Archive for 5月, 2011

ブログの紹介

金曜日, 5月 27th, 2011

私のブログあるいはホームページはほとんど文章ばかりで、絵や写真はほとんどないのですが、その代り写真たっぷりのブログを紹介します。

先日高校時代の友人と話をしました。新潟で大学の先生をやっているんですが、しょっちゅう上京しているみたいで、時々そのついでに夕方以降時間が取れたりすると、もう一人東京で大学の先生をやっている同じく高校時代の友人と一緒に話をする、ということになります。

よもやま話の中で、その友人の息子さんのブログを見せてもらいました。そのブログはそのまま開けっ放しにして後でじっくり見てみたのですが、何とも素晴らしい内容でした。

我々の子供の世代のブログで、その主人公の一人はその子供。我々からすると孫の世代です。我々よりはるかに若い人がこんなに落着いたしっかりしたブログを作り、その子供がしっかり育っているというのを見ると、「日本の未来は明るい」と感じました。

で、友人に無断でここに紹介します。見てみて下さい
=> hama-Blog

金融庁のお知らせ 2つ

木曜日, 5月 26th, 2011

この記事の13個前の記事
『保険会社の負債の時価評価』
に関し、2ヵ月遅れで5月24日に金融庁から報告が出ました。
=>『経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテストの結果について』

まだきちんと読んでないんですが、とりあえずまずはお知らせ。

ついでに同じくこの記事の24個前の記事
『認可特定保険業』
についても、ちょっとうっかりしていましたが、5月10日にパブコメの結果と一緒に最終版の政省令その他が出ていました。
=>『「保険業法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」の施行に伴う関係政令・主務省令案等に対するパブリックコメントの結果等について』

念のため、お知らせします。

発電と配電の分離

日曜日, 5月 22nd, 2011

最近、電力事業の再編について、発電と配電を分離する、という議論が盛んに行われているようです。
そのニュースの解説で、日本では全ての電力会社で発電と配電を一体化している、それが競争を阻害しているから日本の電気代が高いんだ、などという解説がなされています。

おかしいな、と思って確認してみましたが、やはりこれは嘘です。
かなり以前から、発電(と送電)専門で、配電をしていない電力会社があるからです。『電源開発』という会社で、各地で有名な水力発電所、火力発電所、原子力発電所その他を持っています。

戦後の電力再編の時、地域ごとの発電と配電の両方をする会社と、発電(と送電)専門の会社との体制にした、という私の記憶は間違っていませんでした。

この会社のことはどうなっているんでしょうね。

事実と思い

日曜日, 5月 22nd, 2011

福島の原発、1号機、2号機、3号機とも建屋に人が入れるようになって、事態の収拾に向かって着実に進展しつつあるようですね。

まだいろいろ問題はあるでしょうが、一度中に入れれば、その後は2度3度と入れるようになるでしょうからこれで状況は急速に改善するんでしょうね。

ところが今の状況を、事態はより深刻になっている、と思ったり言ったりしている人がかなり多い、というのは不思議なことです。別に特別の情報があるとも思えませんし、同じニュースを同じように見聞きしているだけのはずなのに、と思います。

そこで、『どうしてだろう』と考えていて、しばらく前にようやく一つの仮説にたどりつきました。仮説ですから本当かどうかは定かではありませんが、この仮説で私は十分納得してしまったので、かなり自信があります。

その仮説、というのは私と、事態が悪くなっていると思っている人(都合により、Aさん、ということにします)とで、事態の見かたがまるで違うんだ、ということです。

私の捉え方は、今までメルトダウンで建屋に入れなかったのが入れるようになったんだから、大いに進歩だ、というものですが、Aさんの方は、今までメルトダウンしていない、と言っていたのに急にメルトダウンしている、ということになったのは事態が大幅に悪化した、ということだ、ということなんでしょうね。

このメルトダウンも、震災の直後、2か月も前のことだ、ということですから、私にとっては2か月前のことが今わかったとしても、今わかった2か月前の事態から今までの事態の改善、としか考えられないのですが、Aさんにとってはそれが2か月前のことであっても、つい最近までメルトダウンしていない、と言っていたのが急にメルトダウンしている、と変わった、としか考えられないんでしょうね。

