定利率引下げの法制化は超特急で進んでおり、国会の会期延長を待たずに成立させる方向になっているようです。その後直ぐに法律を施行することになれば、7月に予定されている定時の決算承認のための株主総会、社員総代会で予定利率引下げを承認する、というスケジュールが可能となりそうです。

2兆円の公的資金の投入でりそな銀行が実質的に国有化されるわけですが、破綻前の銀行の国有化というのはどういうことか、実際の姿が現れてくることになります。あまりひどいことにならないのであれば他の銀行も公的資金投入を申し出るようになるのかもしれません。

その公的資金の一部を生保会社にも投入する、ということは出来ないものでしょうか。


(2003年5月12日)
5月3日〜5日の3連休の直前になって三井生命が三井住友銀行の子会社になる形で株式会社化する、という記事が日経新聞のトップを飾りました。即日三井住友銀行はこのニュースを正式に否定するニュースリリースを出しています(三井住友銀行のホームページに載ってます)。
http://www.smbc.co.jp/news/j100138_01.html
いずれにしても時間の問題でこの方向性は変えようがないだろう、と皆が思っているのですが、日経新聞のトップ記事になってその直ぐあとに相手方から正式に否定される、というのはなんとなくいやな感じがします。

これに対抗するかのように、連休明け早々の5月6日、朝日生命は新しい経営戦略が着実にうまくいっている、という旨の発表をしています(これも朝日生命のホームページに載ってます)。
http://www3.asahi-life.co.jp/pdf/p030506/030506.pdf
この3月期の決算に関していくつかの計数を発表していますが、それだけで本当に良い、と言えるようなものではないように思えます。一部マスコミなどでは当期未処分剰余金(今期の最終利益と前期までの剰余金のうち未処分になっていたものの合計)を当期利益と取り違えて解説するような記事も出ていました。
注目すべきは朝日生命がここで正式に基金利息の支払いを行わないことを発表していることです。これはその日行われた決算取締役会での決議をもとにした発表です。取締役会終了後、遅滞なく(直ぐに)その取締役会で決まった決算内容は正式に金融庁に報告されているはずです。この正式報告を受けて金融庁はどのような行動をとるのでしょうか。それとも相変わらず何もしないのでしょうか。注目したいところです。同様に基金の出し手であるみずほ銀行,りそな銀行もこれをこの3月期の決算にどう取り込むのか興味のあるところです。

また同時に連休明けから予定利率引下げ問題で動きが急になっています。
5月7日に金融庁は与党と相談するために『論点整理』メモを用意してスタートを切りました。日経金融新聞(の朝刊)には、これから金融審議会も開く、パブリックコメントも実施して、などのんびりした話が書いてあり、これはまた法律を作るというポーズだけで時間切れ先送りを狙っているのかな、と思ったのですが、その日の日経新聞夕刊には、週明けにはもう法律案(の要旨)を自民党に出すことになっている、との報道がなされ、これではもはや金融審議会やパブリックコメントなどは抜きで一気に法律までやっつけてしまおうとしているのかな、という感じになってきました。
5月10日の日経新聞によると,金融審議会が急遽5月12日に開かれるようです。とはいえお役所がもう法律案(の要旨)まで用意してしまうのであれば,この審議会も予定利率の引き下げについて審議する,というよりもお役所の用意したものを形式的に承認するだけのセレモニーでしかないような気がします。

すぐにでも法律案(の要旨)が発表されるのであれば、それを待ってからコメントした方がいいのかもしれませんが、どうなるかわからないので、既に発表されている『論点整理』メモに基づいて私の考えを『練習帳』に載せてみました。

5月末には生保各社は決算の概要を各新聞社に公表します。それまであと残す所2週間とチョット、これからの動きからは目が離せません。


(2003年4月7日)
イラクの戦争もいよいよ終局に向かいつつあるようです。これからが本当に大変になりそうな気がします。

3月末は何とか持ちこたえたマーケットも4月に入り、大手銀行の株価は着実に下げつづけています。先週は朝日生命の決算の見込みが発表されました。

この朝日生命の決算に関する新聞の報道に関して、『練習帳』の方で、練習問題を提案しています。チョット見ていただいて、回答を考えてみてください。

別に点数をつけるわけでもないし、何が正解かはっきりしているわけではないので、気楽に参加してみてください。


(2003年3月24日)
いよいよイラクの戦争が始まってしまいました。
イラクもしっかり対抗しているようなので,戦争状態のまま3月末を迎える,とうことになりそうです。
戦争は米英対イラク,という形で、米英に反対している国はあるもののイラクに荷担して戦争に加わっている国は今の所ないので、いずれにしても米英の勝ちは決まっているようなものです。
しかしながら戦争が終わった後の姿を明確に描ききっている人は今の所いなさそうです。この戦争は多分,終わってからの方がむしろ厄介なのかもしれません。

