斑目さんの『人災』発言

原子力安全委員会の斑目さんが今回の原発事故について、「人災だ」と言っていることが取上げられています。
これもいかにも学者らしい発言ですね。

斑目さんは事故が起きてからの現場の対応を「人災」と言っているわけではなく、事故が起きる前のルール作りとか事前準備とかについて「人災」と言っているようです。だとすると自分が委員長をしている原子力安全委員会も人災のうちです。

ビジネスの世界では責任を認めた途端「金を払え、職を辞せ」となるのは当然の話なのですが、斑目さんは自分の全財産を差し出して身を引くなんてことを考えているわけでもなさそうですし、この「人災」発言を聞いている議員さんもマスコミもそのことを要求しようともしていないようです。

仮に誰かがこの「人災」発言を受けて、斑目さんに「それじゃあ全財産を賠償のために差し出せ」と言ったとすれば、斑目さんが「全財産差し出します。」と発言したとしても「自分個人の財産は差し出しません」と答えたとしてもニュースになって当然だと思うのですが、そのあたりについて何のニュースにもなっていないことからすると、そんな問いかけをする議員さんもマスコミもいないということでしょうか。

斑目さんは学者ですから、自分の財産を投げ出すなんてことは考えてなくて、単に今までのやり方を反省し、これからもっと厳しいルール作りを自ら率先してやりたいと考えているんでしょう。

このように自分の発言の重さについて無感覚だというのは学者には良くある話ですが、マスコミもだらしがないですね。

このように無邪気にいろいろ反省する人の発言がマスコミで取上げられるのを見ると、がっかりですね。

小林秀雄が敗戦後、戦時中に文化人として戦争に協力したことについて「頭の良い人はたんと反省するがいい。僕は馬鹿だから反省しない」と啖呵を切ったのが懐かしいですね。

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