周恩来

先週NHKのBS3で周恩来の特集が放映されました。
「家族と側近が語る周恩来」というタイトルで、8月1日から4日まで4夜連続、それぞれ1時間の番組です。

これをビデオに録っておいてまとめて見たのですが、やはり予想通り、あるいは予想以上に素晴らしい番組でした。

周恩来というのは以前から気になる人だったんですが、この番組を見て、改めてすごい人だなと思いました。こんな人がいたんだと思うだけで嬉しくなります。

今テレビに登場するのは、殆どが大したことのない人やロクでもない人ばかりです。そのような人達と比べてみて、自分自身大したことないナと思うのですが、やはり一人でも「これはスゴイ」という人いると、嬉しくなってしまいますね。

中国建国の初期、まだ国の基盤が固まっていない時に文化大革命の大混乱が始まり、四人組の攻撃の標的にされながら10年間あきらめず、投げ出さず、頑張り続けた、(自分のいなくなった後のことまでしっかり準備した上で亡くなった)人生を、近くで見ていた家族と側近が直接語っている映像が主体に構成されている番組です。生々しい具体的な証言ばかりですから、説得力があります。

母親の葬儀をするのにお金がないので何十年もかかったというエピソードも、儒教国の一端を見ている思いがしましたし、弟を四人組から守るために反逆者として軍に逮捕させた話とか、面倒を見ていた甥や姪が下放で地方の農村で食うや食わずで苦労して、ようやくの思いで(おじさんのコネを使わず自分の力で)人民軍にはいれて、これでようやくちゃんと食えるとホッとしていた時、軍をやめて農村に戻るようにおじさん(周恩来)に言われ、ボウゼンとしながらも無条件に従うしかなかったという話など、非常に面白いです。

ほんのちょっとの判断の誤りが命取りになる四人組との戦いの中で、ベトナム戦争をやり、米中国交回復・日中国交回復を成し遂げ、一度失脚した鄧小平を復活させて中国発展の方向性を定めた、すさまじいドラマです。

近頃、お金をかけないで安直にでっち上げたような番組や、不安や不満をかき立てるようなニュース番組ばかり見せられる中で、こんな質の高いテレビ番組があると嬉しくなります。

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