Archive for 3月, 2011

悪者探しはまだ早い

木曜日, 3月 31st, 2011

3.11から3週間。救援のための体制作りは旧ピッチで進んでますね。で、気分的に余裕が出てきたんでしょうか、悪者探しが賑やかになってきました。

こうなったのは誰が悪いとか、こんな時にあいつは何をやってんだとか、まあ誰かを悪者にして悪口を言っていればそれで安心できるということでしょうが、まだちょっと早いんじゃないでしょうか。

事態はかなり良くなっているとはいえ、まだ落着いているわけではありません。今はまだ悪者探しより、事態の改善の方を最優先しなきゃならない時期ですし、そのためにちょっとでも障害になる可能性のある悪者探しはもう少し後にしたらどうでしょう。

何も今慌てて悪口を言わなくても誰も逃げられないですし、もう少し状況が落着いてきたら、不正確な情報で間違って誰かの悪口を言うことも防げるかも知れません。

震災後、徹底して音無しの構えだった小沢さんがようやく声を出し、民主党執行部の悪口を言い始めたようです。それだけ状況が落着いてきたという証拠でしょうか。

キャンペーン

火曜日, 3月 29th, 2011

地震・津波と原発の事故で、かなりの風評被害で被災地産の農産物・魚介類がまるで売れなくなっているようです。
マスコミでも流通業者(スーパーなど)でも良いんですが、「頑張れ被災地キャンペーン」と銘打って、被災地の岩手・宮城・福島・茨城産の農産物・魚介類の売り出しキャンペーンでもやってくれないもんでしょうか。

多少放射能が入っていても身体に影響がないということですから、買って食べてくれる人もかなりいるんじゃないかと思うんですが、今はちょっとでも放射能の可能性があるだけで絶対食べたくないという人がいて、その人達のために流通がストップして誰も食べられないということになってしまっているようです。

もちろん嫌な人は食べなくて良いんですから、気にしない人だけでも食べられるようにならないでしょうか。
そうすれば多少とも被災地の人は現金収入を見込むことができ、元気を取り戻すきっかけにできるんじゃないでしょうか。

私みたいに何もできずテレビのニュースを見るだけの人間も、このようなキャンペーンだったら消費者として参加することができますし、ボランティアで現地に行くなどという覚悟がなくても簡単にできます。

今被災地は、今後農業を続けるにしても漁業を続けるにしても、本当に売れるのかというのが一番の心配でしょうから、できるだけ早く「買い手がいるんだ」ということを目に見えるようにすることが大事じゃないでしょうか。

他人任せのアイデアですが、マスコミでも流通業者でも取上げてくれると嬉しいです。

クラウド

火曜日, 3月 29th, 2011

今回の津波で市町村の行政機能が大きなダメージを受け、その広報のためにツイッターが活用されているというニュースがあります。
確かにこれであればパソコンでも携帯でも役所からの連絡事項を確認することができます。これを動かすシステムも特別なものはなく、インターネットに接続できればそれだけでOKということです。

ツイッターというのも、運営会社が具体的にどのようにシステムを構成しているのかわかりませんが、使う側からするとこれもクラウドサービスの一種といえそうです。

保険会社のシステムは基本的に自社内でシステムを構築し、その一部の機能にクラウドサービスを利用しているというのが一般的ですが、私の知合いの少額短期保険業者では、システムの全体をクラウドサービスを利用して作っています。

「セキュリティなんかは大丈夫?」と聞いたところ、「自分の所のような小さな会社で自前でシステムを持つよりクラウドの方がよっぽどセキュリティはしっかりしているんじゃないか」という返事でした。

今回の津波などを考えると、確かにその通りかも知れません。システムがクラウドになっていれば、インターネットにつながるパソコンとパスワードさえ覚えていれば、オフィスが全滅になっても業務を続けることができるということです。

今回の災害を契機に、クラウドが一気に広がるかも知れません。

菅さん

火曜日, 3月 29th, 2011

今朝の日経新聞のトヨタの記事、「我が意を得たり」の感がしました。

———————————–
生産、調達、販売、人事、総務――。各部門が即座に対策チームを設置した。「御前会議はいらない」。豊田は全チームに厳命した。経営陣が決めてから現場に指示する上意下達では状況変化に対応できない。社長や幹部の耳に情報を入れるのはひとまず後回し。調達を担当する専務の伊原保守(59)は「現地に行き、現実を目の当たりにした従業員に判断させた方が早い」と腹を決めた。
————————————

これです。福島の原発でも、菅さんは東電からの報告がないなんて気にしなくても良いんです。「テレビで報道されて初めて知る」で十分です。『首相や官僚の耳に情報を入れるのはひとまず後回し』でいいんです。現地の担当者に任せておけば良いんです。