3月末は欧米の金融機関にとっては第1四半期の末,1年の1/4の終わりでしかありませんが,日本の金融機関にとっては年度末です。厄介なときに戦争になってしまったものです。3月末に向けてマーケットの動きから目が離せないようです。
みずほは無事に1兆円の資金を集めることができるでしょうか。
とはいえ,悪いニュースばかりではありません。
よいニュースは,この戦争という非常時を格好の口実に,これから月末にかけて何でもありの市場操作が行われるだろうということ,露骨なPKO,会計ルールや行政ルールの変更が行なわれるだろうということです。
とはいえ,こんなことをしても問題の解決には結びつくはずもないので,例によって単なる問題の先送りでしかありません。そう考えるとやはりあまりいいニュースとはいえないかもしれません。


(2003年2月23日)
『FNNスピーク』の放送は、予定通り行なわれました。
韓国の地下鉄の火災などがあって、カットされてしまったかとも思ったのですが、無事に、約2分くらい、予定利率引下げ問題が放映されました。

2時間もかけてたったの2分ですが、見てくれた皆さんの反応はおおむね好評で、なかなか良く取れていた、とか実物より数倍よく取れていた、とかの感想が届いています。
予定利率引下げ問題の行方のほうはわからなくなってきました。当面、法案の国会提出が先送りされたことで、またもや議論自体が水面下に潜ってしまうのでしょうか。

来月、3月5日に発売される、月刊『現代』4月号に、アカラックスが個々の顧客に対して生命保険のアドバイスをしたいくつかの事例を紹介する記事が出ます。実際に顧客と面と向かって話をすると、今まで見えてこなかった生命保険営業のいろいろな面が見えてきます。特にアクチュアリーの方は営業の現場からは遠いところで仕事をしている人が多いのではないかと思います。もしよかったら見てみてください。


(2003年2月18日)
ニュースによると、与党3党は予定利率の引き下げの法制化をちょっと先送りすることを決めたようです。
4月の統一地方選挙が終わったところで改めて、ということのようですが、間に合うのでしょうか。

先ほど連絡があって、昨日、下に書いたフジテレビの『FNNスピーク』の放送は明日、2月19日に予定されたようです。
もちろん大きなニュースが飛び込んだ場合にはカットされてしまうようですが、もし時間があったら見てみてください。


(2003年2月17日)
引き続き、予定利率引下げの議論が世の中を騒がせています。
ようやく、予定利率の引き下げの議論が生保の破綻処理の一つとして行われていることが明確になりつつあります。『練習帳』の方でもようやく議論が盛んになってきました。
新聞や雑誌にも毎回のように予定利率引下げとその影響の記事が掲載されています。

この前、AERAにインタビューのコメントが掲載されましたが、今度はテレビの取材を受けました。
先週木曜日、フジテレビの取材で、終身保険の既契約のある契約者と話をして、「予定利率が3%に引き下げられると保険金はこれくらい下がってしまう。しかし、それを嫌って新しい保険に入りなおしたらさらにこれくらい保険料が高くなってしまう。」というような説明をするところを撮影されました。うまくいけば、今週のどこかで放映されるかもしれません。(場合によってはー例えばイラク問題や北朝鮮の状況などによってー放映されないかもしれません。)
放映されるとすれば、フジテレビの午前11時半から12時までの『FNNスピーク』というニュース番組で放映されるはずです。録画取りには2時間くらいかかったのですが、テレビに映るのはさて何分くらいでしょうか。
もしよかったら、見てみてください。(テレビなど見ている時間帯ではないですね。)


(2003年2月3日)
いよいよ2月に入ってしまいました。
3月末に向け、予定利率引下げの議論が盛んになってきました。
時間的に余裕のない状況で一気に結論を出してしまおうとしているのでしょうか。
予定利率引き下げが限りなく破綻処理に近づきつつあるような気がします。
一般紙、夕刊紙、各種週刊誌などにも予定利率引下げの効果についての記事が目に付きます。
(私も、AERAから取材を受け、ちょっとコメントしました。今日の分のAERAに載っているはずですが、私の言ったことが正しく伝わっているかどうか、気になります。)

株式会社コアサイエンスという会社が運営している経営情報研究会というところの依頼で、2月末に変額年金のセミナーを開くことになりました。
タイトルは、
『変額年金保険における生保各社の商品性分析と販売戦略』
というちょっと大層なタイトルですが、具体的な内容は、
http://www.seminar-info.jp/pamphlet/sm_15.02.28.html
を見てください。

10月の銀行窓販開始から何ヶ月かたって、変額年金の商品開発も1段落、という頃合いかな、と思い、現状をまとめてみようと思います。
興味のある方は、聞きに来て下さい。

2月に入り、アクチュアリー試験の受験生の皆さんには、結果発表が待ち遠しい(見たくもない、という人もいるでしょうが)季節になりました。
私は今年、名古屋大学の集中講義で生命保険数学の講義をすることになりそうです。
たった5日間の講義ですから、勉強の足がかり、という程度の内容になると思いますが、久しぶりに教科書・問題集と取り組んでみようと思っています。

