TPPへの日本の交渉参加、ほぼ了解が取れたようですね。マスコミではもう決まったように書いてありますが、まだアメリカの議会の了解が終わっていませんから、まだ「ほぼ」の状況です。
しばらく前、アメリカ政府との交渉で日本が一方的に譲歩させられた・・みたいな話もありましたが、私はこの交渉は大成功だと思っています。いかにもTPPに参加すると貿易の完全自由化を押し付けられるかのような話だったのが、この交渉の結果、アメリカもなりふり構わず自由化には反するいろいろな条件を主張してきた、ということがはっきりしましたから、これは日本が今後本格的に交渉に参加するにあたり、準備作業を進めるにはかなり役に立ちそうです。
保険ではかんぼ生命のがん保険に待ったがかけられた、ということですが、大した話ではありません。かんぽ生命が完全に普通の民間会社になることはなさそうですから、である以上、いろんな条件がつくことは当然の話でしょう。
日本のマスコミの報道では、日本がアメリカを初めとする他の国にいろいろ注文をつけられるという雰囲気になりますが、他の参加国としてはむしろ日本と協力してアメリカに対していろいろ注文をつけたいということでしょうし、さらにはこの交渉を通してTPPに参加していない中国や韓国にも影響を与えたいということでしょう。それを踏まえて、日本も自由にいろんな国と協力して交渉すれば良いんだと思います。
7月に日本が参加しても交渉が終わるまで時間がないから何もできない、なんていう話もありますが、日本が正式に参加することになったら、必要だったらその交渉のスケジュールも変更すれば良いだけです。別に誰かに命じられて交渉しているわけではなく交渉の当事者が全員集まって協議するわけですから、スケジュールにしても交渉のやり方にしても、参加者全員で話し合って必要に応じて変更すれば良いだけの話です。
日本では会議のルールやスケジュールを一旦決めるとその通りにしなければならないという雰囲気になりますが、アメリカやヨーロッパの国が参加する会議では、かなり好き勝手にルールやスケジュールを途中で変更しています。日本もそろそろこのような協議の進め方に慣れる必要があるんでしょうね。