トランプとヒトラー

アメリカの大統領選の共和党の予備選、ついにルビオが降りてしまいました。

トランプはフロリダはじめ3月15日のミニスーパーチューズデーにも勝ち、いよいよ勢いに乗っています。

これで予備選で過半数の代議員を獲得することができなくても、少なくとも筆頭の候補の地位は動かないもののようです。

共和党の主流派はどうするんでしょう。また共和党の支持者はどうするんでしょう。

あまりあから様には言われていませんが、トランプの選挙運動を見ているとヒトラーのやり方に良く似ていることがわかります。

耳障りの良くない汚い言葉や悪口を平気で言い、競争相手をコケ下ろし、皆の敵を作りあげて敵愾心をかきたて、マスコミをうまく利用し暴力も否定しない、アメリカを偉大な国にするというあたり、ヒトラーそっくりです。近頃ではトランプの集会で暴力沙汰が絶えないというニュースもありますが、これはトランプが自分用の暴力装置(自分専用の暴力団)を作るのにもってこいの口実になります。もちろん違法行為も排除せず、自分の支援者が捕まったら弁護士費用は自分で出す、などということを平然と言っています。今日のニュースでは、共和党が自分を大統領候補に指名しないと暴動が起きるぞ、と共和党を恫喝する、という行動に出たようです。

現状に不満を持つ若者がこのようなトランプに魅力を感じるのも良くわかります。

ヒトラーも暴力を使い違法行為もしながらも、基本的には合法的な手続きによりに、まず最初に社会主義労働者党という政党を乗っ取り、次にドイツの国会を乗っ取り、ドイツという国自体を乗っ取る、というプロセスを実行しました。

トランプは今共和党を乗っ取ろうとし、次にアメリカを乗っ取ろうとしています。仮に共和党の大統領候補になれなかったとしても、共和党の中で一番支持された候補だ、ということはもはや否定できません。共和党の反トランプの人達は、一体どうするんでしょう。党が乗っ取られるのを指をくわえて見ているんでしょうか。共和党から逃げ出すんでしょうか。

ヒトラーの時代というのは今からもう100年近く前の話なので、無一文の絵描きくずれがどうしてあのような権力者になったのか、その間良識あるドイツ人は何をしていたのか、何とかできなかったのか、というあたりが良く分からなくなってしまっていますが、今のトランプの動きを見ているとそのあたりが良く分かってくるような気がします。

トランプはここまで勢いがついてしまうと、もう簡単には止りそうにありません。マスコミも有識者もさかんにトランプ非難をしていますが、それがマスコミに取り上げられればトランプにとっては応援演説と同じ効果しかありません。

世にヒトラーやナチスを非難したり否定したりする人は多いのですが、それはヒトラーやナチスが国を乗っ取り、他国を乗っ取ったやり方を非難しているのか、あるいはユダヤ人虐殺を非難しているのか、そのあたりが必ずしもはっきりしません。すなわち、ヒトラーやナチスはユダヤ人殺しさえなければ認めざるを得ないものなのか、ユダヤ人殺しをしなかったとしても許されないことなのか、ということです。

いずれにしても共和党の予備選、場合によったら大統領選の本選挙、また共和党がトランプに乗っとられるかどうも含め、アメリカの動きは最重要の注目ポイントですね。

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