ユーロ危機

【この記事はもっと前に書いたのですが、どういうわけか下書きのままで公開されていませんでした。いまさらですが、公開することにしました。】

フランスとベルギーにまたがる銀行の「デクシア」というのが破綻し、ようやくマスコミもギリシャ危機・ユーロ危機というのがユーロ圏内の弱い国の問題ではなく、強い国の大銀行の問題だということをはっきり言うようになりました。

すなわち「怠け者のギリシャ人を助けるのに、どうして俺達の税金を使うんだ」ということから、「えばりくさっているフランスの大銀行を助けるのに、どうして俺達の税金を使うんだ」ということになったわけです。

日本でも1990年のバブル崩壊以後、住専の問題だ、ノンバンクの問題だ、信金の問題だと言い続け、実際は大銀行を助けるかどうかの問題だとはっきり言うまで何年もかかりました。

日本のバブル崩壊では、日本人の税金を日本の大銀行を助けるのに使ったわけですが、EUの場合はたとえばドイツ国民の税金をフランスの大銀行を助けるのに使うというわけですから、なおさらすんなりとは行きません。

とはいえ「助けない」というわけにはいかないので、ここは各国の納税者が「納得できないけど仕方ない」とあきらめてくれるのを待つしかないということになります。

時間がかかります。それまでひょっとしてとんでもないことが起こらないように、慎重な舵取りが必要です。

日本では幸いたっぷり時間をかけて軟着陸に成功し、その分そこからのテイクオフにも時間がかかっていますが、ヨーロッパははたしてそのような落着いた対応をとることができるんでしょうか。当面、目が離せませんね。

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