Archive for the ‘時事雑感’ Category

アメリカの引きこもり

木曜日, 11月 4th, 2010

アメリカの中間選挙、オバマさんの民主党の大敗北ということになったようですね。

民主党と共和党で主導権があっちに行ったりこっちに行ったりという分には、アメリカではいつものことですから別に気にすることでもないのですが、今回の選挙では民主党の敗北の裏に茶会党の大活躍があるというのは、ちょっと心配ですね。

アメリカというのは我こそは正義なりとして「世界の警察官」と自認し、頼まれもしないのに他の国に出張っていって自分の正義を押し付けたりもしますが、一方で他の国のことは関係ない、他人に口出しもしない代わりに他人に口出しもされたくないといって、自分の中に引きこもってしまうという性格も持っています。

第二次世界大戦も、元はと言えば第一次世界大戦のあと、アメリカがこの引きこもりになってしまったのが原因だという議論もあります。それを反省して、第二次世界大戦後はアメリカは一貫して「世界の警察官」をやっていたのですが、いい加減くたびれたので引きこもりたくなりつつあるのかも知れません。

アメリカはこの二つの面が交互に表面に出てくるのですが、茶会党はどうもその引きこもりの方を代表しているようです。茶会党は日本の民主党のように政治はまだ素人だから危なっかしいという面もありますが、そんなことより厄介なのはこの「引きこもり」の方です。

世界一の経済力・世界一の軍事力を持つ図体のでかい国が引きこもりになったりすると、まわりの国はとばっちりで本当にとんでもない目に遭うことになります。
特に日本は経済的にも軍事的にもべったり「アメリカ依存」ですから、今のうちからアメリカが引きこもりになるシナリオを想定して、準備を始めておく必要があるように思います。

もちろんお役人や政治家の先生達は考え始めているでしょうが、むしろ国民一人一人がそれぞれ考え始めても良いかも知れません。

「二重課税」の税の還付が始まった

水曜日, 10月 20th, 2010

今朝朝食を食べながらテレビのニュースを見ていたら、今日から例の、年金の二重課税問題の税の還付の手続きが始まるというニュースが流れました。

会社に来て国税庁のホームページ・財務省のホームページを見ると、ようやく具体的な手続きの案内が公表されていました。
国税庁
 相続等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱いが変更になりました

財務省
 税制ホームページ

大元の所得税法施行令の改正も、今日公布、今日施行。国税庁の通達も今日付。保険会社から年金受取人宛ての通知も今日以降発送。そんな段階でテレビニュースが流されてしまうと、かなり混乱するんじゃないかなと思います。

税の還付ですから、税理士さんに相談する人も多いでしょうが、税理士さんには税理士会か何かを通じて、あらかじめ情報が流されていたんでしょうか。今日初めて国税庁の案内や書式を見るということだと、税理士さんも混乱するでしょうね。

当然といえば当然なのですが、来年の所得税法改正ができるまでは「今回の還付の手続きは5年前(平成17年)の受取年金に関するものだったら今年の12月末までが期限です」などと説明されると、なおさらあせってしまいますよね。

とりあえず決まったようだということで、詳しい内容はこれからじっくり資料を見てみます。

ノーベル平和賞

月曜日, 10月 18th, 2010

中国の劉暁波さんのノーベル平和賞受賞、大騒ぎですね。

中国は国に対する犯罪者に対してノーベル賞をあげるのはノーベル賞の権威を汚すことだと反発していますが、いわゆる西側の論調は逆に、ノーベル平和賞を貰うような人を犯罪者として刑務所に入れておく中国がケシカランということのようです。

中国国内でこのノーベル賞のニュースを流せないようにしたり、受賞者の劉暁波さんの名前の入ったメールを送れないようにしているとか。中国のやり方に反発が広がっていますが、でも私の見方は大分違います。

ニュースを見ると支援者が集まって受賞を喜んでいる所をテレビに取材させたり、奥さんとの面会を許してノーベル賞受賞を伝えさせたり、奥さんが代理でノーベル賞を貰いに行きたいというのを報道させたり、中国もなかなかやるな・・という感じです。

とはいえ、反政府的な言動は許すわけにはいかないので刑務所に入れておくということでしょうが、以前の中国だったらこんなに生ぬるい対応は考えられないことです。中国も大分成熟してきたということでしょうか。

その昔日本で、2.26事件で殆どとばっちりのような形で北一輝が殺されたのに比べると、今の中国の方がよっぽども落着いた国じゃないでしょうか。

北朝鮮のパレード

月曜日, 10月 18th, 2010

北朝鮮の軍のパレードが放映されました。

マスコミはキム・ジョンウンが正式に実力者として放映された、とキム・ジョンイルと一緒にお立ち台に並んだところを盛んに取上げていましたが、むしろ軍事パレードをやったという方に意味があるようです。

あれだけのパレードをやるためにはかなりの費用がかかるはずですが、それにもかかわらず戦車やミサイルまで持ち込んでパレードを行い、それを世界中に放映させるため諸外国のマスコミを総動員。インターネット・国際電話自由のプレスセンターまで作って提供したということのようです。

