Archive for 5月, 2018

『新聞の嘘を見抜く』 徳山喜雄 -(3)

金曜日, 5月 18th, 2018

この本を読みコメントを始めた時は、もう少しのんびり・じっくりコメントしようと思っていたのですが、その後事態の進展は想定以上のスピードで、もはやこれ以上のコメントは不要と思われるので、今回のコメントで終了とします。

その間新聞のファイクニュースはどんどん多くなり、また質的にもかなりひどくなり、従来のようにファイクニュースかどうか見分ける必要もなくなり、あからさまなファイクニュースあるいは願望ニュースを何の工夫もなく書き上げ、あとはそれをできるだけ広範囲にばらまくという戦略をメディアが採用することになったため、メディアのニュースは原則ファイクニュースだと考える所からスタートした方が手っ取り早いということになってしまいました。

もはやどのようにフェイクニュースをフェイクじゃなく見せるかなどという努力や工夫は消え去ってしまい、単に『大声で広範囲にばらまいて数の力で勝負』ということでは何の面白みもありません。

皮肉なことにこの本の最後の章のタイトルが『新聞はもう終わったメディアなのか』となっているんですが、たった半年で『なのか』が消え、『新聞はもう終わったメディア』になってしまったようです。

さてこのように終わってしまったメディアですが、いつの日かまた復活する日は来るのでしょうか。

ゆっくり気長に、その日の来るのを待ちたいと思います。

『ダ・ヴィンチ・コード』 ダン・ブラウン

金曜日, 5月 18th, 2018

図書館のお勧めの本コーナーでこの本をみつけました。
何年か前大騒ぎになった本です。あまりの大騒ぎに私は本も映画も見ていません。

えらく分厚い本だなと思って手にとってみると『ビジュアル愛蔵版』とあり、本に出て来る美術品・建物・場所・シンボルその他を写真等でできるだけ全て挿入しているということで、600頁を超える単行本ですが、カラー写真がたくさん入っているので楽しそうで、読んでみようかと思いました。

非常に面白い本で、全体600頁のうち570頁までが、ある晩の夜10時から翌日の昼頃までにあてられています。その間主人公は殺人の犯人と疑われパリを逃げ回り、ロンドンに逃げ、ロンドンでも逃げ回りながら謎解きをします。

いくつかの殺人が行われるのですが、その直接の犯人は最初から姿を現しますが、その黒幕の本当の犯人は、本の真ん中くらいでようやく主人公の友人として主人公を助ける切り札の立場で登場し、それが実は本当の犯人だ、ということが分かるのが540頁、全体の9割が過ぎた所だというのもなかなかの構成です。

本の中味にはキリスト教にかかわる様々な異端・異説・伝説・秘密結社・修道会・十字軍・レオナルド・ダヴィンチ、ニュートンその他がぎっしり詰まっていて、キリスト教のそのような話に興味がある人にはたまらなく興味深く読めます。600ページの大冊がハラハラドキドキしながら一気に読めてしまい、久しぶりに読み終わった直後に2度読みしてしまいました。

極上のエンタテインメント・ノベルです。
まだ読んでいない人は読んでみてはいかがでしょう。