友人に『R』について質問されて解答したのですが、そういえば『R』に関してブログに書こうと思っていて、そのままになっていたことを思い出しました。
『R』というのは統計処理のためのフリーソフトで、高度な統計処理が簡単にできるということで、ある種デファクトスタンダードになっているようなソフトウェアです。
で、これは統計処理ソフトと呼ばれることが多く、統計処理のための強力なルールが用意されているのは確かなんですが、実はこれだけじゃない、強力な機能を併せ持つソフトウェアです。
プログラム言語なんていわれることもあり確かにプログラムを組んだりもするんですが、これ自体はプログラム言語というよりは計算環境と言った方が良いものです。計算式を書いてその結果を確認し、また次の計算式を書いたり、前の計算式の一部を書き換えて計算させたりということが自由にできる、データのメモリーも計算式のメモリーもたっぷり持った、関数電卓みたいなものです。
で、統計処理のツールについては販売されているソフトにもひけを取らないくらいの機能を持っているので、統計処理ツールとなっているんですが、それだけじゃありません。
まずこれはベクトル計算機だという性格があります。通常の計算機やプログラムでは一つ一つの数が単位で、一つ一つの数を定数や変数にしていろいろ計算するのですが、『R』はその計算の単位が数列です(『R』ではこれをベクトルとよんでいます)。
ですから数列から数列を計算する、というのが計算式になります。
生命保険の保険数学では死亡率にしても生存数・死亡数、あるいは計算基数とよばれているもの、たいてい年齢別の数値で年齢別に並べてやると数列になります。ですから死亡率という数列から生存数・死亡数という数列を計算したり、それから計算基数という数列を計算したりするのが簡単にできます。通常は年齢に関してforループを使って計算するとか、Excelなんかだったら1つのセルに計算式を入れて、それを年齢分コピーして計算する、なんてのが一つの計算式で書けてしまいます。
もう一つの強力な機能がグラフ機能です。高度なグラフが自由に描け、そのグラフをファイル出力してExcel・Word・PowerPoint等に自由に貼り付けることができます。
Excelなどでグラフを描くといろんなパラメータをいじくるところがかなり面倒くさく、しかも後からどんなパラメータをどのようにセットしたか調べるのもやっかいです。『R』だといろんなパラメータは式の形でセットするので、その式のテキストを見れば何がどのように設定されているかすぐわかるし、一部を変更してグラフを描き直すというのも簡単にできます。
<R>で検索すればいくらでも紹介用のサイトがみつかるし、インストールも簡単にできます。興味があったら、いじってみてはいかがでしょう。