東京電力の株主総会があったようですね。
テレビやネットのニュースでは、大混乱とか怒号だとか脱原発が否決されたとか新役員がそのまま選任されたとかの話ばかりですが、私が知りたいのは一つだけ。
今回の事故に関して、東電が賠償責任を何故認めるのかという質問があったかどうか。あったとしたら、東電はどう答えたのかということです。
もしかするとこんな質問はないかもしれないし、あってもマスコミは無視して報道しないで、しばらく後の週刊誌でもみなきゃならないかなと思っていたんですが、さすが新聞にはちゃんと載ってました。
私は日経新聞しか見ないので、他の新聞にも報道されたかどうかはわかりませんが、今朝の日経新聞では3ページの記事の終わりの方にちゃんと出てました。
「原子力損害賠償法に基づき、免責を訴えても良いのではないか」という質問が出たが、勝俣会長が「免責の結論を得るには時間がかかる。被災者を救済できない上に当社も資金不足に陥る」と、法的な可能性を探るより現実問題への対処を優先する現状を説明した。
確かに現在の集団ヒステリーのような東電いじめの状況では、東電が「賠償責任はない」と主張したら東電に金を貸してくれる人はいなくなってしまうでしょう。
仮に賠償責任が免責となったとしても、原発事故自体の後始末の費用は東電が負担しなくてはなりませんから、外部からのお金がストップしたら東電は立ち往生せざるを得ないでしょう。
電力料金を上げようとしても、賠償責任はないと主張する東電の料金引き上げを認める勇気のあるお役人も政治家もいないでしょう。
いずれにしてもその間、被災者に対する賠償は進まないでしょう。
だとすると法的正義の主張より企業存続と被災者救済、サービスの継続の方を優先する東電経営陣の判断は納得できます。なかなか見事なものですね。