『アジア独立と東京五輪』

私の友人の浦辺さんの4冊目の本、『アジア独立と東京五輪』を読みました。

1964年の東京オリンピックにインドネシアのスカルノ大統領が送った選手団が、政治的な理由によりオリンピックに参加することができずそのまま帰国したというエピソードを締めくくりに、それまでの日本とオランダ・インドネシアの3国の関係を解説しています。

2020年のオリンピック東京招致が今話題ですが、「オリンピックがいかに政治的な催しなのか」ということを考えるヒントになるかも知れません。

私も浦辺さんと一緒に昔オランダ資本のING生命で働いたことがあり、私にとってはオランダは昔から興味の対象の一つです。
そのオランダが植民地として支配していたインドネシアは、太平洋戦争が始まると日本が占領してオランダ人を排除し、日本が戦争に負けたあとオランダが再度植民地としようとした時、インドネシアの独立戦争に日本の兵士達が多数参加して活躍したとか、あるいは江戸時代の鎖国の日本が貿易を続けていた唯一の西洋の国オランダにとって、アジア貿易で大半の利益を稼いでいたのが対日貿易で、その拠点だったのが植民地インドネシアだった話とか、あるいは三浦按針や八重洲通りの名前の元となったヤン・ヨーステンを乗せたオランダの貿易船リーフデ号が日本に流れ着き、その乗組員が関が原の戦に参加した話とか、長崎の出島の話とか、面白い話がたくさん入っています。

歴史に興味がある方にはお勧めの一冊です。

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