辞めない菅さん

菅さん、ヤメロヤメロの大合唱の中、がんばってますね。

でもこんだけ大合唱だとちょっと心配になりましたが、先週毎日新聞の菅さんの奥さんの伸子さんのインタビュー記事を見て、これなら大丈夫そうだなと思いました。
=>http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110609ddm013010005000c.html 

この中に塩野七生さんの言葉が引用してあります。
<私があなたに求めることはただ一つ、刀折れ矢尽き、満身創痍(そうい)になるまで責務を果たしつづけ、その後で初めて、今はまだ若造でしかない次の次の世代にバトンタッチして、政治家としての命を終えてくださることなのです>

これは「日本人へ リーダー篇」(文春新書)の中で<拝啓 小泉純一郎様>という書き出しで書かれているとのことですが、塩野さんはその後小沢一郎宛でも同じようなことを言っていると思います。

小泉さんはさっさと格好良くやめちゃったし、小沢さんは何とか格好つけようとして四苦八苦している。そんな中、菅さんはまさにこのようにしてバカ正直に格好悪くがんばっています。がんばればがんばるだけヤメロヤメロの大合唱の声は大きくなるばかり。やはり日本のマスコミや国会議員の先生方は、格好良く潔い生き方が好きなんですね。

この塩野さんの言葉、菅さんも、最強の同志の伸子さんも気に入っているようですから、まあ大丈夫かなと思いました。

これと同じような言葉に「志士は溝壑(こうがく)にあるを忘れず」という言葉があります。これも昔、小泉さんが演説で使った言葉ですが、「孟子」にある孔子の言葉だそうで、日本では吉田松陰が流行らせた言葉ですから、長州好きの菅さんも当然知っている言葉です。

漢語で読むと何となく格好いい言葉ですが、その意味は感じとして、何か事を起こそうとしても全くうまく行かず、空腹でお金もなく切羽詰って食い逃げをしようとしたら店員や客に捕まってボコボコにされ、どぶに放り込まれて顔を上げる力もなくそのまま溺れ死ぬ、というような、何ともみっともない格好悪い死に方をする。志士になるにはそんな覚悟が必要だ、という位の意味だと思います。
「潔く良く身を引く」などという甘っちょろい話ではありません。
国会議員の先生方、幕末維新の志士が好きな人も多いのですが、自分も他人もこんなみっともない生き方をするのは嫌なようですね。

自分の信念を貫き通し、国民からは人非人・非国民・売国奴・アホ・バカ・マヌケ・オタンコナスと言われ、石を投げつけられるようになってもあくまで身を引くなどと言わず、地位にしがみついてやるべき事をやるという何とも悲惨な生き方です。

インタビュー記事にはもう一つ、お坊さんの玄侑宗久さんの「成り行きを決然と生きる」という言葉も紹介されていました。「現在、菅家の座右の銘」だそうです。これもなかなか良い言葉ですね。マスコミでは場当たり的で、その場しのぎで、と悪口を言われますけど。

で、菅さん、やめないでがんばり続けてくれるかなと、少し安心です。

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