7~9月期のGDP速報の、第二次速報値が出て、ちょっと話題になっています。
というのも、年率換算の実質GDP伸び率が第一次速報値がマイナス0.8%だったのが、第二次速報値でプラスの1%になったということで、差し引き約2%も変わってしまったからです。
私の方は例によって季節調節なしの名目値で見ているのですが、第一次でも第二次でも順調に伸びています。
季節調整なしの名目値で見ようとするとやはり四半期GDPには季節要因の変動がありますから、それを除いて見るには1年前の前年同期と比べて見るという見方と、もうひとつはその四半期までの4四半期合計の1年分の数値を見比べるという見方があります。どちらで見ても、GDPは順調に上昇中です。
で、今回の第一次速報値から第二次速報値への変化ですが、大きな所としては『民間企業設備投資』と『民間在庫品増加』の所と、『政府最終消費支出』と『公的固定資本形成』の所とが変わっています。この変更は2013年の1-3月期にさかのぼって、各四半期の数字が変わります。
民間企業設備投資は、ここ2年間位の各四半期の数字がだいたい2-3千億円程度の下方修正、民間在庫品増加は2-5千億円程度の上方修正なのですが、これらの合計ではだいたい1-2千億円程度の上方修正になっています。しかしこの7-9月期については、この二つを合わせて1兆円の上方修正になっています。
四半期GDPはだいたい120兆円くらいのものですから、そこで速報とはいえ1兆円も修正が入るとなると、チョット問題かも知れません。
政府最終消費支出と公的固定資本形成の方は、だいたい4-6千億円程度の下方修正になっています。
で、全体のGDPは2013年1-3月期からほぼ毎四半期2-5千億円下方修正になっているんですがその中で、2014年1-3月期に1,700億円の上方修正、2015年7-9月期に1,300億円の上方修正になっています。
直近4四半期の合計は496兆円で、この4四半期合計の数字は四半期ごとに7-11兆円ずつ増加しています。ですからこのままいけば、この10-12月期には500兆円になり、あと10四半期(2年半)位で600兆円になるのはごく普通のトレンドです。
政府の方ではGDPの計算方法を変更しようとしていて、それでさらに何十兆円かGDPが増えるようです。その時、上記のような1兆円規模の修正が入らないような変更もついでに行うのかも知れません。