北朝鮮は必死になって世界の注目を集め、資金提供・経済・財政・食料支援を求めているようです。6ヵ国協議がストップし、各国からの援助も止まり経済制裁もありで、かなり困っているんでしょうね。
北朝鮮はメッセージの出し方が非常にわかりにくい国ですが、問題をできるだけスムースに解決するため、メッセージの読み方は間違わないようにしないといけないですね。

小沢さん

木曜日, 10月 7th, 2010

小沢さん、いよいよ進退窮まってしまいましたね。検察審査会で起訴議決が出て、まずは民主党離党・議員辞職・国会での証人喚問等にどう対処するかがポイントになります。

小沢さんの師匠の田中角栄さん、ロッキード事件で逮捕された途端に自民党を離党しました。もちろん裁判で勝つつもりだったはずですが、逮捕される即ち起訴されることがほぼ確実になった段階で離党したわけです。
今回の小沢さんは逮捕されるということにはなりませんが、起訴されるのは決まってしまったということです。

角さんと小沢さんの違いは、角さんは離党しても自民党の田中派はびくともしない。これに対して小沢さんが離党すると民主党の小沢グループはどうなってしまうかわからないということでしょう。

角さんは反田中の自民党と強力な検察と、さらにはアメリカを相手に戦わなきゃならないので、自民党を離党して裁判に専念したというのに比べ、小沢さんは弱体の反小沢の民主党と検察抜きの弁護士さんが検事役の裁判ですから、それほど一生懸命にならなくても裁判に勝てると思っているのかも知れませんが、現実は時間との勝負ですし、裁判官も近年大幅に世論寄りになっているので、どんな結果になるかわかりません。

小室直樹さんの本

木曜日, 10月 7th, 2010

小室さんの本、読み終わりました。やはり非常に面白い本でした。
小村さんの本の特徴を思い出しました。中身は非常に緻密な事実とデータの積上げと論説的な考察が続くのですが、反面、文章は正に講談調、扇子をバチバチ叩きながら血湧き肉踊るような口調で話が進みますから、いつのまにかつりこまれてしまいます。
学者にあり勝ちのどっちつかずの曖昧な表現は見当たらず、すべて断定的な言い方で議論が進みますので読んでいても気持が良いです。
読み終わってから「本当にそうかな?」と思い返すことをしないと、本当に言いなりになってしまいそうな書きぶりです。
まだ小室さんの本を読んだことのない人がいたら、一度試してみてはいかがでしょうか。

検察2題

水曜日, 10月 6th, 2010

例の村木さんの裁判の「フロッピーを書き換えた」という主任検事の件ですが、その上司の特捜部長と副部長が逮捕され、二人が最高検と「トコトン争うつもり」のようだと面白いニュースになっていますね。

「トコトン争うつもり」ということであれば、捜査はこの二人より上には行かないということですから、最高検にとっては嬉しい話ですね。特捜部長・副部長の二人も最高検と争う格好をして、古巣の検察庁のダメージを最小限に食い止めようということでしょうか。あとはフロッピー書き換えの当事者の主任検事とその同僚の騒ぎを起こした検事さん達が、この二人より上の人の関与を言い出さなければ、この件はこの三人で打ち止めということになりそうです。

もちろん上の人の責任は免れませんが、過失だと報告され、問題ないと説明されてそれ以上「追及しなかったという責任」と、意図的に書き換えた(かも知れない)と聞かされたけど「過失で済ますことに合意した」というのでは、責任の重さが違います。

騒ぎを起こした同僚の検事さん達も、ここまで騒ぎが大きくなってしまえばもう検察に残ることはできないでしょうが、どうするんでしょうね。

主任検事の方はフロッピーの書き換えを認めてしまっているようなので、2年以下の懲役または20万円以下の罰金ということになるんでしょうが、特捜部長・副部長の方は「トコトン争う」ということになると「言った言わない」の裁判になりそうですから、どんな風に裁判が行なわれ、どんな風に判決が出るのか、興味深いですね。

いずれにしても当面は最高検とこの二人が協力して「トコトン争」ってマスコミを喜ばせてくれるんでしょうね。

もう一つ、いよいよ小沢さんの強制起訴が決まりました。これも検察不信の表れですね。
「検察が不起訴にした。起訴できないと判断したのに、弁護士が検察の代わりに起訴して勝てるのか」という議論もありますが、これは裁判をすることが目的であって、裁判に勝つことが目的じゃないと考えれば、必ずしも勝つ必要はないんですね。

日本では三権分立で司法権は裁判所が持っているという建前なんですが、現実には必ずしもそうではありません。刑事事件というのは原則検察が起訴することになっているので、検察が起訴しなければ裁判にすらなりません。尖閣諸島に紛れ込んだ船長さんも「処分保留」で終わりましたね。

検察は起訴した以上有罪にしなければならない、と考えているので、裁判で有罪にできる確信がなければ起訴しないということにしてしまいます。すなわち裁判で有罪か無罪か判断する前に、検察の方で有罪にできるかどうか判断して、有罪にできるという確信がなければ起訴しないということで裁判所の判定を待たずに無罪にしてしまいます。

