ここの所、ネットで“いかりちゃん” こと飯山あかりさんの話題が盛り上がっています。というか、いかりちゃんが大学教授や国会議員をバッタバッタと切り捨て、これに日本保守党の百田さんや有本さんの応援団とそれに対する反対派が加わって、とんでもない大騒ぎになっています。
まあ、要は意識高い系の大学教授たちが無謀にもいかりちゃんにちょっかいを出し、いかりちゃんを誹謗中傷したコメントをツイッターで投稿し、それに対して、売られたケンカは喜んで買う、といういかりちゃんにツイッターやユーチューブでコテンパンにやられている、というバトルです。
これがちょうど百田さんや有本さんの日本保守党の立ち上げと時期的に重なってしまったので、百田さんや有本さんと親しい、いかりちゃんが重なってしまい、いかりちゃんのバックに日本保守党がついている、とかいかりちゃんが日本保守党の黒幕だ、とか意識高い系の大学教授たちが勝手に思い込んでしまい、自分たちのツイッターにちょっとでも自分たちに批判的なコメントがついていたりするとそれを日本保守党の組織的な攻撃行動だ、とみなして大騒ぎを繰り広げているわけです。
私は、東大教授の池内さんや東京外語大学教授の篠田さんのツイートを見て、また飯山さんのツイートやユーチューブを見て、飯山さんの完勝だと思っているのですが、一方でそういえばこの池内さんの本は読んだことがないな、と思って、池内さんの仲間の人たちが絶賛するものがどんなものか読んでみました。
ちょっと古い本になりますが、『シーア派とスンニ派』という新潮選書と『イスラーム国の衝撃』という文春新書です。どちらも確かに良く書かれています。シーア派対スンニ派、というのは宗教戦争でも宗派対立でもなく、それぞれの宗派を信じる社会同士の社会対立なんだ、というようなまっとうな指摘もありますが、飯山さんとくらべて池内さんの本に明確に欠けているのが、イスラム原理主義過激派テロ組織に対する恐怖感です。自分がいつテロにあって殺されるかも知れない、自分の親や子、配偶者が理由もなくいつテロにあって殺されるかも知れないという恐怖感です。あともう一つ欠けているのが、このような原理主義過激派テロ組織に国を乗っ取られ、無理やり人質にさせられているその国の住民、一般の民衆に対する目です。
テレビでイスラエル・ハマス戦争についてイスラエルを非難するコメンテーターが『確かに10月7日にハマスがイスラエルを攻撃したのは許し難いけど』と前置きをすれば、あとはイスラエルを好きなように非難しても良いと思っているように、『イスラエルのガザ攻撃で何人死んだ、何人殺された』と言っていますが、これは実際はハマスがパレスチナ人を人質にとって、イスラエルの砲撃で死ぬような所に押し込めているからで、殺しているのはイスラエルではなくハマスなんだという視点を持ち合わせていません。
国境のない医師団が、イスラエルがガザを攻撃して病人や怪我人が何人も亡くなっているなんて話をしていますが、自分達がそこにいることによって病人や怪我人をイスラエルが攻撃する場所に縛り付けているんだという認識や責任感はまるでなさそうです。
日本では『一人の命は地球より重い』なんてお花畑の話を本気でする人も大勢いますが、イスラエルはもっと現実的ですから、『10人の人質が2人死んでも8人助かるんだったら、あるいは8人死んでも2人助かるんなら、10人全員殺されるよりその方が良い』と考えます。ハマスは少なくとも建前上は『人質は何人死んでも構わない、敵は何人死んでも構わない、自分達も何人死んでも構わない』『敵は殺せとコーランに書いてあるから殺すのは当然だ、自分達は殺されたら何年先になるかわからない最後の審判を待たないで、そのまますぐに天国に行けることになっているので、指定席付特急券を貰ったようなものだから、こんな素晴らしいことはない、人質が巻き添えになって死んでもこれは地震や交通事故で死んだのと同じようなものだから、この人達も天国に行けることになっているからラッキーじゃん』と考えているわけで、また『相手が神以外の誰かであったら、誰かに嘘をついても構わない、誰かとの約束を勝手に破っても構わない』と考える人達ですから、この人達を相手に戦うのは本当に大変なことです。
テレビやユーチューブでは『俺は死んでも構わない、殺されても構わない』と大見得を切って戦争反対を叫ぶ人が良くいますが、その人に対して『アンタは殺されたけりゃ好きなように殺されても良いけれど、アンタの母親、アンタの父親が殺されてもアンタは平気なのか、アンタの子供や奥さんがむごたらしく殺されても構わないのか』と質問する人がいれば良いのにと思うのですが、多分そんな事を言うと放送禁止になったり公開禁止になったりするのかな、と思います。
と思っていたら飯山さん、今度は自民党の国会議員とのバトルになってしまいました。
大変でしょうが頑張ってもらいたいと思います。