大騒ぎの末、ようやく民主党の年金試算が公表されたとのことです。ちょっと見てみようとしたら、やっぱりちょっと面倒ですね。
マスコミはニュースやら解説やらを流していますが、元資料がどこにあるかは書いてません。欧米のインターネットのニュース記事だったら、元資料のリンクが当然張ってあるはずなのに、日本のマスコミはメンドクサイナと思いながら民主党のサイトで探そうとしたら、これもすぐには見つかりません。まぁあまり派手に公表したくないということなのかも知れませんが。
で、民主党のサイトの中の「党の社会保障と税の一体改革調査会総会を開催して、新年金財源の試算案を公表しました」というニュース記事の中に、その試算について「試算の位置付けについて」という断り書き(言い訳)と、「新制度の財政試算のイメージ(暫定版)」という中味の概要が載っていました。
この試算、国会で野党にせっつかれて渋々出したものですが、だからといって「野党に対して公表した」と言うこともできず、何と「(出席議員に説明。その後)記者に公表した。」と書いてあります。どうも党として「国民に公表した」とは言いたくないようです。あるいは国民に対して公表しようなどとは考えたこともなくて、マスコミに公表すれば十分だ、と思っているのかもしれません。
で、公表された資料、どちらにも「大胆な仮定をおいて推定したものが多く、(今後のデータの精査により結果が)相当変わる可能性がある。」と、予防線を張っています。
とはいえ、別にそれほど変な仮定を使っているということはなく、多分生涯平均年収の推計の仕方がどこまで妥当なのか、というくらいなもので、それも現在得られるデータから推計するしかないと考えればそんなにおかしくはありません。
年金の水準は今の年金制度と同じく世帯単位(夫婦単位)で考え、夫婦の年収を足して2で割って1人当たりの年収を出し、それにもとづいて年金を計算し、その2倍を夫婦の年金とする、というようなものです。
試算は老齢年金についてだけ行なっていて、障害年金・遺族年金の分の保険料は別途徴収するとしています。ここのところはあまり報道されていませんね。
所得比例年金について、被用者(サラリーマン)は給与収入に基き保険料を算定し、労使折半。自営業者は「売上-必要経費」に基き保険料を算定してすべて自己負担としているのも、試算の段階ではこれで良いですが、これを実施するとなったら大変な議論になりそうですね。稼ぎのいい自営業者はかなりの負担増になりそうですから。
いずれにしてももうちょっときちんとした資料が発表されるのかと思っていたんですが、きちんとした資料を作れる人がいないんでしょうね。