「首相の顔が見えない」なんて言われても気にしないで、何か聞かれたら「現場に優秀な人がたくさんいるから、任せている」と答えれば良いだけです。

ロクでもないマスコミや評論家に惑わされず、ブレないで、イラつかないで、じっとしていて下さい。

原発

火曜日, 3月 22nd, 2011

福島の原発、ようやく電気が通じて中央制御室の映像などが出てきました。

ということは、今までは電気がなく、真っ暗だったということでしょう。いろんな計器類もほとんど電気を使っていたんでしょうから、今までは何の計器もなしで管理していたということでしょうね。

今まで格納容器の圧力が上がったとか、燃料棒が水面から何センチ頭を出しているとか、冷却水の温度が何度になったとか、これはどうやって計ったんでしょうね。
電気なしで計ることができる器械だったということでしょうか。それを懐中電灯かなんかを持って、すぐ近くまで直接見に行っていたということでしょうか。大変なことですね。

電気が通じて大分落着いてきたようですが、まだ時々煙が上がってアタフタしているようです(アタフタしているのはマスコミとそれに躍らされる人達だけで、現場は落着いているようです)。

NHKのニュースでは遠くからの原発の映像が出る時、いちいち「30km以上離れた所から撮影しています」などと書かれているのも、不必要な不安をあおりたてているような気がします。別に30km以内に入ると危険ということではないんですから、もっと正々堂々近くから撮影すればよいのにと思うのですが。

その一方で、あまりにも放射能に対する不安感が高まってしまったので、ここにきてようやく「そんなに心配しなくても大丈夫」なんて報道もしています。
30kmまでの屋内退避にしても、20kmまでの避難指示にしても、「あくまで予防的な措置だから今すぐ危険ということではない」とはっきり言えば良いのに、なぜ言わないんでしょうね。

カダフィのリビア

金曜日, 3月 18th, 2011

地震対応も大分落着いてきましたね。
大停電になるかも知れないからという、昨日(3月17日)の電車の本数をさらに減らすという急な話も、それほど大きな混乱もなかったようですし、計画停電にも皆慣れてきているようです。

原発もヘリコプターや放水車が活躍し、今日は電気も通じるようになるということですから、あともう一息、というところでしょうか。

地震前はNHKのBSの海外ニュースなどを見てリビアの情勢を見ていたのですが、大地震以降ニュースも地震関係一色になってしまい、また海外ニュースがあっても福島の原発の方が気になって、見る気になりませんでした。

その間リビアではカダフィ政権の側が反転攻勢で、反政府軍は敗北間近になってしまっているようです。
反政府側が勝てば「カダフィ、出て行け」ですが、カダフィが勝つと反政府側は反乱者として処刑されることになります。非常にアンバランス・不公平なんですが、そういうことです。

何とかならないかなと思っていたら、ようやく国連の安保理が飛行停止を決めたようです。これは要するに国連軍がリビア軍と戦争すると、ようやく決心したということです。とはいえ、リビア軍を負かす戦争をするということではないので、リビアの内戦はさらに長続きすることになります。また、リビアとの戦争に、どの国が兵を出すか、というのも不明です。

地震も落着いたので、またリビア情勢も見ていきたいと思います。

国債の格付け

金曜日, 3月 18th, 2011

大地震で大きな被害を受け、復興費用のために日本は多額の出費を必要としています。その資金源は税金と借金ですから、今まで以上の国債の増発は避けられません。
そうなると普通は国債の格付けが下がるのですが、S&PもMoody’sも何も言わないようですね。

事業会社や金融機関の格付けに対する影響はあまりないという位ですが、肝腎の国債の格付けについては触れていないようです。

今この決算の直前に格付けが下がってしまうと金融機関の決算がさらに大変になってしまうので、4月になるのを待っているんでしょうか。それとも震災の復興需要で日本の景気が一気に良くなって、税収がたくさん期待できると思っているんでしょうか。

すさまじい円高

木曜日, 3月 17th, 2011

すさまじい円高ですね。あっという間に1ドル76円まで円高になってしまったということです。

普通は災害でダメージを受けた国の通貨は安くなるんですが、これが逆に高くなるというのは、世界のマーケットは日本の経済力について何の心配もしていないということの表れでしょう。

この円高の理由についてニュースでは、震災の対応でお金が要るから海外の資産を円に換えようとして日本企業が円を買っているからだなんて解説していましたが、これもおかしな話です。

何か必要なものを買うんだったら、日本で調達するんだったらお金は日本の中を回るだけだし、むしろ海外から物を買うために外貨の方が必要ですから、外貨を円に換える理由にはなりません。保険会社が保険金を払うためというのもまだまだ先の話ですし、国内ではお金が余っているのにさらに日銀が山ほど資金をマーケットに放出していて、お金が足りないという状況ではありません。

多分投機マネーが荒稼ぎを狙ってのことでしょうが、金融機関の3月末決算はなおさら大変になりましたね。株価が大幅に下がってしまい、その上円高で外貨建の資産が目減りして、まあ仮に大きな赤字が出たとしても大地震のためという言い訳がはっきりしているので、自己資本比率やソルベンシーマージン比率が極端に小さくなるのでなければ、そんなに心配しなくても良いかもしれません。

