キプロスの銀行預金者に対する課徴金、びっくりしましたね。
銀行が破綻しても1,000万円までは預金を保障するというのが日本を始めとした多くの国のやり方だと思うのですが、これとは逆に、銀行が破綻していないのに銀行の破綻を防ぐために預金者の預金から預金残高の6%なり9%を召し上げてしまうという話ですから、預金者にとってはとんでもない話です。
これを実施するには新しく法律を作る必要がありますが、とりあえずこの新しい法律の案はキプロスの国会で否決されたようですが、政府が提出した法案に対して賛成する議員が一人もいなかったというのも驚きですね(かなり多くの棄権と過半数の反対だったようです)。
問題はこのようなアイデアがEUのほうからキプロスに提案されたということで、これは同様のアイデアが他の国にも使われるかも知れないということになります。
スペインやイタリア、フランスの預金者はいつ頃どうやって銀行預金を引き出すか考え始めているに違いありません。でもそのような預金の流出は銀行の破綻を早めることになるわけで、危機を加速することになってしまうんですが。
キプロスの銀行預金はロシアの金持ちの預金が1/3とか2/3とかを占めるらしいですが、EUとしたらロシア人の金持ちに負担させるのは構わないと思っていたのかも知れませんが、普通の預金者のことは考えなかったのでしょうか。
100億ユーロの支援をしてあげるから58億ユーロの課徴金を確保しろというのもちょっと乱暴ですね。とはいえ一方的に助けるだけということだと、ドイツの国民に言い訳ができないと思ったのでしょうが。
キプロス銀行は今週のはじめから窓口を閉めていて、来週までは閉めっぱなしということですが、銀行が閉まりっぱなしというのもいつまでも続けるわけには行きませんから、この週末が山ですね。
このキプロス問題、うまく解決しないと火の手が他の危なっかしい国にそのまま飛び火してしまいますから、そうなったら大変です。どうなりますか。