Archive for 4月, 2012

真っ黒な無罪

木曜日, 4月 26th, 2012

小沢さんの裁判、えらい判決が出ちゃいましたね。

ニュースによると真っ黒な無罪ですね。
収支報告書に虚偽記載もあった、秘書からの報告も受けた、小沢さんも知っていた、けれどそれを共謀したという点と、それが犯罪だと知っていたという点、この2つについてだけ裁判では立証できてないので、有罪にできない、ということでの無罪ですから、小沢さんが裁判で証言したことなんかは皆嘘だと判定されてしまったということですね。

でも無罪は無罪ですから、小沢さんの方から控訴というわけにもいかないんでしょうね。

国会でも世論でも、裁判は裁判として「きちんと説明しろ」という意見に対して、もう「裁判中だから」という逃げは通用しませんね。だからと言って、相手の検事役の指定弁護士の方が控訴してきたら、また「裁判中」に逆戻りですから、晴れて無罪、というわけにはいきませんね。党員資格停止に逆戻り、ということになるんでしょうか?

ここまで来れば裁判の結果がどうであれ、反小沢が反小沢でなくなるなんてことはないでしょうから、小沢さんも進退窮まったという所でしょうね。無罪を振りかざしてみても、野田さん・岡田さんのコンビはびくともしないでしょうし、方々いじくり回して国会解散というのは、野田さんにとっては望む所、小沢さんにとっては最も避けたい所でしょうね。

「裁判中だから」という言い訳が使えなくなってしまった小沢さん、頼みの綱は検事役の指定弁護士さんが控訴してくれて、また「裁判中」と言えるようになることしかないのかも知れませんね。

日経の記事

木曜日, 4月 26th, 2012

4月22日の日経朝刊1面、私の家に配達してもらっている13版では
「医療介護・新エネルギー・・・・/将来有望な産業 雇用1,000万人増/経産省試算 20年、失業率0.4ポイント改善」
という見出しの記事が出ました。

経産省の産業構造審議会の資料だということで、試算の内容が紹介されています。

この記事に対してKENさんが「そんな試算はとても理解できない」としてブログを書いたので(http://d.hatena.ne.jp/rocohouse/20120423)、私が、記事の読み方がちょっと変だし、「これくらいのことは考えられないこともないんじゃない?」というコメントをしました。

それに対してKENさんから「坂本さんご自身はこの“通産省の試算”をどのように受取っているのか?」と質問を受けてしまったので、仕方なくその“試算”とやらを見ることにしました。

資料は経済産業省の産業構造審議会新産業構造部会(第6回)の配布資料のうちの資料3「就業構造の将来予測について」という資料のようです。
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shinsangyou/pdf/006_03_00.pdf (いつものことですが、これを探すのも結構手間なので、新聞社も記事にするならこれくらいのことは書いといてくれよナと思います。)

で、この資料をざっと見てみたんですが、ちょっと厳しく言うと、日経新聞の記事は「誤報」のようなものです。

この資料あるいは試算では「空洞化ケース」と「成長ケース」の2つの試算をしています。

試算にはいろんな前提が使われているんですが、「空洞化ケース」というのは、自動車の輸出が半減し、国内の新産業創出もうまくいかず逆輸入が増加するとこんな悲惨なことになりますよ、というケースです。

「成長ケース」というのは、ヘルスケア・子育て、新しいエネルギー産業、クリエイティブ産業で国内の新産業が拡大し、国内の消費が活性化し、アジア向けの輸出や対外投資が拡大し、国内の投資や消費も活性化する、というシナリオで、その時経産省が用意している政策を実現することができたらこんなステキな姿が描けますよ、というケースです。

そしてそれを実現させるために政策を実施する予算をつけてちょうだい、という、まぁ言ってみれば経産省の宣伝広告みたいな資料です。

景気が良くなって、さらにそれを後押しする予算もつければ、こんなに良いことになるというレバタラの話ですから、別にそれほど大騒ぎするほどのものじゃありません。

日経新聞の記事は「空洞化ケース」については全く無視して、「成長ケース」についてもレバタラの前提条件を無視して、その結果の「こうなる」という将来の姿だけを紹介しているんですから、ほとんど何の意味もない、誤解の種をばら撒くだけの記事になってます。