事実(と思われていること)は2か月前のメルトダウンと今の建屋への立ち入り、ですが、思いはつい最近までの『メルトダウンしていない』から急に『メルトダウンしている』への変更、ということでしょう。

私は事実を本当のことだ、と思っているんですが、Aさんなんかはその時々の思い(メルトダウンしていないと思う、とか、メルトダウンしていると思う、とか)が真実だ、と思っているんでしょうね。

テレビのニュースでも、事実の部分は東電や保安院のお役人たちが担当して、思いの部分はニュースキャスターとか評論家とかコメンテーターとかが担当しています。事故に関する東電や保安院の説明は事実の報告に終始していますから、私にとっては非常に興味があるのですが、Aさんなんかにとってはそこに何の思いも入っていないので、『何も説明していない、隠している』ということになるんでしょうね。

事態が落ち着いてきて、マスコミやら評論家やらがあーでもない、こーでもない、と意見やら推測やら提言とかを言い始めると、私にとってはそこにほとんど事実の報告がないので単に煩わしいだけなのですが、Aさんなんかにとっては山ほどの思いがそこに込められているので『今まで隠されていたことがようやく明らかになる』『どんどん悪い話が出て来て事態はどんどん悪くなっている』と、初めて安心して心配しているんでしょうね。

こうなると、私がいくら『事故の当初から、メルトダウンの可能性については東電や保安院はちゃんと言っていたよ』といっても、Aさんなんかにとっては、『メルトダウンしていない、って言ってたじゃないか』ということになって議論になりませんね。

ここまで同じニュースの受け取り方が違うものか、というのは驚くほどです。

山本七平さんの太平洋戦争の本などを読むと、戦争では、事実と事実以外の推測とか感想とかを明確に区別していた、ということです。とはいえ、生死がかかっていない軍隊の上層部のお偉方はとてもそのようには思えませんが、少なくても生きるか死ぬかの現場ではそのような訓練が実地に行われていた、というのは本当のようです。戦争が終わってもう三分の二世紀、戦争経験者もほとんどいなくなってしまうと、このような修練もなくなってしまうんでしょうね。

厄介なのは、マスコミがこの事実と事実でないことの区別がまるでできないで、ごっちゃにして報道していることと、それに対してメディアリテラシーなどといって報道の理解の仕方について偉そうに解説する人たちもそこのところの区別がちゃんとできない人が多い、ということでしょうか。

まあ、これがわかったところで、Aさんなんかに対する私の話の仕方が変わるわけではありませんが、とりあえず私の話を分かってもらえなくてもそれはこのような受け取り方の違いによるものだ、ということで、私の説明の仕方が悪いのではないか、などと余計な反省をしなくてもいいようになるだけ、楽になりますが。

誠ジーさんからのコメント

金曜日, 5月 20th, 2011

このブログはよく使われているWordpressというソフトを使っているのですが、使い始めのころ、ためしで『test』というページを作り、そのまま放置してありました。

公開はしていたんですが、ブログの画面からのリンクもないので誰も見ることがないだろうと思っていたのですが、ある日突然そのページにコメントの書き込みがありました。

それで、そのコメントに関してやり取りしたのですが、コメントを書き込んでいただいた誠ジーさんのコメントの中身がなかなかおもしろそうなので、それをそのままページの名前に拝借し、誠ジーさんのコメントとそれに関する議論を公開させていただくことにしました。

『誠ジーさんからのコメント』
見てみてください。

被災者の不公平

火曜日, 5月 17th, 2011

今回の大震災の被災者に対して、今のところまだきちんとしたお金はわたっていないようです。

これが実際にお金が渡るようになると、誰が多い、だれが少ない、と結構めんどくさい話になるんじゃないかな、と心配です。

特に、地震と津波で壊滅的な被害を受けた宮城や岩手の被災者と、原発の事故で被害を受けた福島の避難者との違いが面倒なことにならなきゃいいな、と思います。

宮城や岩手の被災者が受け取るのは、義捐金であったり援助金であったりで、だれかに助けてもらうお金ですから、震災の被害の大きさとは必ずしも比例するものではありません。

