『漫画 君たちはどう生きるか』 羽賀 翔一

先週『君たちはどう生きるか』の読書感想文を投稿しましたが、それを書くときネットで検索して、あらすじを紹介しているページを見付けました。読んでみると私の読んだ『君たちはどう生きるか』とはちょっと違っていました。

このネットのページ
https://toyokeizai.net/articles/-/218524
を見直してみると、これは池上彰さんがテレビでこの本を紹介し解説した番組をまとめたもののようです。

で、そこで紹介されているあらすじは元々の『君たちは・・・』の本の中味ではなく、それを漫画化した『漫画 君たちはどう生きるか』の方のあらすじのようです。で、その漫画も家にあったと思って、早速読んでみました。

漫画化やドラマ化、映画化によって話が原作とは違ってしまうというのは良くある話ですが、この漫画も原作とは大分違っています。

原作者の吉野源三郎が戦後の再版に際してせっかく話を戦後に合わせて修正したのに、漫画ではわざわざ元の旧制中学の話に戻しています。その上で主人公の友人達が上級生に制裁を受ける話が、原作では下級生の軟弱なのに対して上級生が風紀粛清のために何人かの下級生を殴るという話だったのに、この漫画版では主人公の友人が同級生にいじめられているのを、もう一人別の友人がそのいじめっ子に立ち向かっていって取っ組み合いになり、それが先生に見つかっていじめっ子共々叱られたのを根に持ったいじめっ子がその兄である上級生に話をして、主人公の友人に仕返しをするという話になっていて、何ともつまらない話になっています。

原作では上級生が勝手に正義をふりかざして風紀粛清の名の下に暴力をふるうという話で、暗に軍部批判をしているような話なのが、漫画版では単なるいじめっ子の仕返しの暴力というつまらない話になってしまっています。まあ今となってはいじめの問題の方が軍の正義を振りかざす暴力の問題より大きな問題なんだ、ということなのかも知れませんが。

で、池上さんは原作を読んでいるのかどうか分かりませんが、このテレビ番組の主旨もあるのか原作の解説ではなくこの漫画版の解説をしているようです。

というわけで、ついでに漫画版の『君たちはどう生きるか』も読んでしまったわけですが、こちらの方はお勧めしません。

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