勝者の呪い

大阪の選挙、橋下さんのグループが市長と府知事、両方共勝ったようですね。

夜になってネットでこの勝利の見通しのニュースを見た途端、浮かんだのが「勝者の呪い」という言葉です。

この言葉は入札やオークションなどで勝った人は、勝つために、買う時は高すぎる値段を付けてしまい、また仕事の入札なんかでは安過ぎる料金で仕事を引受けてしまい、結局勝ったことによって損をしてしまう、というようなことです。
勝者の呪いといっても勝者が誰かを呪うということではなく、「勝者が呪われた存在になる」という意味です。

負けた人はその入札やオークションに参加して値付けをするための費用だけ損をするということで済みますが、買った人はたとえば勝った値段で何かを買わなければならなくて、買った後で良く見てみたらとんでもなく高値掴みをしてしまったのがわかる、とか、仕事を引受けるようなときは入札した値段ではとても間に合わず、原価割れで仕事をすることになる、というようなことです。

橋下さんグループ、ダブル選挙を仕掛けて勝ったのは良いけれど、これからが大変です。

橋下さんは大阪市長になって府知事に自分の仲間を送りこんだとはいえ、大阪府が何でも自分の思うように動いてくれるというわけでもありませんし、府知事との関係もロシアのプーチンとメドベージェフのようにいつまでも磐石という保障もありません。

いずれにしても今までの府知事がこれからは市長ですから、発言力も低下し、思うように影響力を発揮することはできないでしょう。それで八つ当たりで方々の悪口を言うと、橋下さんグループもいつまでもつかということになります。

勝者の呪いといえば、典型的なのが民主党です。
選挙に勝って政権党になることがなければ、反自民でそれなりに耳障りの良いことを言って、それなりに支持もされていたんですが、選挙に勝って政権党になってしまったことによって、今まで言っていたことが絵に描いた餅だということがはっきりしてしまい、政権を担うための人材も殆どいないということがはっきりしてしまいました。今ではもう、政権をいつになったら手放すことができるのか待ちつつ、何をやるにも自民党が何が言ってくれるのを待って丸呑みする、ということしかできなくなっているようです。

これがまさに「勝者の呪い」ですが、そのとばっちりで自民党の方も、民主党がこんなテイタラクなのにもかかわらず、未だに交替できないというミットモなさをさらけ出してしまいました。

いずれにしてもこの大阪ダブル選の勝者、呪いの実例になるのかどうか、見ていきたいと思います。

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