『漢籍と日本人』

今日お客さんの所へ行こうとして、この『漢籍と日本人』というタイトルのポスターが目に入りました。ちょっと気になって良く見ると、天理図書館とか天理ギャラリーとか書いてあります。

天理図書館といったら、国宝級の昔の本などを山ほど持っている所ですから何だろうと思ったら、そのポスターの置いてあるビルが実は天理教の東京本部のビルで、その最上階にギャラリーがあり、そこでこの展示をしてるんだということがわかりました。

『入場無料』に惹かれて覗いてみると、何ともはや、昔の漢文の本がずらりと並んで、ヲコト点と返り点とかいろんな説明がついています。

天理の図書館というのは宝の山だということは以前からいろんな本で知っていましたが、個人的な楽しみで奈良まで行くわけにもいかず、行っても解説なしでいろいろ読むこともできないので、学者や作家が行っていろいろ調べ物をしたことを本に書いてもらってそれを読むくらいしかできないものだ、と思っていました。

それがこんな形で、東京に居ながら直接見ることができるというのは大発見でした。

この手の展示は年に3回行われていて、天理の図書館から展示物を持ってきて、人も来て展示をして、その間は休みなしで毎日展示しているけれど、それ以外の時はこのギャラリーには何もないし誰もいないので、何も見ることができないということで、ちょうどその展示をしている時にぶつかったのはラッキー以外の何物でもありません。

たまたま今、今野真二さんの本を読んでいて(これはまた別途書くつもりです)、この人の本は基本的に全て日本語をどう書きどう読むかという読み書きの歴史を解説していて、古事記・万葉集の頃から平安・室町・江戸・明治・現代に至るまで、人々が日本語を書くためにどのように工夫してきたか、読むためにどのように工夫してきたかを漢字・仮名遣い・振り仮名等々、さまざまな切り口で説明してくれています。

漢籍というのももともとは中国語の本ですが、それが日本に来て日本人が日本語として読む、ということで、このような漢籍のサンプルがいくつも今野真二さんの本の中で出てきていますので、まさにちょうど良いタイミングでこの展示にぶつかったということになります。

ギャラリーの入り口には、以前の展示のカタログなども在庫があるものについて展示してあり、全部で7冊も買ってしまいましたが、それでも計2千円、何とも安いものです。

今回の展示のカタログも買ってきたんですが、全部で500部しか印刷しなくて、うち150部は図書館に取っておくので、販売するのは350冊だけだからもうすぐ売り切れますよ、と言われて慌てて買いました。とはいえ、お客さんはほとんどいないのでまだ数冊はあるので今日明日は大丈夫ですよ、と言われてしまいました。

神田に通勤するようになってもう14年になりますが、こんな場所があったなんてまるで知りませんでした。

もし興味がある人がいたら、是非行ってみて下さい。

千代田区神田錦町 1-9 東京天理ビル9階 天理ギャラリー
最寄り駅はJR:神田・御茶ノ水  地下鉄:小川町・淡路町・大手町・神田
の各駅です。

今の『漢籍と日本人』は5月18日から6月15日まで。
会期中無休 入場無料 9時半~17時半まで
   展覧会の案内は http://www.tcl.gr.jp/tenji/k83.htm にあるようです。

ご参考まで。

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