裁判で有罪にできるというケースであっても勝手に「起訴猶予」ということで、明らかな犯罪に対しても無罪にしてしまうこともあります。バブルの後始末で例の中坊さんが無茶をやったとき、本人は罪を認めていたのに(認めていたから?)この起訴猶予で裁判にもならずに終わってしまって、これは不公平だなと思ったことがあります。

とはいえ、検事も弁護士も裁判官も同業者仲間ですから、どうしても助け合いをしたくなる気持もわかりますが。

でもこのような状況は、検察が司法権を侵しているということに他なりません。今回の小沢さんの起訴議決は、そのような検察の勝手な判断にまかせておかないで判断を裁判所に任せたいということですから別におかしなことはないんですが、検察が信用されていないということになります。

いずれにしても「裁判」ということになれば、小沢さん自らが出てきて質問に答えなければならないんですから、かなり高い視聴率が稼げますね。とはいえかなり長期にわたる裁判になるでしょうから、それまで一般の関心が長続きすれば・・・ということですが。

いずれにしても、もうこれで小沢さんの政治家としての活動も殆ど終わり、角さんみたいな闇将軍という道もなさそうです。とりあえずカラ元気を出して威勢の良いことを言っている小沢グループの先生方も、今後の身の振り方を考えると大変でしょうね。

外交音痴

月曜日, 10月 4th, 2010

金曜日に小室直樹さんの本をまた読んでみようかなと書いて、書いた以上早速その手配にかかりました。

普段読む本を入手するのは住んでいるさいたま市の市立図書館で、土曜日に借りに行くことになっています。さいたま市の市立図書館は全部で24箇所もあり、普段は前もって予約の手続きをして近くの与野図書館に送っておいてもらうのですが、金曜日の土曜日ということで時間的には間に合いそうもありません。与野図書館にある本を借りることにしました。

さいたま市の図書館全体だと、小室直樹さんの本は58冊(58種類 同じ本がいろんな図書館に何冊もありますので、その総冊数はこの何倍にもなります)ですが、与野図書館にあるのは8冊だけ。
このうち面白そうなのを1冊だけ予約しました。

「大東亜戦争ここに甦る-戦争と軍隊、そして国運の大研究」という本です。土曜日に借りてきて読み始めた所です。まえ書きの最後に「平成7年8月15日 戦争50年目の夏」と書いてありましたから、今から15年ほど前の本です。

まだ読み終わっていないのですが、先にあと書きをのぞいてみると、その最後に
「戦争に無知な平和主義者が結局戦争を起こすというのが「歴史の鉄則」なのである。だが外交音痴の日本人は、戦前も戦後もこの鉄則を一向にわきまえない。」
と書いてあります。

今の尖閣諸島の騒ぎを見ながら、まさにその通りだなと感じた所です。

拍手

金曜日, 10月 1st, 2010

キム・ジョンウンさんの写真、動画なるものがようやく出てきましたね。

こんな顔でこんな体格なのか・・・と思いながらテレビのニュースを見ていたのですが、動画を見てアレッ?と思ったことがありました。
このキム・ジョンウンさんではなく、同時に映っていたお父さんの方のキム・ジョンイルさんの方の拍手です。息子のキム・ジョンウンさんと言われる人と同じくらい、しっかりした拍手をしていました。

左手を支えるために何かのトリックを使っているのかなとも思いますが、そうではなく何も使わずにしっかり拍手できるくらいに身体がよくなったのかも知れません。
もしそうだとすると、これもまた北朝鮮の今後に関する波乱要因になるのかも知れません。

もちろん、単なる思い過しかも知れませんが。

小室直樹さん

金曜日, 10月 1st, 2010

小室直樹さんが亡くなったというニュースがありました。
なかなか面白い本を色々書いていたので、楽しんで読んだ覚えがあります。

経済や政治や社会問題等、幅広い分野にわたって、さらに幅広い視野に立って解説したり意見を言ったりするのですが、トコトン論理的な議論の進め方と、所々にはさまる地口(じぐち)のような強烈な洒落が面白いと思っていました。人によってはそのトコトン論理的な議論の進め方に抵抗があるかも知れません。

もともと数学専攻だったのが、興味の赴くままテリトリーを広げていった結果のようです。私も大学では数学専攻だったので、興味があったのかもしれません。

数学者、というのは人にわかるような話をするのが苦手の人が多いのですが、小室さんは論理的で説得力のある話をわかりやすく書くことのできるめずらしい数学者だったと思います。

私なんかだと興味の赴くまま「素人」としてテリトリーを広げるんですが、この人は興味の赴くまま「専門家として」テリトリーを広げ、いろんな分野で専門の学者になってしまうんですから、とんでもない人です。

またこの人の本を読み返してみようかなと思います。面白くわかりやすく書いてあるんですが、と同時にページ数の多い本が多いので、ちょっと分厚いのが面倒ですが。