またギリシャの話

ギリシャのEUからの離脱について5月24日の日経新聞に解説がありました。
それによると

  • EUがギリシャを「EUから追い出す」ことについては、規定がない。
  • ギリシャが希望して「ユーロから離脱するけれどEUには残る」ということについては、規定がない。
  • ギリシャが希望して「EUから脱退すること」に関しては、EUの加盟国の多数が賛成すれば2年後にEUからの脱退が認められる。

ということで、いずれにしてもそう簡単にEUから抜けることはできないようです。

となると残された選択肢は

  • ギリシャがEUに残って、形だけでも支払不能にならないようにEUが金融支援を続ける。
  • ギリシャがEUの中で明確に支払不能となり、EUは加盟国の中に支払不能な加盟国があるという姿になる。

ということになります。

3月の段階では、形だけでも支払不能にしないことが重要だったようですが、今となってはもうそれはどうでも良いことなんでしょうか、「あきらめた」ということなんでしょうか。

まぁ連邦国家でその中の一部の国が支払い不能になるというのは、ないこともないし、アメリカなんかは連邦政府自体が支払不能になったりもしますから、「支払不能になる」ということ自体はたいしたことではないのかも知れません。

ちなみにアメリカは日本では「合衆国」とか「合州国」とか呼ばれていますが、United States of AmericaでStateというのは日本では「州」と訳していますが、元々の意味は「国」です。そのStatesが集まってできたのがアメリカですから「連邦国家」ということになります。

昔は南部諸州が離脱する・させないで南北戦争が起こったり、西部の州を入れる・入れない、ユタ州を入れる・入れない、なんて議論もあったのですが、今となってはどこかの州が脱退するなんて話は殆どなさそうです。EUもいずれはそうなるんでしょうが、それにはやはり100年くらいかかるんでしょうか。

で、ギリシャに戻りますが、むしろ問題は、支払不能になったあと、誰がいつその穴をひっかぶるかということのようです。その誰かがその穴を引っかぶった結果、自分自身が支払不能になったら、またその穴を誰かがかぶらなきゃならなくなるので、このようなことを連鎖的に続けていると、いつまでたっても終わりません。

大金持ちが一気に穴をひっかぶって、穴があきそうな人には必要な穴埋め資金を用立ててやる、ということしかないんですが、やはりそう簡単にはいかないでしょうね。そんな大金持ちもいませんし。

日本でもバブルがはじけてから「トコトン税金で穴埋めする」という覚悟を決めるのに10年位かかったんですから、いろんな国が集まっているEUで同じようなことをやるには、その何倍もの時間がかかるんでしょうね。だとするとその間ずっと「ユーロ危機」とか「EU危機」とか、「失われた10年、20年、30年」なんて言葉を聞くようになるんでしょうか。

あんまり嬉しい話じゃないですね。

Leave a Reply