やらせメールとストレステスト

最近、以前に増してニュースが理解できなくなってきたようです。

その一つは九州電力の「やらせメール」の問題です。私がニュースを見る限り、九州電力のやったことは「テレビ番組があることを知らせてその番組に意見をメールで送るように連絡した」というだけのことで、何がこれ程大騒ぎをするほどの問題なのか、わかりません。

多分反原発の運動グループも同様に、仲間にメールを送って反原発の意見をメールで送るように連絡していると思うんですが、そっちの方は問題にならないんですね。

もう一つはいわゆるストレステストの問題です。

どうも原発の安全性を確認するために、今回の震災による原発事故を踏まえて新しいテストを導入しようということのようですが、そのテストのために原発が止まってしまうというのがわかりません。

今まで動いていたものを新しいテストをするからといって、その新しいテストの内容もまだ決まっていないのに、そのテストを実施するまでは原発を動かすなというのですから、大変です。

これは言ってみれば、たとえば
【自動車事故が多発するので、車の安全性を高めるため車検の内容をちょっと変更することになりました。それでその新しい車検の内容はこれから早急に検討して決めますから、それが決まって新しい車検に合格するまでは車の運転はやめて下さい。】
というようなものです。こんなことをやったら大混乱ですよね。

私が知っている保険業界の規制であれば、たとえばソルベンシーマージン規制というのがありますが、その規制を導入する時は、実際に導入する前に試行をし、その試行している事も試行の結果がどうだったかということも、当面公表しないでやっています。

それで試行の結果、どのレベルの規制であれば大丈夫か検討すると同時に、そのレベルで問題のある会社については早急に何らかの手当てをして、問題のないレベルまで改善させた上で初めて新しい基準を発表し、その基準に照らして「問題のある会社はない」という発表をしていました。

もちろんその間、保険会社の営業をストップさせる、なんてことはありません。

これと比べると今回の原発のストレステストの問題は、あまりにも唐突で準備不足のような気もします。
原発事故もようやく落着きつつある所ですから、もう少し落着いて考えても良いんじゃないかと思うのですが、そんな話は反原発の人にとっては聞く耳持たないんでしょうね。

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