Archive for 5月 17th, 2011

被災者の不公平

火曜日, 5月 17th, 2011

今回の大震災の被災者に対して、今のところまだきちんとしたお金はわたっていないようです。

これが実際にお金が渡るようになると、誰が多い、だれが少ない、と結構めんどくさい話になるんじゃないかな、と心配です。

特に、地震と津波で壊滅的な被害を受けた宮城や岩手の被災者と、原発の事故で被害を受けた福島の避難者との違いが面倒なことにならなきゃいいな、と思います。

宮城や岩手の被災者が受け取るのは、義捐金であったり援助金であったりで、だれかに助けてもらうお金ですから、震災の被害の大きさとは必ずしも比例するものではありません。

それに対して、福島の避難者の受け取るのは、原発事故に関する損害賠償金ですから、損害の額に応じて支払われることになります。

今のところ、賠償の額は青天井、ということになっていますので、理屈の上では損害を受けた分だけ賠償金を受け取れる、ということになります。

そうなると、同じ大震災と津波が原因で被害をこうむったのにもかかわらず、宮城や岩手の被災者が受け取るものと福島の避難者の受け取るものが大幅に違ってきてしまうかもしれません。

このあたり、国やいわゆる『有識者』といわれる先生たちはどう考えているんでしょうね。

どちらも国が全面的に責任を持ってさっさとお金を配ってしまえばいいんですが、今の政府は国のお金も自由に使うことができないのでぐずぐずしてるし、福島の避難者に関しては何とかして東電にまるまる負担させようとしてぐずぐずしてるし、被災地にお金が届くようになるのはいつごろなんでしょうか。

メルトダウン

火曜日, 5月 17th, 2011

福島原発のメルトダウンというニュースでみなさん大騒ぎですね。

これまでは、メルトダウン、というのは原子炉の核燃料が高熱で溶けだして、手の着けようがなくなって爆発するのを待つだけ、というような恐ろしいイメージしかなかったのですが、どうもこれもこの前のレベル7の話と同様、チェルノブイリ級のメルトダウンと、福島級の、あまり心配ないメルトダウンがあるようですね。

とりあえず今は核燃料の温度もコントロールできていて、あまり心配ないようになっているから安心して今更ながらの議論に熱中して(できて)いるんでしょうが、どうしてこんな、今更ながらの議論が大騒ぎになるんでしょうね。

原発事故の初期のころから専門家はメルトダウンの可能性を認識していた、とニュースになっていますが、別に専門家でなくてもテレビのニュースの専門家の解説で、私でも初期のころからメルトダウンの可能性を認識していたのですが、今更ながら問題にしている人たちは私が見たようなニュースを見なかったんでしょうか、専門家の解説を聞きもらしていたんでしょうか、不思議なことです。

最近ちょっと漢文の解説書を読んでいるんですが、よく出てくる例文に

知之為知之、不知為不知。是知也。
これをしるをこれをしるとなし、しらざるをしらずとなす。これしるなり。
知っていることを知っていることとして、知らないことを知らないこととする(これらの区別をつける)。これが知るということだ。

という論語の一節があります。

このように、知らないことを『知らない』と認識すること、わからないことを『わからない』と認識すること、というのはそんなに難しいことなんでしょうか。特にマスコミや政治家の先生方にとって。