集団的自衛権

集団的自衛権の閣議決定に関してKENさんといつものようにロクでもない議論をしていたら、この集団的自衛権の閣議決定に関する反対にも、いくつものものがあるのではないか、と思いあたりました。

1つは集団的自衛権が行使できるようになる、そのことに対する反対です。集団的自衛権が行使できるようになると外国の戦争に日本も参加するようになり、日本が戦争することになるから反対だ、というものです。

2つ目は集団的自衛権そのものではなく、憲法解釈の変更に反対だ、というものです。これは憲法が変更してはいけないものだから、なおさら憲法解釈の変更で実質的に憲法を変えるなんてことをしてはいけない、というものです。

これと近いのですが、3つ目は内閣の憲法解釈を内閣が勝手に変えることに反対、というものです。国会の承認や裁判所の承認もなく、内閣が勝手に憲法解釈の変更を閣議決定するのはケシカラン、ということです。中には今回の閣議決定を、国会での可決、あるいは国会での強行採決だと思っている人もいるようです。

4番目は何であれ安倍総理大臣、あるいは自民党のやることは全て良くないことだから、集団的自衛権であろうと何であろうと無条件に反対、というものです。

5番目は2つ目とちょっと重複するのですが、自衛権の問題は憲法改正をするのが正しいやり方なので、憲法改正をしないで憲法解釈を変更するのは反対、というものです。2番目との違いは、2番目の反対は憲法の変更に反対だから憲法解釈の変更にも反対ということで、5番目の反対は、さっさと憲法改正をすべきなのにそれをしないで憲法解釈の変更など中途半端なことをしていることに反対、ということです。

6番目、公明党が言っていた反対というのは、憲法解釈の変更をしなくても個別的自衛権という言葉の解釈を変えれば、集団的自衛権もかなりの部分個別的自衛権に含ませてしまうことができ、個別的自衛権という言葉の解釈を変えるのは憲法解釈を変えるわけではないので、それで済むのであれば憲法解釈の変更に反対、というものです。

現行の憲法解釈で個別的自衛権は認められている。その個別的自衛権の言葉の解釈を変更するというのは憲法解釈の変更になるんじゃないのかなという気もしますが、憲法解釈の文言は変えないんだから憲法解釈の変更ではない、と言い張ることもできるのかも知れません。

普通、今回の集団的自衛の閣議決定に反対する人は、上の1~4の反対なのですが、多分そのうちのどれなのか十分明確には意識されていないでゴッチャになってしまっているような気がします。

KENさんは4番目の反対のようで単純明快なのですが、いろいろ理屈を付けたい人は1~4をごっちゃにして反対だ、ということのようです。

落着いて、自分の反対は何番目の反対なんだろうと考えてみると、頭の整理ができるんじゃないかなと思うんですが、残念ながら私の意見など聞く耳持ってくれないでしょうね。

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