『地獄である』

昨日(3月23日)の日経新聞朝刊の40ページに全面広告でバカでかい活字で『地獄である』なんてのがありました。一体何だろうと思ったら、『一人一票実現国民会議』という名前で、弁護士の升永英俊という人が出している広告のようでした。

いわゆる一票の格差の問題について主張しているもののようなんですが、何ともはやの論理展開で、やはり弁護士さんは論理的思考ができないんだなと思ったのですが、面白いので紹介します。

  1. 最高裁の裁判官のうちの何人かは、参議院選での一票の格差の問題で、選挙は違憲状態にあると判断しており、違憲状態にある選挙で選ばれた国会議員には正当性がない、と言っている。
  2. 最高裁の判決では衆議院選は違憲状態にあり、選出された議員は正当性がなく、その議員を含む内閣には正当性がない。
  3. 裁判官はその正当性のない内閣により任命されているので、裁判官も正当性がない。
  4. 正当性のない裁判官が死刑の判決をするのは、人の道に背く。自分が仮にその正当性のない裁判官であったら、たとえ自分が殺されても実刑判決はしない。
  5. 正当性のない裁判官が死刑判決を言い渡し続けているのは地獄である。
  6. この地獄を止める唯一の方法は(一票の格差に関して)違憲無効判決を言い渡すことである。
  7. アメリカでも州議会選挙で972倍もの一票の格差があったのを、連邦最高裁判所の判決で一人一票になった。

ということのようです。
何ともはや、ツッコミどころ満載の支離滅裂の議論ですね。

正当性のない最高裁判所の裁判官が違憲無効判決をすれば全て解決する、というのはどういう理屈によるんだろうと思います。こんな訳の分からない人が裁判官でなくて良かったな、と思いました。

それにしても日経新聞の1ページ全部の広告ですから、結構お金がかかったんじゃないかなと思います。

この弁護士さんが、今全国で行われている一票の格差問題の選挙違憲裁判の中心人物のようです。
よっぽどお金と暇がある人なんでしょうね。

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