それに対して、福島の避難者の受け取るのは、原発事故に関する損害賠償金ですから、損害の額に応じて支払われることになります。

今のところ、賠償の額は青天井、ということになっていますので、理屈の上では損害を受けた分だけ賠償金を受け取れる、ということになります。

そうなると、同じ大震災と津波が原因で被害をこうむったのにもかかわらず、宮城や岩手の被災者が受け取るものと福島の避難者の受け取るものが大幅に違ってきてしまうかもしれません。

このあたり、国やいわゆる『有識者』といわれる先生たちはどう考えているんでしょうね。

どちらも国が全面的に責任を持ってさっさとお金を配ってしまえばいいんですが、今の政府は国のお金も自由に使うことができないのでぐずぐずしてるし、福島の避難者に関しては何とかして東電にまるまる負担させようとしてぐずぐずしてるし、被災地にお金が届くようになるのはいつごろなんでしょうか。

メルトダウン

火曜日, 5月 17th, 2011

福島原発のメルトダウンというニュースでみなさん大騒ぎですね。

これまでは、メルトダウン、というのは原子炉の核燃料が高熱で溶けだして、手の着けようがなくなって爆発するのを待つだけ、というような恐ろしいイメージしかなかったのですが、どうもこれもこの前のレベル7の話と同様、チェルノブイリ級のメルトダウンと、福島級の、あまり心配ないメルトダウンがあるようですね。

とりあえず今は核燃料の温度もコントロールできていて、あまり心配ないようになっているから安心して今更ながらの議論に熱中して(できて)いるんでしょうが、どうしてこんな、今更ながらの議論が大騒ぎになるんでしょうね。

原発事故の初期のころから専門家はメルトダウンの可能性を認識していた、とニュースになっていますが、別に専門家でなくてもテレビのニュースの専門家の解説で、私でも初期のころからメルトダウンの可能性を認識していたのですが、今更ながら問題にしている人たちは私が見たようなニュースを見なかったんでしょうか、専門家の解説を聞きもらしていたんでしょうか、不思議なことです。

最近ちょっと漢文の解説書を読んでいるんですが、よく出てくる例文に

知之為知之、不知為不知。是知也。
これをしるをこれをしるとなし、しらざるをしらずとなす。これしるなり。
知っていることを知っていることとして、知らないことを知らないこととする(これらの区別をつける)。これが知るということだ。

という論語の一節があります。

このように、知らないことを『知らない』と認識すること、わからないことを『わからない』と認識すること、というのはそんなに難しいことなんでしょうか。特にマスコミや政治家の先生方にとって。

福島原発事故の賠償スキーム

月曜日, 5月 16th, 2011

福島原発事故の賠償スキームというのが発表されました。
=>東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて

また、この関連の情報が
=>原子力発電所事故に関する賠償などについて
にまとまっています。

欧米のマスコミなんかだとニュースの記事にこういうリンクをちゃんとつけてくれるので、すぐに確認できるのですが、日本のマスコミは自分の言いたいことを言うだけですから、このようなリンクは自分で探さなくちゃなりません。政府の発表の場合は、関連する省庁のホームページを探しまわることになります。

で、この賠償スキームの前提として、政府は東電に書類を出させていて、
=>原子力損害賠償に係る国の支援のお願い

この中で、東電に賠償責任を認めさせています。

すなわち、東電に、『原子力損害の原因者であることを真摯に受け止め』るから、政府支援をしてもらいたい、といわせているわけです。

今回の原発事故で、東電に損害賠償責任があるかどうか、というのは非常に難しい問題ですが、仮に裁判になって東電に賠償責任があるかどうか議論になった時に、この文書で東電が賠償責任を認めてしまっていることがどのような効果をもたらすか、わかりません。かなりの効果を持つことになるでしょうね。

さらに、損害賠償の範囲について、原子力損害賠償紛争審査会は
=>「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針」

