ユーロ危機について、欧州中銀のドラギさんの発言でまた大騒ぎですね。
私には例によって中味のない口先だけの発言としか思えないのですが、マーケットは大喜びして、ヨーロッパの国債利回りが下がったり、ついでに株価が上がったりしているようです。
マスコミは騒ぐネタを探して大騒ぎするのが仕事だし、証券会社やマーケットの人達はいずれにしても値段が上がったり下がったりするのが商売のネタですから仕方ないんですが、それにしてもこんな口約束で良かった良かった・・・と大騒ぎする人は理解できませんね。
どうも大騒ぎの元はドラギさんが国債を『無制限で』買取るといったことのようです。しかしこの『無制限』というのは『無条件』ということとは別の話ですから、実際にどれ位買い取ってもらえるのかは殆どあやふやです。
何よりもまず、まだ存在すらしていないESM(欧州安定メカニズム)に対して国債を発行している国が支援を要請することが、この買取の条件になっているんですから、いつになったら実行できることやらわかりません。
またこの支援要請も単に『要請すれば良い』ということではなく、要請するための条件として『財政再建の公約が必要だ』ということになっていて、その公約の中味(どの程度の財政再建をする必要があるか)については『今後詰める』というのですから、何とものんびりした話です。
いずれにしても国債の買取というのは、その国債を持っている銀行を助けるためなのですが、そのために支援を要請するのは国債を発行した国ということで、要は他国の銀行を助けるために、国の政府ができるかどうかわからない財政再建を約束するということですから、国民としては何とも納得しにくい話です。
まあこれも、失われた10年・20年が始まったばかりの混乱の一つですから、仕方のない話かも知れませんが。