約1年前、「ハラダシ病」という病気で突然の入院をし、多くの人に色々ご心配をおかけしたりご迷惑をおかけしたりしました。「目が見えなくなって、もう仕事が続けられない」とか「片目は義眼になって伊達政宗みたいに眼帯してる」とか、色々面白い噂も流れたようです。
ある保険の業界紙から記事の投稿を依頼され、内容は何でも良いからということだったので、その入院の顛末を書かせて貰おうかと提案したところ、即座に断られてしまいました。保険の話とは何の関係もない私個人の入院の話ですから、有料で読者に買ってもらっている新聞にそんなものを載せるわけにはいかないというその業界紙の編集者の判断は、まっとうなものだと私も思います。
そこでその代わりに、このページに何回かにわたってその入院の顛末記を載せようと思います。名づけて「暗黒星雲の恐怖」始まり始まりです。
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2009年5月28日木曜日
生保各社の決算も発表され、それをまとめて分析する前に所々つまみ食いで資料を見ていました。
夜も10時を過ぎて、会社はもう皆帰宅して私一人落着いて数字を眺めていました。手洗いに立って(私の会社の入っているビルは築80年の由緒正しいなかなか雰囲気のあるビルで、トイレの扉には「男子洗面所」と書いてあります)ホット一息ついていると、視界の左下の方に何か黒いものが見えます。
良く見てみると、トイレの白いタイルの向こうに真っ黒な雲のようなものが見えます。その形はその昔SF小説をたくさん読んでいた頃、挿絵で見たことのある暗黒星雲(「オリオン座馬頭星雲」なんていうと、懐かしくないですか)にそっくりな雲です。
アレッ?と思って見直してみても、目をパチパチとしてみても、それは消えません。数字をずっと眺めていて急にトイレに来たので、何かの残像かと思ったのですが、その影が薄れる様子もありません。じっと見ていると、暗黒星雲のかなたから宇宙船に乗って宇宙人が攻めて来るような気もします。
何だか良くわからないけれどしばらく様子をみてみよう・・・と用を足し終わったトイレを出て、またしばらくオフィスで数字とニラメッコ。何かの残像だったらいくら何でももうそろそろ消えてる頃だなと思ってまたトイレに行くと、やはり同じような所に同じような暗黒星雲が見えます。
良く見てみると、トイレの白いタイルがバックだと暗黒星雲ははっきりと見えているのですが、そうでない所ではコントラストがはっきりとはしないものの、やはり同じ位置に同じ暗黒星雲が見えます。
こんなの見たことありません。何だろう・・・とは思っても、何も思いつきません。こうなったら仕方がないので一晩様子を見てみようと仕事をやめ、家に帰って寝てしまいました。(続く)