こんな記事が1面に載るんですから、日経新聞も困ったものですね。

シリアとマーケットと北朝鮮

金曜日, 4月 13th, 2012

<シリア> 
シリア情勢、不安定な停戦が始まったようですね。いつまでもつんでしょうか。

でも直前の政府軍の攻撃で、シリア軍がトルコとの国境を越えて難民キャンプを砲撃してしまったようですね。

国境を越えて他国の領土を攻撃するというのは、もうこれは戦争です。

トルコというのは、戦争は嫌いじゃない国のようですが、これは今後アサド政権にとっては厄介な話になりそうですね。

でもまあこの停戦の影響でアサド政権が倒れてしまえば、どっちでも良いことではありますが。

<マーケット>
3月末はかなりの円安・株高で終わって、とりあえず金融機関の決算も何とかなったということでしょうか。

新年度に入って安心して、また元の円安・株安に戻ってますね。ユーロの状況もまだまだ安心できそうもありません。

やはりここは景気づけに、解散・総選挙でもやる時期じゃないでしょうか。

自民党のマニフェストもまとまりつつあるようですし・・・。

<北朝鮮>
ミサイルの発射が失敗して、これで一段落ですね。

なかなか絵が出てこないということは、やはりミサイル発射場は事前に報道陣に見せるだけで、実際の発射の所は誰にも見せないんですね。

ここの所連日北朝鮮関係のニュースが続いていますが、私が気になっているのは食料の配給の話が全く出て来ないということです。

ミサイルがうまく行っていたら、しばし空腹も忘れられたかも知れませんが、ミサイル失敗は空腹に響くでしょうね。

仕方なしに北朝鮮は核実験を急ぐんでしょうか。

格差

月曜日, 4月 9th, 2012

慶應大学に権丈(けんじょう)先生という、知る人ぞ知る有名な先生がいます。
その先生のブログ(先生は「ホームページ」と言い張っています)(http://kenjoh.com/)は楽しみでいつも見ています。

そこからの話題なのですが・・・

しばらく前にちょっと話題になったのですが、今年の初めに内閣府経済社会総合研究所という所から、『社会保障を通じた世代別の受益と負担』という論文が出ています。
(要約と目次
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis290/e_dis281.html
本文
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis290/e_dis281.pdf

いわゆる【社会保障の世代間格差がこんなに大きい】というような趣旨の論文です。

これに対して権丈先生が座長をしている厚生労働省の『社会保障の教育推進に関する検討会』がコメントを発表しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026q7i-att/2r98520000026qbu.pdf

元々の論文が本文23ページに図表等を付けて全51ページの立派な論文なのですが、権丈先生の方の反論も『社会保障の教育推進』ということで、教育的配慮から27ページのしっかりした論文になっています。

権丈先生流に『あたるをさいわいなぎ倒し・・・』といった感じで、内閣府のペーパーをコテンパンにやっつけているので、なかなか痛快なものです。でもそれだけじゃなく、社会保障というのは一体『何』で、『どのように考えるべきか』という基本的な視点が明確に説明されていますので、少なくともこの権丈先生の方のコメントは読んでみると良いと思います。

色々な論点があるのですが内閣府のペーパーは、『世代間格差がこんなにあって問題だ』と言っているのに対して、権丈先生の方が『(内閣府の論文は)世代間格差の評価の仕方についていろいろ問題があるけれど、世代間格差があること自体は否定しない。でも、その格差があることは必ずしも不公平ということでもないし、問題だということでもない』という主旨になっています。

詳しくは直接それぞれのペーパーを見ていただくとして、ここで私は変な疑問を持ってしまいました。それは、この世代間『格差』って何だろう・・・ということです。

内閣府ペーパーでも権丈先生のペーパーでも、社会保障のための個々人の負担と受益との差が世代間で異なることを「格差」と言っているようです。

で、私が考えたのは、確かに違いがある、差異があるのはわかるけれど、それが格差なんだろうか。
たとえば死亡率であれば、性別により年齢により死亡率が異なるのははっきりしているけれど、それを『男女間の格差』とか『年齢別の格差』と言ったりはしないよな、とか、
病気勝ちの人は早死しそうだけれど、健康な人は長生きしそうだ。だけどそれを『格差』とは言わないよな、とか、
所得が多い人は所得税率が高いのに対し、所得が少ない人は所得税率も低い。だけどそれを『格差』とは言わないよな・・・ということです。

で、それじゃあ「『格差』っていうのは一体何なんだろう」というのが私の疑問です。
誰かわかっている人がいたら教えて下さい。

解散

木曜日, 4月 5th, 2012

4月になりました。
予算も決まったし、もういつでも解散・総選挙できますね。

とはいえ、自民党の中には自分達が政権を取ってから消費税を上げるのは嫌だという人たちもいるので、なかなか動きださないですね。
野田さんはもうここまで来たら、早く解散・総選挙でケリをつけたいでしょうが。そうなれば小沢さんの問題もすんなり片がつくんですが。

消費税法案に反対して小沢さんグループの人たちが役職をやめると言ってゴタゴタしていますが、野田さんにとっては余計な人達はやめてくれたほうがすっきりするでしょうね。

自民党が動き出してくれないと、野田さんの方から解散の口実探しをしなきゃならないので、面倒ですね。

小沢さんの判決が出ればどっちに転んでもいろんな人が騒ぎだすでしょうから、解散はその時でしょうか。

北朝鮮

木曜日, 4月 5th, 2012

北朝鮮の金正思氏、報道によると党の最高指導者である総書記になるようですね。

やはり実績も実力もないので、何とか肩書きだけでも権威をつけたいということで、権力の掌握がまるでできていないことを示しているように見えますね。

軍事パレードをやるとか衛星(ミサイル)を打ち上げるとか、目立ったことばかりやってますが、外国は思うように動いてくれませんね。

何とかして外国から見物人を招待しようとしても、誰も行こうとしないようですね。IAEAの査察団の招待も動いていないようですし。

いよいよニッチもサッチも行かなくなってきたような気がします。

冬の寒さは一段落ですが、北朝鮮はこれからが一番食糧事情が厳しい季節のようですから、要注意ですね。