原発事故の評価レベル

大地震から1ヵ月。大分落着いてきましたね。落着いてきた分、地震直後にはなりをひそめていた雑音が日に日に大きくなり、これもまた厄介ですね。

地震直後はなかなか情報が入らず多少は誤報もありましたが、情報の選択にはあまり困難はありませんでした。ほとんどの情報は情報そのものでしたから。

落着いてきたら、何の役にも立たない、不安をかきたてるためのマスコミの報道、それに協力する評論家や学者の先生たちのもっともらしいおしゃべりが急増して、ちゃんとした情報を見つけ出すのがなかなか面倒になってきています。
でもまあここは辛抱して、気長に玉石をえり分ける作業を続けるしかないんでしょうね。

そんな中、昨日の原発事故の評価レベル7の報道にはびっくりしましたね。

と言っても、マスコミが大騒ぎしているように評価レベルが7になったことにびっくりしたのではなく、評価レベル7になったことにマスコミその他が大騒ぎしていることにびっくりしたんですけれど。

評価レベルが5から7になったからと言って、別に事態が悪化したわけではなく(良くなったわけでもありませんが)、現場では着実に事態の封じ込めの作業が続いています。評価レベルは7が最高レベルだからといって、今回の事故がチェルノブイリの事故と同じ程度というわけではありません。

今までの推移からすると、時間はかかるものの福島原発の事故は何とかこのままうまく封じ込めできるんだろうと思いますが、仮にそれこそ想定外の事故がまた発生して事態が深刻になったとしても、評価レベルはもう7以上はありませんから、これ以上引上げられることはありません。そうすると事態が深刻になっても、大騒ぎは起こらないんでしょうかね。

この大騒ぎを見て、やはりマスコミをはじめ多くの人は自分で判断するのは好きじゃないんだな、と感じます。誰か他の人が評価してくれる、特に点数で評価してくれると、それでもう自分で判断する必要はないので、安心してその評価を丸呑みしてしまうんですね。

落着いて考えてみれば、人を評価するのに本人より学歴や勤めている会社や職名の方を重視したり、英語がしゃべれるかどうか話してみるよりトフルやトーイックの点数の方を重視したり、勉強したことがわかっているかどうかより試験の点数の方を重視するという状況ですから、事故の現実の情報より評価レベルの点数の方を重視するというのも、まあ当然なことかも知れません。

それにしてもこの雑音の高さ、うんざりですね。

と、ここまで書いてインターネットのニュースを見たら、このレベル7にロシアの専門家が文句をつけたようですね。
『福島の事故は、あんな程度でレベル7なんてのはおこがましいにもほどがある。せいぜいレベル4がいいとこだ』、というようなことのようです。
ロシアとしてはレベル7はチェルノブイリのロシアが独占、という状況を堅持したい、ということでしょうか。
この評価レベル、というのはこの程度のものだ、ということでしょうか。

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