私は子供の頃から結構いろんな本を読んでいましたから、本を読むのは得意だと思っているんですが、国語の成績は5段階評価で「2」がせいぜいです。
これも小学校の時に「先生と自分は意見が違う」ということをはっきり認識していますから、別に成績が悪いことは気になりません。「できない」んじゃなくて「意見が違う」だけなんですから。
で、国語の教科書や参考書はほとんど読まないんですが、いろんな本を読む中で古文や漢文を読むことは結構あります。
それでしばらく前から本屋さんの文庫本コーナーに行くたび気になっていた本を、ついに買って読んでみました。講談社学術文庫の二畳庵主人著、「漢文法基礎」という本です。もともと大学受験の参考書としてZ会から出ていたものを文庫にしたもののようです。
これがとにかく面白い。なにしろ学校で中間試験や期末試験を受けるわけでもなく、大学の入学試験を受けるわけでもなく、楽しみで読むわけですから、こんなに面白い本はありません。
これに味を占め、もう一冊気になっていた、ちくま学芸文庫の小西 甚一著「古文の読解」も買って読みました。こちらの方はもう少し受験参考書っぽい本ですが、これも試験と関係ない立場で読むと本当に面白く読めます。
この二冊を読んでいて面白かったのは、漢文にしろ古文にしろ意味をはっきりさせようとして、英語を使った説明が良く使われるということです。
漢文や古文のいくつかの言葉の違いを、日本語で説明するより英語に直して違いをはっきりさせた方がわかりやすい、というのは面白いですね。でもそうだとすると、まずは英語の言葉の違いがはっきりとわかっていないと、説明が説明じゃなくなってしまいます。やはり私の高校時代の英語の力(これは5段階評価で、そこそこ授業に出てれば「1」をつけることはないという方針の学校で「2」の評価です)では良くわからなかったかも知れません。
今になって受験勉強とは何の関係もなくなって受験参考書を読むというのも(もちろん、それが名著だからということもありますが)、楽しいものです。