Archive for 11月, 2011

勝者の呪い

月曜日, 11月 28th, 2011

大阪の選挙、橋下さんのグループが市長と府知事、両方共勝ったようですね。

夜になってネットでこの勝利の見通しのニュースを見た途端、浮かんだのが「勝者の呪い」という言葉です。

この言葉は入札やオークションなどで勝った人は、勝つために、買う時は高すぎる値段を付けてしまい、また仕事の入札なんかでは安過ぎる料金で仕事を引受けてしまい、結局勝ったことによって損をしてしまう、というようなことです。
勝者の呪いといっても勝者が誰かを呪うということではなく、「勝者が呪われた存在になる」という意味です。

負けた人はその入札やオークションに参加して値付けをするための費用だけ損をするということで済みますが、買った人はたとえば勝った値段で何かを買わなければならなくて、買った後で良く見てみたらとんでもなく高値掴みをしてしまったのがわかる、とか、仕事を引受けるようなときは入札した値段ではとても間に合わず、原価割れで仕事をすることになる、というようなことです。

橋下さんグループ、ダブル選挙を仕掛けて勝ったのは良いけれど、これからが大変です。

橋下さんは大阪市長になって府知事に自分の仲間を送りこんだとはいえ、大阪府が何でも自分の思うように動いてくれるというわけでもありませんし、府知事との関係もロシアのプーチンとメドベージェフのようにいつまでも磐石という保障もありません。

いずれにしても今までの府知事がこれからは市長ですから、発言力も低下し、思うように影響力を発揮することはできないでしょう。それで八つ当たりで方々の悪口を言うと、橋下さんグループもいつまでもつかということになります。

勝者の呪いといえば、典型的なのが民主党です。
選挙に勝って政権党になることがなければ、反自民でそれなりに耳障りの良いことを言って、それなりに支持もされていたんですが、選挙に勝って政権党になってしまったことによって、今まで言っていたことが絵に描いた餅だということがはっきりしてしまい、政権を担うための人材も殆どいないということがはっきりしてしまいました。今ではもう、政権をいつになったら手放すことができるのか待ちつつ、何をやるにも自民党が何が言ってくれるのを待って丸呑みする、ということしかできなくなっているようです。

これがまさに「勝者の呪い」ですが、そのとばっちりで自民党の方も、民主党がこんなテイタラクなのにもかかわらず、未だに交替できないというミットモなさをさらけ出してしまいました。

いずれにしてもこの大阪ダブル選の勝者、呪いの実例になるのかどうか、見ていきたいと思います。

人気の記事

金曜日, 11月 25th, 2011

友人に勧められて、数日前からこのブログの「人気の記事」のランキングトップ20を表示するようにしました。右側のメニューの「最近の投稿」の下の所にあります。

面白いですね。
何とダントツのトップに「大宗を占める」というもう半年も前の記事が来ています。国語ネタで私には面白いけれど、読者にはあまり興味はもたれないかなと思っていたのですが。

これ以外にも本当に何の脈絡もなくテンデンバラバラな記事がランキング上位に上がっています。面白いですね。

ランキングを始めた当初には「ニ一天作の五」がトップになったりもしていました。これはなんと、ソロバンの話です。

こんなのを見るとなお更、何の脈絡もないテーマで書きたくなってしまいますね。一体どういうことになってしまうんでしょうか。

ジャパンプレミアム

木曜日, 11月 24th, 2011

その昔バブルがはじけた頃、「ジャパンプレミアム」という言葉が良く使われました。

銀行同士のお金の貸し借りの金利があるのですが、借主が日本の銀行の場合についてだけは通常の金利よりちょっと高い金利が適用され、その上乗せ金利のことが「ジャパンプレミアム」と言われていました。バブルがはじけ、日本の銀行が危ない、と思われていたからです。

今は、ユーロ危機のため、ヨーロッパの銀行が危なっかしくなって、ヨーロッパの銀行が借主になる金利が上昇し始めていて、今なら「ユーロプレミアム」とでも言うところですが、銀行間金利の基準がロンドンの金利なので、そういうわけにもいかないようです。

