『GDP速報値』

7-9月のGDPの第2次速報値が昨日(12月4日)発表されました。前回の第1次速報値で、4-6月期は対前期比がマイナスになったのが今度は対前期比プラスだろうと皆が思っていたのにマイナスになってしまい、それが口実で解散総選挙となったわけですが、今度の第2次速報値では、調子良いはずの法人統計が計算に反映されるため、今度こそ対前期比プラスになるだろうとまたもや皆が思っていたのがマイナスになり、しかもほんのちょっとですが、第1次速報値より第2次速報値の方がマイナスが大きかった(季節調整済みの実質GDPの対前期比が、年率換算で、第1次速報値ではマイナス1.6%、第2次速報値ではマイナス1.9%)、という結果でした。

これで野党の方は「それ見たことか」「アベノミクスは失敗だ」と声を張り上げているようです。自民党の方は「ちょっと時間がかかるだけで、アベノミクスはうまく行っている」と主張し続けています。

私も法人統計がGDP速報に反映されれば前期比プラスになるだろうと思っていたので、ちょっと、もとの数字を見てみました。すると7-9月期のGDPそれ自体は第1次速報値より第2次速報値の方が大きくなっています。しかしGDPが大きくなっているのは7-9月期だけでなく、それ以前の期も軒並み大きくなっています。特に直前の4-6月期の増額修正は7-9月期の増額修正より大きく、その結果として対前期比がマイナスになってしまった、ということのようです。

通常の月であれば第1次速報値と第2次速報値の違いは法人統計の所くらいなものなのですが、12月に発表される速報だけはこれ以外にも、前年(2013年)の数値についてGDPの確報にもとづいて修正し、さらに前々年(2012年)の数値についてGDPの確々報にもとづいて修正するということをやっているので、結果として2012年の頭の分から数字が大きく修正されています。

名目原系列というナマの数字についてはこのように2年前の頭からの修正ですが、これが実質の年換算の数字となるとこれに季節調整が加わるので、さらに数年さかのぼって数字が変わります。

そんな仕組みになっているというのは、今回の修正を見るまで知りませんでした。で、GDPは7-9月期、4-6月期より落ち込んだわけですが、それは4-6月期が今まで思っていた以上に良かったんだという話で、これは2012年の1-3月期までさかのぼってずっと今まで思っていた以上に良かったんだ、という話でした。このあたり、詳しい話は、元の数字を見るしかなく、政府の発表資料には載っていないので、新聞では報道されていません。一応このような話があるというくらいは発表資料でも軽く触れてはいるんですが。

とまれこの7-9月期の第2次速報値が前期比プラスになっていたとしたら、野党の方のアベノミックスは失敗だという主張が難しくなっていたでしょうし、またその時にはアベノミクスはうまく行っているのになぜ消費税の引き上げを先送りしたんだ、なぜ解散したんだという話になり、わけのわからない選挙になっていたかも知れないと考えると、まあまあ良かったかなと思います。

あとは14日の投票結果を楽しみに待ちたいと思います。

私は6日の土曜日に早々と不在者投票を済ませてしまっているんですが、今回は読売新聞の出口調査の対象となりました(前回はNHKの出口調査でした)。土曜日なのに寒い中投票所の前で待っている、というのもご苦労様なことです。

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