100年安心

例の2000万円問題をきっかけに、年金の『100年安心』という言葉がいいように勝手に解釈され流布されています。
忘れないうちに、この言葉の本当の意味をメモしておきます。

従来は公的年金の保険料率・年金の給付水準は5年ごとの(年金の)財政再計算でその都度検討され改訂されていました。年金の専門家と称する人の中には、年金の会計はすでに大幅な債務超過になっており、積立金が底をついて年金が支給できなくなるのも時間の問題だ、などというデマを大声で主張する人も何人もいました。

それで財政再計算の都度保険料率や給付水準を見直すことはやめ、社会・経済情勢の変化に対して自動的に保険料率や給付水準を変更する仕組みを取入れることにより、その当時とあまり変わらない保険料率であまり変わらない年金給付を続けることができるようにしよう、というのが100年安心プランの意味です。

この過程でその当時積み立ててあった年金積立金は100年かけて除々に取崩し、最終的には各年の年金保険料収入の1年ないし2年分くらいの積立金で運用できるようになっていて、それはその後もそのままで運用できるということです。

100年というのは、100年後にはいわゆる団塊の世代もそのジュニアとよばれる世代も殆ど死に絶えており、人口の年齢別構成のいびつさもなくなっているから、毎年の年金保険料と年金給付がバランスして積立金はほとんどいらなくなる、ということです。もちろん、積立金の追加積み立てなどは必要なく、既に積み立ててある積立金を取り崩して、積立金が不要になる状況に達する、ということです。

もちろん年金の給付だけで老後の生活資金が全てまかなえるなんて馬鹿な話はなく、あくまでその当時とあまり変わらない年金保険料の負担で当時とあまり変わらない年金が受け取れるということですから、あとはそれで足りないと思う人は自分で貯蓄なり何なりしなさいということです。安心というのは年金保険料がバカ高くなったり年金給付が大幅に減ったりしないでずっと続く、という安心です。

まあマスコミは意識的に間違った解釈をしてフェイクニュースを流すのが仕事みたいな所がありますから、こんなことを言っても何の役にも立たないかも知れませんが、忘れないうちに書いておきます。

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