だからと言ってジャパンディスカウントというわけでもありません。ヨーロッパ以外は日本だけじゃないし、日本の銀行も本当の所、どこまで大丈夫なのかはっきりしませんから。

で、ちょっと懐かしい言葉を思い出したので、書いてみました。

LEDのクリスマスイルミネーション

木曜日, 11月 24th, 2011

今クリスマスに向かって、いろんな所で広場や通りのイルミネーションが始まっていますね。ひところの節電ムードはもうお終いでしょうか。

そんな事を言うと、「イルミネーションをLEDに変えたんだから、いくら照明しても電気は前より使っていない」なんて反論がありそうですが、その代わりにそのLED照明を作るのにどれだけ電気を使ったかということは念頭になさそうです。

「長期的に見ればLEDの方が安いですよ」と説明されるLED照明の値段の高さからすると、この夏の節電ムードの中でもせっせと電気を使ってLED照明を作っていたんだろうなと思います。

もちろん震災直後の計画停電中の暗い夜道よりは明るい方が嬉しいのは確かですが、広場や通りをそれ以上にイルミネーションで飾り立てる必要もないんじゃないかなと思います。

マスコミにとってはもちろん、電気やさんが大口のCMを出すお客さんですから、LEDが省エネだという宣伝には一生懸命協力しますが、この節電のさ中に、まだ使える照明器具を捨てて新しいLED照明を買わせるためにせっせと電気を使っていた、なんてことは報道しないんですね。

まあいずれにしても震災ヒステリーが消えつつあるというのは、良いことではありますが。

図書館 その2

火曜日, 11月 22nd, 2011

今私が普段利用しているのは、自宅の近くの「さいたま市立与野図書館」です。

さいたま市ができるまでは「与野市立中央図書館」で、それでも人口の割にはかなりの蔵書があったのですが、さいたま市ができてからは大宮市と浦和市が一緒になり「さいたま市立図書館」の蔵書は膨大になり、それがいつでもこの「与野図書館」で借りることができます。

さいたま市の図書館にない本は、会社の近くの「千代田区立まちかど図書館」で借ります。
ここは幼稚園と小学校と同じ建物に入っていて小学校の図書室も兼ねている図書館で、蔵書はあまり多くありません。小学校の図書室にするため、子供用の小さな机や椅子も置いてあり、昼間は主にサラリーマンの昼寝の場所にもなっています。

千代田区というのは会社はたくさんあっても住民はあまり多くないせいか、千代田区立図書館全体でも、蔵書はそれほど充実していません。その代わりこの図書館から東京中の区立図書館・市立図書館・都立図書館の本を借りることができます。

今はインターネットの検索で、あらかじめどの本がどこにあるか調べることができるので、これで大抵の本は借りて読むことができます。

最近ちょっと調べ物をしていたら「複式簿記の考古学」という論文にぶち当たりました。これが(1)から(4)まで続きものの論文なのですが、(2)から(4)は北海道の酪農学園大学の紀要に発表され、インターネットでもpdfファイルが入手できるのですが、非常に面白い論文です。

せっかくだから(1)も読もうと思ったのですが、(1)は「酪農学園大学環境システム学部論集」に発表されていて、インターネットでとることができません。かといって北海道まで行くわけにもいかず、仕方がないのでこの酪農学園大学の図書館に電話をかけてコピーでもとって送ってもらおうとした所、「近くの図書館で頼んでくれれば貸し出しますよ」と言ってくれました。そこで早速「さいたま市立与野図書館」経由でこの論集を借りることができました。

この論集に参照されていた「スンマへの径」という、これも簿記・会計の本ですが、これも読んでみたくなっていつもの検索をした所、さいたま市立図書館にも埼玉県の各市・町立図書館にも、県立図書館にもないことがわかりました。次に東京都を調べたら、区立・市立にはないけれど、都立図書館にはあることがわかりました。
そこでこれも「さいたま市立与野図書館」に頼んだところ、「別に都立図書館じゃなくても良いですよね」と念を押され、その後しばらくして本が届いたという連絡がありました。

