ヨーロッパの危機

ユーロ危機、いよいよ大変ですね。

G7の財務大臣の電話会議、じっとしていられなくて緊急に会議したんでしょうが、何も決められない、という惨めな結果をさらけ出してしまいました。

皆がギリシャのユーロからの離脱を言い始めていますが、どのように離脱するかというのは誰の話を見てもはっきりしません。そのため離脱するとしても、それが実現するまではかなりの時間と手間がかかり、その間大きな不安と混乱が予想されます。

混乱が見込まれるとお金は安全な所に逃げますから、ヨーロッパの銀行はそれだけ痛めつけられます。銀行はお金を預かるのが商売ですから、預かったお金が出て行ってしまうとそれだけで倒れてしまいます。それを何とかするためには大金を投入しなければならないんですが、どの国も皆尻込みしています。

自分の国の問題なら外国に多少助けてもらうにしても、まずは自分の国でお金を出すんですが、ギリシャにしてもスペインにしても自分の国では必要なお金が用意できないという話です。G7の先進国が出すしかないんです。

先進国がお金を出すにしても、そのお金が返ってくるということならまだ出しやすいんでしょうが、今回の話はお金が返ってこないかも知れない、というより多分返ってこないだろうという状況ですから、外国の問題を解決するために自国のお金を出すというのは、やはり民主主義の国の政治家には難しい話なんでしょうね。

皆、何をして良いかわからないで『早く手を打たなきゃ事態は悪くなるだけだ』とわかっていながら何もしない・何もできないで不安感だけ募らせているという状況ですね。
英語で言う“standstill”<身動きできずに立ちつくす>という状況です。

多分これはヨーロッパの第一次大戦前の雰囲気に似ているんじゃないでしょうか。
この戦争は日本にとっては遠くのヨーロッパの戦争ですから、中国でドイツと戦って漁夫の利を得たという位の気楽な戦争ですが、ヨーロッパの人にとってはこの戦争で古き良き時代が終わってしまった、という歴史的な戦争ですから、その記憶や印象ははっきりしている人が多いでしょう。
この戦争の結果、負けたドイツからヒトラーが登場し、第二次対戦が始まってヨーロッパ全体が焼け野原になってしまったという経過は多くの人は知っているでしょうから、なおさら不安でしょうね。

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