アカラックスという会社のほうでは、会社設立以来、アクチュアリーの受験講座をやってみたい、という目標があるのですが、
http://www.acalax.jp/hp/actuary.htmを見てください。)
いまのところ、まだ実施には至っていません。

今年は何とか、1科目だけでも始めてみたいな、と思っています。


(2003年1月8日)
昨年12月23日の『私のコメント』にも書いた、金融庁のアクチュアリー募集の申し込みの締め切りが迫っています(1月16日必着となっています)。

昨年末、このホームページに『リンク集』をようやく作ることができたのですが、そのとき、リンク先のホームページのそれぞれには一応念のために「リンクを張りましたので了解してください」というお断りのメールを送信しました。
きちんとホームページを管理しているところはその日、あるいは翌日に了解の返事がきましたが、中には何の返事もないところもありました。もっとも、私の送ったメールが「もし何か問題があったらお知らせください」という書き方だったので、何の問題もないからOKだよ、というところは返事をくれなかったのかもしれません。(それでも多くのところは、きちんと「OKだよ」という返事をくれましたが。)

中でも、「官公庁へのリンク」というのは、実は『首相官邸』というホームページの一部なのですが(あの有名な『小泉さんのメールマガジン』もこのホームページから申し込むようです)、そこへの「リンクを張りました」メールは送り先が良くわからなかったので、『首相官邸』のホームページの『ご意見募集』というページから送りました。そうしたところ、なんと、
『小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。皆様から非常にたくさんのメールをいただいておりますが、内閣官房の職員がご意見等を整理し、総理大臣に報告します。あわせて内閣広報室メルマガ・ホームページ担当へも送付します。今後とも、メールを送信される場合は官邸ホームページの「ご意見募集」からお願いします。』というありがたい返信がありました。
リンクを張った、というお断りをしただけで特段の意見を言ったつもりもないし、今後の政策立案や執務上の参考になるとも思えないのですが、多分これは「了解」、という意味なのだろうと勝手に解釈することにしました。

アクチュアリー会の事務局にもリンクのお断りのメールを送りましたが、事務局長さんから丁寧に、了解の旨のお電話をいただきました。その際、この冒頭に書いた金融庁のアクチュアリー募集の話になり、私が応募してはどうか、とか、アクチュアリー会としてもこの募集には協力しているのでこちらも協力してもらいたい、とかの話になりました。

アクチュアリー会のホームページを確認したところ、『事務局からのお知らせ』のページに確かにこの金融庁のアクチュアリー募集のことがのっていました。

アクチュアリー会は他の会社や組織のアクチュアリー募集には基本的に協力しない、というスタンスだったのですが、これが変わったのか、相手が金融庁だから特別扱いなのか、多分後者だろうと思いますが、いずれにしてもアクチュアリー会のホームページに人材募集広告(へのリンク)が載った、というのは画期的なことかもしれません。

さて、冒頭の書き出しのところに戻りますが、締め切りに間に合わせるためには今度の週末くらいが最後のチャンスになりそうです。別に本当に金融庁に移るかどうかはともかくとして、金融庁がどのような候補者の選別、面接等をするのか試してみるだけでも応募してみるのも面白いかもしれません。最終的に決めるのはどちらにもその権利があるのですから、先に進んだ段階で断ってもかまわないでしょうし、応募の秘密は守る、と金融庁も約束していますから(どこまで信用できるかはともかくとして)。

もしどなたかこれに応募して、その体験を実況中継してくれるとうれしいのですが。


(2003年1月2日)
明けましておめでとうございます。

このホームページも4年目になりました。
何とか今まで続けてこられたのも、ひとえに皆さんの御支援のおかげです。
石の上にも3年、といいますが、3年続けて、何か存在意義みたいなものが出来つつあるでしょうか。

1年前に、『今年は銀行も、保険も、バブルの後始末の最終局面で、またまた色々大きな動きが予想されます。』と書きましたが、今年こそ、いよいよバブルの後始末の最終局面で、年の後半には再生に向けての新しい動きが見えてくるのではないか、と思っています。
とりあえずはこの3月末の決算をどのように決着をつけるか、ということで、当面ニュースから目を話せない日々が続くと思います。

私も昨年、保険代理店を始めたことで、今までと違った視点でものを見ることが出来るようになり、これも引き続き皆さんにお伝えしていこうと思っています。

昨年暮れに、このホームページに『新着情報』のページを用意して、ホームページの更新情報をメールマガジン方式でお伝えする仕組みを作りました。また、ホームページ開設以来の懸案だったリンク集も何とか作る事ができました。
これ以外でも、このホームページをもっと皆さんの役に立つようにするアイデアや提案等ありましたら、是非お知らせください。
また、『新着情報』をまだ試していただいていない方は、この機会に試してみてください。既に試していただいている方は、このホームページを見ていただいている他の方にも勧めてください。

去年に引き続き、昨年1年分のコメントを別ファイルにしました。この最後から見でください

今年も皆さん、よろしくお願いいたします。
今年も皆さんにとって、実り多い、よい年でありますように。


2002年12月までの私のコメント
2001年12月までの私のコメント