どうも東京都立図書館は借りにくいようで、本を見たら「愛知県立図書館の蔵書」となっていました。

ちなみに「スンマ」というのは15世紀の数学の教科書なんですが、複式簿記の教科書の元祖みたいなもので、その簿記の部分が各国で翻訳・出版されて複式簿記が世界的に広まったということになっています。
この本はそのスンマの簿記の内容が出来上がるまでの中世イタリア商人の実際の簿記が、どのように進化しスンマにまとめられる内容になったか、という簿記の歴史の本です。そこで本の名前も『「スンマ」への径(みち)』となっているわけです。私にとっては本当に面白い本です。

ともかくこれで北海道の大学の図書館と愛知県の県立図書館の蔵書まで「さいたま市立与野図書館」で借りることができるんですから、これはもうほとんど日本国中から借りることができるようなものですね。

各都道府県の都道府県立・市町村立図書館の蔵書の検索、大学の図書館の蔵書の検索はインターネットでそれぞれできるようになっています。

便利な時代になったものですね。

シリアの春

水曜日, 11月 16th, 2011

今アラブの春はリビアが一応決着がついて、次の注目はシリアですが、なかなか時間がかかりそうですね。

リビアではかなり早くから「反政府軍」というのが活躍していたのですが、シリアでは今の所「力」という言葉しか目にしませんし、軍隊も「政府軍を離脱して反政府側に加わった軍人」という位の表現になっています。

そのような中、連日のデモで連日のように人が殺されているにもかかわらず、リビアの時のように欧米が軍事介入をするということにはなっていません。

欧米もユーロ危機で痛めつけられているさ中、リビアほど大量の石油を持っているわけでもないシリアに軍事介入するだけの動機もみつからずということのようです。

アラブ連盟が動き始めていて、アラブ連盟として制裁措置をとるということになったようですが、この制裁措置がどのようなもので、どれ位効果があるのかもわかりません。

アラブのイスラム諸国はヨーロッパの国々とは違って、あまり国同士の対立あるいは対抗心がないようです。

ヨーロッパではフランス革命とナポレオン戦争で「国民国家」という考え方ができ、第一次大戦の頃には「国家は国民のもの」という理念が確固たるものとして出来上がっていますが(そのため国民が団結して他の国の国民と対決するという形になり、それが今のユーロ危機に対してなかなか対応が進まない要因の一つですが)、アラブ諸国では宗教も言葉も同じような人達がたまたまいろんな国に分かれているだけなので、「国民」という考え方もヨーロッパほど確固たるものにはなっていないようです。

そんな中、しかしながら国単位で政治が行なわれるので、アラブの春も国単位で進んでいくしかないんですが、ヨーロッパの国とアラブの国というのは同じ「国」といっても意味が違うと思っていないと判断を誤りそうです。

いずれにしてもシリアの大統領に際限もなくシリア国民を殺させるわけにもいかないので、何とかしなければならないんですが、シリアの春はいつ頃になるんでしょうか。

総選挙

水曜日, 11月 9th, 2011

今度の日曜日は宮城県の選挙です。その次の日曜日は福島県の選挙です。岩手県の選挙はもうすでに9月に終わっています。

ということで、大震災の被災地で全て県単位の選挙ができるということになると、当然総選挙だってできるということになります。

一票の格差のウンヌンカンヌンの話はありますが、「そんな悠長なことを言ってる場合じゃない」ということになれば、それも「もう一回選挙をやった後で」ということになります。

今はとにかく震災対応の第三次補正予算が優先ですが、それが終わると次は選挙という話も当然出てきます。

TPPの議論も、総選挙を念頭に置いた有権者へのアピールという面もありそうです。

もちろん「第三次補正予算」の次には「来年度予算」という大物が控えていますが、予算を作ってから総選挙で政権を変えるか、総選挙で政権を変えてから予算を作るかということになると、ここはエイヤッと先に選挙をやってしまった方が結局のところスムースに行くかも知れません。

