アメリカ国債格下げ

いよいよエライことになっちゃいましたね。

せっかくアメリカ政府の支払不能は回避できたと思ったのに、日本が大量の円買いの為替介入をして、アメリカとヨーロッパの危なっかしさをあからさまにしてしまったからでしょうか、ニューヨークの株価が大幅に下げ、ついにS&Pが米国国債の格付けをAAAから下げてしまいました。

S&Pもマーケットで消化する時間を稼ぐために金曜日に格下げを発表したんでしょうね。

でも、誰もその影響を見積ることができないんで、緊急にG7の蔵相会議をわざわざ集まる余裕もなしに電話会議で行なった、ということですが、会議をしても何もできないので、とりあえず「皆で協力するぞ」という姿勢をアピールするメッセージを出すだけに終わっています。

国債の格付けが下がった所で、別に誰もアメリカの国債が償還されないなんて心配はしていません。しかし、問題は「評価」ということです。

今の経済は売ったり買ったりして、儲かった・損したということではなくなっています。決算を締めて資産を評価し、負債を評価して、その結果、利益が出た・損失が出たということになります。

アメリカの国債の格付けが上がろうが下がろうが、満期になれば額面で償還されるのであれば問題はなさそうですが、満期になる前にそれを保有していると、決算でその国債をいくらで評価するかということになります。
そして格付けがAAAなら良いけれど、それより下だと多少でも値段が下がるリスク・償還されないリスクがあるからということで、その分準備金を積み増さなきゃならないということになります。

このようにして、アメリカの国債を持っている金融機関の決算の評価でマイナスの要因が発生すると、その分自己資本が小さくなり、となると、リスクのある投資をする余裕がなくなるのでいろんな資産をたたき売ったり、貸付金の返済を迫って「貸ししぶり」「貸しはがし」ということになるわけです。

お金というのはマーケットでスムースに流れてこそ意味があるのですが、そのお金を銀行が抱え込んで外に出さないとなると、世の中全般の経済がうまく流れなくなります。
今の事態はそういうことです。

日本は菅さんの悪口を言っていれば良い位ののどかなものですが、アメリカ・ヨーロッパは本当に大変なことになっています。

金融市場のギャンブラー達は千載一遇のチャンスですから、とことんマーケットを引っかきまわして一攫千金をねらって来るでしょうし、各国の政府や市場関係者がそれをうまくコントロールできるとも思えません。

うまく落着きを取り戻してくれれば良いのですが、一体どうなっちゃうんでしょうね。

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