尖閣諸島の問題

尖閣諸島の問題、竹島の問題と、敗戦記念日をきっかけに色々にぎやかですね。

まずは尖閣諸島の問題ですが、中国人が尖閣諸島に乗り込んで『ここは中国の領土だ』と旗を振った、ということの何が問題なのか、考えてみました。

まず、『ここは中国の領土だ』と旗を振った、というのは、それが他の人にけがをさせるようなことでなければ別に犯罪でも何でもなさそうです。

首相官邸の前であっても警視庁の前であっても『尖閣諸島は中国の領土だ』と叫んだり中国の旗を振ったりするのは犯罪ではなさそうです。

その点、日本という国は世界でも珍しいくらい、何を言っても問題とならない国です(もちろんそれが誹謗中傷だったり個人情報や機密情報であったり、公序良俗に反することだったり、いくつか例外はありますが)。『尖閣諸島は中国の領土だ』というのが正しくても誤っていても、それを言うこと自体は犯罪ではありません。テレビなんかでは堂々と嘘八百がまかり通っているくらいですから。

とすると、あとは尖閣諸島に乗り込んだことが問題で、その乗り込むにあたって、パスポートやビザの提示、入国手続きをしなかったことが問題になる、ということになりそうです。すなわちこれは不法入国、という問題です。

不法入国、ということであれば、これはたとえば今にも沈みそうな漁船で夜陰に紛れて鹿児島や長崎の海岸に上陸してそのまま日本の中にもぐりこんでしまおうとする中国からの出稼ぎの人や、大型貨物船に隠れて日本の港にたどりつき、機会を見て日本に上陸しようとする南米からの出稼ぎの人なんかと同じです。
このような人は見つかり次第強制退去、強制送還される、というのが普通の取扱のようですから、今回の尖閣諸島に乗り込んだ中国人を強制送還した、というのはごく当たり前の対応です。

むしろ、このごくまっとうな対応に対して日本中が大騒ぎになった、その理由の方が興味がありますね。

対応はごくまっとうなものだったわけですから、それが大騒ぎになったその理由は法律的な話ではなさそうです。では何なのか、いまさら愛国心、なんてこともないでしょうし、領土問題、と言っても、北方領土や竹島はロシア人や韓国人が常駐している現状で、それに対して特に日本人が大騒ぎをする、ということもなく、じっくり時間をかけて解決しよう、としているようですから、あと考えられるのは、日本が実効支配しているところに中国人がやってきて、侵略される、という恐怖感なんでしょうか?

このように考えると確かに太平洋戦争に負けた後、日本は戦争を経験していませんから、戦争経験者はほとんどいません。それだけ戦争に対する恐怖感は強いと思います。

また、領土問題では戦後、奄美、小笠原、沖縄が返還された、という経験はあっても領土がなくなる、という経験はしていません。

北方領土や竹島はロシア人や韓国人が実効支配しているので、こちらから攻めていかなければ戦争になりませんが、尖閣諸島は日本が実効支配しているので、中国が攻めてきたときそれをあくまで守ろうとしたら戦争になってしまうかもしれません。

石原慎太郎さんなんかの威勢のいい発言なんかはもしかするとその恐怖心の現われだ、と考えればよく理解できます(櫻井よしこさんの方は、この人はどんなことがあっても恐怖心とは無縁な人のように思いますが)。

必要以上に怖がったり、恐怖のあまり過激な発言をしたりするのはあんまり賢いやり方とは思いませんが、これは理屈ではないのかもしれません(反原発と同じように)。

私は今の政府のやっているように、尖閣諸島に中国人が来たらその都度捕まえて送り返す、ということをいつまででも繰り返すことが当面、一番いい方策のように思います。現場の人は大変でしょうが。ここは一番、我慢です。

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