ということで、自民党の先生方はもうそのつもりで動きだしているんでしょうが、民主党の先生方はどうするんでしょう。

「勝ち目のない選挙でも頑張る」と考えるのか、「勝てない勝負はしない」と考えるのか、「何とか勝てるようにこの際看板を架け替える」と考えるんでしょうか。

TPP参加反対の会合には民主党の先生も自民党の先生も出ています。前の農林水産大臣など「民主党がTPP参加を決めたら皆で離党するぞ」なんて威勢の良いことを言ってます。

このTPP問題を軸に「政党の組換え」というのもあるかも知れませんね。勝てそうにない民主党を離れ、にもかかわらず人気の盛り上がらない自民党も捨てて、新しい看板を挙げれば多少とも新鮮さが感じられるかも知れません。

これから次第に様々な動きが表面化してくるのを見逃さないようにしなくては、ですね。

オリンパスのごたごた

火曜日, 11月 8th, 2011

オリンパスの子会社買収に関する資金の問題、面白いことになってきましたね。

当初買収にからんだアドバイザーの会社にとてつもないお金を払っていることがわかり、それがオリンパスのトップのポケットに入っていたら厄介だなとか、それを騙されて持ち逃げされたんだとしたら厄介だなと思っていたんですが、今日のニュースによると、そのお金は過去から積み重ねてきた隠し赤字の穴埋めに充てたということのようです。

もちろん赤字を隠していたというのも、その赤字を内緒で穴埋めしてしまうというのも問題ではありますが、とはいえ、いつの間にか赤字が溜まっていて今さら表に出すわけにも行かず、何とか内緒で処理してしまおうという気持はわかるような気がします。

事の解明の進展が楽しみです。

ギリシャの問題

火曜日, 11月 8th, 2011

ギリシャのパパンドレウ首相、国会で信認され、その後辞任してギリシャは連立内閣を作るということになって、マーケットは喜んでいるようですね。何とも不思議なことです。

国民投票が回避されたと言っても、その代りに総選挙をするということになりそうですし、首相がやめた後の連立内閣が何をするかもわからないのに、単に首相がやめたということで目の前が明るくなったと感じる理由がわかりません。

今まで以上の混乱が起きる可能性もありますし、国民が国会にそっぽを向くことも考えられますね。

すでに世間の注目はギリシャからイタリアの方に移ってしまっています。今後は「イタリアの問題」ということになりますが、図体がでかいだけになおさらやっかいですね。

イタリアの次のフランスの問題もそろそろニュースを賑わせつつありますし、目が離せないですね。

ユーロ危機・・・その6

木曜日, 11月 3rd, 2011

ギリシャの国民投票、ほんとに大騒ぎですね。

まず真っ青になったのがドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領です。
この大騒ぎを見るだけで、ギリシャ救済策、と言われているものが実は、メルケル首相にとってはドイツの銀行救済策であり、サルコジ大統領にとってはフランスの銀行救済策だ、ということがよくわかります。

メルケル首相とサルコジ大統領にとっては、ギリシャの民主主義なんかよりも、まずは自分の国の金融システムを守ることが大事です。
ギリシャのパパンドレウ首相にとってはよその国の金融システムよりまずは自分の国の民主主義が最優先です。

と考えれば、別に当たり前の話でしかないのですが、これが世界経済に大きな影響を与えることを考えると、それこそ『この世の終わり』みたいな気になってしまうのかもしれません。

このようにそれぞれがまず最初に自分の国のことを考える、というのは、フランス革命とナポレオンの作り上げた『国民国家』という枠組みのせいです。

メルケル首相とサルコジ大統領はG20の参加者でもないパパンドレウ首相をカンヌに呼びつけて話をしてます。パパンドレウ首相はどんなに脅されても国民投票は引っ込めません。

こんな命がけの丁々発止の対決の場に出て行って、野田さんはちゃんと話ができるのでしょうか。

まあ、自分勝手に効果の期待できない円売りの為替介入をするくらいしかできない日本政府のことは向こうも相手にしないでしょうから、せいぜい『ユーロ危機の対応策に金を出せ』と言われるくらいでしょうけれど。