『リス殺し』と言っても動物虐待の話ではありません。今はやりの『リスキリング』のことです。
これがリ・スキリングと書いてあれば良いのですが、リスキリングと続けて書かれてしまうとどうしても『リス殺し』という言葉が最初に頭に浮かんできて、そのあとで『じゃなくてリ・スキリングの事か』と思い至るという事です。
でこの言葉、私の若い頃は何と言っていたんだろうと思って考えてみたら、『自己啓発』という言葉にたどり着きました。
自分の知識の幅を広げ深みを増すために自己啓発に励みなさい、と言って、セミナーに参加させられたり本を読まされたりしたものです。
今回のリス殺しにしても誰が言い出したものなのか分かりませんが、これによって収入を得ているコンサルタントやセミナー屋さんがどれくらい多くいるのかと思うと、大変なものです。
こういうコンサルティング業界というのは、一つの言葉を発明し、それがうまく当たると膨大な数の人の収入源になるという性格のものです。
今更自己啓発などという古めかしいホコリのついた言葉でなく、『リスキリング』と言えば何となく格好良いし英語みたいだし、『リス殺し』というちょっと怖いようなニュアンスもあるし、ということで、なかなかのネーミングだと思います。
とまれ、もはや私はこのリス殺しを他人に強制する立場でもなく他人に強制される立場にもないので、気楽なものです。
若い人は就職した途端あるいは就職する前から、何一つ学び終わったことも仕事を覚えたこともないのにリス殺しを強制されるというのはつくづく大変だなあと思ってしまいます。