佐藤優さんのエッセイ

7月に入り、週刊金融財政事情いわゆる「キンザイ」に佐藤優さんのエッセイの連載が始まりました。

例の鈴木宗男さんと一緒に逮捕されて有罪判決を受けた元外務省のお役人、いわゆるラスプーチンと呼ばれた人です。

国策逮捕で有罪になった人に連載を頼むのも、金融庁の広報誌でもあるキンザイも大したものですが、その内容は期待に違わず素晴らしいものです。

7月4日号の第1回は、現在の政界事情を見事に解き明かす1冊の本の紹介から始まります。

『個々の指導者の責任が軽くなればなるほど、自分は哀れむべき程度のくせに、人並みに国民に対して不朽の努力を捧げるために招かれていると感じているものの数も多くなってくる。』

そしてその責任を果たすために、それを邪魔する自分より前にその地位について中々そのポストを明け渡そうとしない人を引きずり下ろそうとする、ということで、小泉さん以降の頻繁な首相交代を解説しています。

その上で、その本があのヒトラーの『わが闘争』の一節だと種明かしをします。

同じ本の中から
【多数はいつも愚鈍の代表であるばかりでなく、卑怯の代表でもある。百人の馬鹿者からは実に一人の賢人も生れないが、同様に百人の卑怯者からは一つの豪胆な決断も出てこない。】

という言葉も紹介されます。そしてマスコミが「誰がなっても日本は変わらない。どうしようもない」というニヒリズムを撒き散らすようになり、ヒトラーの登場につながる・・というお話です。

本物のエッセーは直接読んでみて下さい。はるかに面白いですから。

2回目の7月11日号は、沖縄の普天間問題に関して、鳩山さんのドタバタの結果、不平等の問題が差別問題に変わったということを明らかにしています。

佐藤優さんは太平洋戦争の沖縄戦の女子学生部隊の生き残りを母親にしている、半分沖縄人ですから、その議論にも説得力があります。
ここで佐藤さんが紹介しているのが、沖縄とグァムが日米の植民地となっている現状を打破するため、協力して独立運動を進めつつあるということです。

見開き2ページですから、本屋の立ち読みでも簡単に読めそうです。

もし「キンザイ」を見ることができるのであれば、是非読んでみて下さい。これから毎週このような切れ味鋭い文章が読めると思うと、楽しみです。

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