素晴らしい震災対応

木曜日, 3月 17th, 2011

日本の震災対応、素晴らしいですね。

我々がボーゼンとしてテレビの画面にクギ付けになっている間に、いつの間にかもう道路も通し、港も使えるようにしてしまい、空港も飛行機が飛べるようにしてしまったということです。
それも繰り返される余震と津波警報のさ中に、被害者の救出活動と同時並行にやってしまったのですから、考えてみればまだ大地震からまだ1週間もたっていないんですからものすごいスピードです。

各地の被災地・避難所から、あれがないこれがないと悲鳴が聞こえますが、この段階でもう被災地・避難所とこのようなコミュニケーションが可能だということ自体が素晴らしい対応です。道路も港も空港も使えるようになれば、物資を届けるのももうちょっとでしょう。

心配なのは福島の原子力発電所ですが、これの対応も素晴らしいですね。テレビの画面では当初いくつもの建物が整然と建ち並んでいたので気が付かなかったんですが、実はこの原発も地震とかなりの津波で大きな被害を受けていたようですね。その被害の状況を確認する前に次々に事故が発生してしまったので、状況がはっきりわからないまま対応しなければならないということのようです。

原発の近くで見張っているということができないので様々の計器を使っているんでしょうが、それがきちんと機能しているのかどうか、機能しているとしても当初設置した場所でそのまま機能しているのかどうかわからないまま、手探りしている状況のようです。
地震でいろんな配管がずれたりはずれたりしているようですし、津波でいろんな周辺の装置も流されたり傷ついたりしているようです。こんな状況では、何か対応策を実施してみて、その結果を見ながら状況を推測していくしかないでしょう。

バルブを開けるのに時間がかかったり、開けたバルブがいつの間にか閉じてしまったりというのも、このように考えると問題の難しさを示しているんであって、東電の不手際、ということではなさそうです。

そうだとすると、今までの対応、本当に素晴らしいと思います。日本の技術者の力量と誠意を見せ付けられる思いです。一日も早く、多少でも落着いて休めるようになると良いですね。

わからない

水曜日, 3月 16th, 2011

大地震の余波で大混乱が続いていますね。特に福島の原発については次から次へ不具合が発生、事故が発生して対応に苦慮しているようです。

できるだけ早く正確に事態を説明しようと、東電も原子力安全・保安院も国も頻繁に記者会見を開いていますが、それも不安を嵩じさせる結果になってしまっているようですね。
技術的にもかなり難しいことをきちんと説明しようとすると、どうしても回りくどい言い方になってしまいますし、特に原発になると中がどうなっているのか、直接目で見て確かめるということができないようです。

そこで正確に報告しようと思うと「わからない」と答えるしかないことになります。私などは「わからない」という答が一番安心できるし信頼できると思うのですが、マスコミなどにとっては「わからない」という回答が一番不誠実で不真面目に思えるようです。

その結果「わからない」と答える方もそれを見越して、「わからない」と答える前になぜ「わからない」のかという状況説明をしようとして、それもできるだけ専門用語を使わないでわかりやすく説明しようとすると、それがかえってまどろっこしくて、なおさら訳がわからなくなってしまうようです。

枝野さんの発表はそこの所、余分なことを言わずに単刀直入に「わかりません」と言い切ってしまっているので、かえってわかりやすく感じられるようです。枝野さんは「詳しくは専門家に説明させます。」と言うことができるのでその分有利なのですが。そう言われると専門家としては詳しく説明しなきゃと思って、なおさら空回りしてしまっているようです。

マスコミもトコトン努力して報道しているのですが、混乱を増幅させている部分もあるようです。たとえば昨日(3月15日)、福島第一原発の周囲30Km以外の住民に対して「屋内退避」という指示が出され、その30Kmの圏内の地名が発表され、周辺では人口の大きいいわき市の一部が30Kmに入っていました。
枝野さんの記者会見ではそこの所配慮して、「ごく一部ですが、いわき市の一部」と言っていたのが、直後のニュースではすでに単に「いわき市」となっていて、いわき市の全体が対象になったかのようです。

また同じく昨日(3月15日)、福島第一原発の4号機の建物で火災が発生したという報告があったのですが、その報告を聞いていたNHKの解説者はその場でもうすでに「爆発」と説明していました。我々が聞いた報告の他に特段の情報もないはずなのに、「火災」が瞬時に「爆発」に昇格してしまうんですから、そしてそれがNHKの解説員などというタイトルで権威ありげに報道されるんですから、テレビを見ている人は不安になりますよね。

「わからない」ことを「わからない」と報告されることが一番信頼できる誠実な報告だ、ということを皆に納得してもらえればいいんですが、この地震のさ中そんな余裕はないんでしょうか。