GDPの成長率と消費税

先週、GDP(国内総生産)の成長率の速報値が発表されました。マスコミでは相変わらず実質の成長率しかみていないようですが、私はこの低金利・低インフレあるいはデフレの環境では実質値というのは殆ど無意味だと思っているので、名目値の方を見ようとして内閣府の発表資料を見てみました。

四半期ベースの名目GDP成長率は季節調整済の値で前期比0.7%の伸びで、1年前の四半期からの四半期毎の伸びは△0.8%・△0.9%・0.1%・0.6%・0.7%と順調に増えています(マスコミ流に実質ベースで見てみると、△0.2%・△0.9%・0.3%・0.9%・0.6%とギクシャクしていますが、それでも概ね増えています)。

このGDPに海外からの所得を加えたGNI(国民総所得)で見ると(当然名目で見ます)、四半期ベースの成長率は△0.7%・△0.9%・0.2%・0.6%・1.4%と、景気が良くなっているのが一層わかります。

これらの伸び率、四半期ベースを年率に直すと名目GDPの伸びは2.9%、名目GNIの伸びは5.9%となっています。

ここまで来ていれば、消費税引き上げは問題なさそうです。

景気が良くなりつつあるようだけれど給料の方はまだ上がらないという話については、雇用者報酬の方を見ると、これも四半期ベースの名目の雇用者報酬の前期比が△0.7%・0.2%・△0.2%・0.6%・0.3%となっており、前年同期比で見ても1%(実質ベースだと1.4%)と、すでに増加が見えてきています。

景気が回復する、というのは、最初に生産が増え、その為に雇用が増え、そのあとにようやく給料が上がる、という順番になっています。雇用者報酬が遅行性の指標だ(すなわち他の指標より遅れて景気回復の姿を示す性格がある)ということを考えれば、とりあえず当面の景気回復は確実なようです。

消費税引き上げがはっきりすれば、景気回復もさらに一層はっきりするんでしょうね。

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