の中で『原子力損害の賠償に関する法律』の原子力損害の規定を大幅に拡大解釈して、本来的な原子力損害でない損害についても、今回の原発の事故に伴う損害を全て賠償の対象とすることとしてしまっています。

すなわち、何でもかんでも『原子力損害の賠償に関する法律』の原子力損害だ、ということにしておいて、青天井で東電に賠償責任を負わせておいて、そのうえで政府が金を出すからほかの電力会社も金を出せ、ほかの電力会社の電気を使っている人は電気料金をたくさん払え、というスキームのようです。

普通はこんな、あと出しジャンケンのルールは認められないんですが、なにしろ千年に一度の震災ですから、ルールもへったくれもないのかもしれませんね。

この、東電が出した書類の中で、国は東電に対して、すべてのステークホルダーに対して協力を求めろ、として、特に金融機関からどれだけの協力を得られるのか報告しろ、といっています。

これがその直後の枝野さんの、東電にお金を貸している金融機関は債権を放棄しろ、という発言につながるわけです。枝野さんは優秀な弁護士のようですから、法律は自分の解釈でどのようにでも変えられる、と思っているんでしょうね。

これが行政を取り仕切る官房長官の発言ですから、この弁護士さんには法治国家、なんてことは念頭にないんでしょうね。

東電の社長さんや会長さんは株主代表訴訟で素っ裸にされる覚悟はもうできているでしょうが、銀行の役員さんたちはまだそんな覚悟はしていないでしょうから、けりがつくまで大変ですね。

ビンラディンとカダフィ

水曜日, 5月 11th, 2011

アメリカがビンラディンを殺した、と発表して、びっくりしましたね。

リビアのカダフィがまだ片付いていないのに、カダフィでなくビンラディンの方だ、というのもびっくりです。

ビンラディンを殺した、といっても、死体も見せないし、殺した時の映像も公表しないんですから、これが本当なのかどうか、疑いはぬぐえません。

また、他の国で断りもなく軍事行動をして、その国が主権侵害をあまり声高に主張しない、というのもなんとなくすっきりしません。

リビアのカダフィの方もなかなか決着がつかないようです。
一時は反政府側がつぶされてしまうか、というところまで追い詰められたようですが、ヨーロッパの方も、とりあえず反政府側が勝つまでは支援を続ける、という覚悟を固めたようです。NATO軍の空爆でカダフィの息子を殺した、というニュースもありましたからもう後戻りはできないでしょう。

とはいってもNATO軍が正面切って戦争することもできないので、やはりこの戦争は長引きそうです。

ヨーロッパやアメリカにしても、反政府側が勝ってカダフィが倒されたとしても、勝った側の反政府勢力が必ずしも親欧米、というわけでもないので、むしろずるずる長引いてしまうことのほうがうれしいのかもしれませんが。

円高と国債利回り

水曜日, 5月 11th, 2011

大震災でバタバタしている間にジワリジワリと円高がかなり進んでいます。
また、国債の利回りも上昇どころか低いままで推移しています。

円高はやはりヨーロッパもアメリカもそれぞれ問題を抱えている、ということでしょうね。

ヨーロッパはリビアの問題がなかなか決着しないし、ギリシャの国債はいよいよどうしようもないところまで来つつあるようです。

アメリカもビンラディンの殺害で、不安定要素を抱えたまま、ということでしょうか。アメリカの国債の格付けが、まだ下げられてはいませんが、見通しがネガティブになった、というニュースもありました。

そうこうするうち、日本の復興需要が本格的になってくると、その経済効果を狙ってなおさら円高が進むんでしょうね。

国債も、今後増発が見まれるにもかかわらず、金利は低下したままです。国債が実際に増発されるときに向けて、ポテンシャルエネルギーを蓄えている、というところでしょうか。

ちょっと気の早い話ですが、来年3月の保険会社の決算、追加的な保険金の支払いに加えて、円高、国債の価格下落、震災に伴う企業倒産による貸し倒れ、等が一度に来ると、なかなか安心できないかもしれません。