北朝鮮

北朝鮮に関する、8月6日の記事を書いて、これをfaceookで公開したら、いくつかのコメントをもらいました。

普段はこのブログの記事でも、それをfacebook,twitter,google+で公開してもほとんど何の反応もないので、ちょっと嬉しかったので、コメントを返したりしたのですが、その中で私が

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この際、北朝鮮を開放して日中韓で復興需要を満たす、というくらいのことをやれば、ユーロ危機で落ち込んでいる中国・韓国の経済のテコ入れにもつながるんですけどね。どうせお金は有り余っていて、行き場を探して日本国債・アメリカ国債・ドイツ国債に集まっているんですから。
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と書いたら、それに対して、ある人から

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北朝鮮の開放は、東西ドイツの合併と同じで、経済のテコ入れというよりはさらなる不況の受け入れになりそうな気がします。また、韓国と北朝鮮の緊張がなくなると、中国と朝鮮半島が手を結んで日本の脅威になることも懸念されます。困った国ではありますが、日本にとっては今のままがいいと思います。
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というコメントがありました。

私の考えはちょっと違うので、

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北朝鮮は東西ドイツの統一の場合とはだいぶ事情が違うと思います。
韓国には旧西ドイツほどの経済力はないし、また旧東ドイツは東側諸国の中でも優等生だったのに対して北朝鮮はとてつもない劣等生です。さらに、東西ドイツの統一の時は世界的にいくらでも投資先があったのに今はユーロ危機で有り余るお金が行き先を探して右往左往している状況です。
このあたり、改めて別稿で書いてみます。
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とコメントを返したのですが、このことについて、ちょっと書いてみます。

まず、東西ドイツの統合、というのは1990年のことですが、これは1989年のベルリンの壁の崩壊から1991年のソ連の崩壊、その他の東欧諸国の民主化と時を同じくしたことで、東ドイツだけでなくロシアをはじめ、旧東側諸国の多くがほぼ同時に民主化、資本主義化しようとしていた時のことです。

西側諸国にしてみれば一気に世界が広がったようなもので、中でもドイツは東側の国に一番近く、まさに絶好の位置を占めていて、東ドイツがあるからと言ってほかの旧東側の国に進出をためらうような状況ではなかった、その為、産業界も金融業界も一気に旧東側諸国になだれ込んだ、といった状況です。
西側諸国にしてみればお金の使い道はいくらでもあったわけです。

その点、今は世界的にお金が余っていて、どこにも行き先がないため、ほとんど利息がつかない国債に集中している、というようなわけですから、事情はだいぶ違います。

また、その当時東ドイツは東側の国の中では一番の優等生で、確かに西ドイツと比べるとだいぶ劣っていた、とはいえ、既にかなりの経済水準に達していた、という状況です。

それに対して北朝鮮は逆に、東側の国の中でもかなり悲惨な状況にあるはずですから、それほどお金をかけなくても大いに改善が可能な状況です。

何より、多分ユーロ危機の影響で、中国も韓国もかなりなダメージをくらっているはずですから、その救済策としてもここで有効需要が突然出てくる、というのはかなりの助けになると思います。

世界は狭くなった、と言っても、地理的・歴史的な関係はいまでも大きな重要性を持っています。

ユーロ危機の方はEU諸国とアメリカに任せておいて(と言っても日本も応分の金を出すことになるでしょうが)、日中韓は北朝鮮の方を担当する、と言えばかなり収まりがいいんじゃないでしょうか?

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