‘時事雑感’ カテゴリーのアーカイブ

山内昌之 『中東複合危機から第三次世界大戦へ』

2016年12月5日 月曜日

この本は図書館で予約して何ヵ月もかかってようやく順番がきて読んだんですが、予約などせずさっさと本屋さんで買って読むべきだったなと思いました。で、読み終わって早速本屋さんで買いました。

中東複合危機というのは、イラク・シリアで進行中のISを中心とする戦争のことで、これが第三次世界大戦につながる、あるいはもうすでに第三次世界大戦が始まっているのかも知れないという現状を踏まえ、現実にどこで何が起こっており、当事者達は何をどう考えてどうしようとしているのか、をわかりやすく解説している本です。

シリアではアサド大統領の政府軍、反政府軍としてはIS・クルド人・スンニ派アラブ人・トルコ系民族等が入り乱れて互いに戦争しており、それがイラクに及んで、イラクではISに対してはシーア派政府軍、クルド人勢力、スンニ派民兵等が戦争をしているわけですが、やはり中心となるのはISです。これがどのようにできてきたか、何をしているのか、その戦争がモダン・プレモダン・ポストモダンの様々な形態での戦争が混在して進行しているという有り様を丁寧に説明しています。

その説明のためにイスラム教・ムハンマド(マホメット)についても簡単に解説していますが、これがまさに簡にして要を得ている、何とも見事なものです。

イスラム教の歴史の概略を説明して、イラクという国がどういう国か、トルコという国がどういう国か、シーア派とスンニ派とは何が違うのか等も説明しています。

その上でISが何をしていて何をしようとしているのかを説明し、その後現実にシリア・イラクで進行中の戦争について説明しています。

最初はアラブの春の一つとしてシリアで反政府運動が起こり、それに対してアサド政権が頑強に抵抗する中で、反政府運動の中からISが生まれ、それがアサド政権だけでなく、他の反政府勢力にも戦争を仕掛け、シリアの中で攻められるとイラクに移ってイラクでも反政府運動を拡大し、さらには中東にとどまらず、ヨーロッパ・アジアにも戦争を拡大しています。

シリアの戦争の実態は、アサド大統領の政府軍はもはや殆ど壊滅状態で、その代わりにイランの革命防衛隊がシリア政府軍の名前で戦争している。イラクでも政府軍の指導権はこのイランの革命防衛隊が握っている。このようなイランに対して、戦争の当事者としてトルコとロシアが乗り込んで三つ巴の戦争が進行している。トルコとロシア・ロシアとイラン・イランとトルコはある場所では対立し、ある所では協力して、このシリアとイラクの地で戦争をしているわけです。
このトルコ・イラン・ロシアが何を考えて何をしようとしてるのか、が丁寧に説明されています。

いずれの国もそれぞれの国の事情を抱え、それぞれの国の目的を達成するために権謀術数の限りを尽くしていますので、本来単純明快な日本人にはなかなか理解が難しい所を丁寧に説明してくれます。

この当事者3ヵ国に加え、周辺にはサウジアラビアを含む他のアラブ諸国とイスラエルがあり、さらにもっと遠くにEUとアメリカがある、というのが現在の構図のようです。

実は上記の当事者3ヵ国に準ずる位の位置に中国がいて、シリア・イラクには中国は出てきていませんが、むしろISの方が中国に進出しつつあり、これについてはこの本の本文では書き切れないため、ごく簡単に後書きの部分で触れています。

この本は、トルコがロシアの戦闘機を打ち落として、まだトルコとロシアの仲直りする前の時点で書かれているので、その分ちょっと状況が違っていますが、いずれにしても現在のISあるいはシリア・イラクの戦争をきちんと理解するのに格好の本です。

お勧めします。

出しゃばりのアメリカと引籠りのアメリカ

2016年11月10日 木曜日

アメリカという国は二つの顔を持っています。
『出しゃばりのアメリカ』というのは、世界の警察官という名前で世界中のあらゆる事に介入して、アメリカ流の正義を実現しようとします。

『引き籠りのアメリカ』というのは、アメリカが自分の固有のテリトリー(自分ち)だと考える南北アメリカ大陸の範囲に引き籠り、その外の事についてはアメリカの利害に関係がなければ知らん顔を決め込むというものです。

アメリカという国は、この二つの顔が交互に出てきます。

第一次大戦が始まった時は、まだ引き籠りのアメリカだったのでなかなか参戦しなかったのですが、途中から出しゃばりのアメリカになり参戦したので、かろうじてイギリス・フランスはドイツに勝つことができました。

その後第一次大戦が終わり、終戦処理をして国際連盟を作るあたりまでは出しゃばりのアメリカが主導してすべてを仕切ったのですが、国際連盟がスタートする時にはもう引き籠りのアメリカに変わっていたため、国際連盟はアメリカ抜きでやらなければならないことになりました。

その後ドイツも日本も国際連盟を抜けて国際連盟が機能しなくなり、1939年にはヨーロッパで第二次大戦が始まりました。それでもアメリカはまだ引き籠りのままでしたから、フランスはドイツに占領され、イギリスも風前の灯でした。その引き籠りのアメリカを出しゃばりのアメリカに変えたきっかけが1941年の日本軍による真珠湾攻撃です。

以来、アメリカは出しゃばりのアメリカをずっと続けていますので、第一次大戦・第二次大戦でひどい目にあったヨーロッパや日本は、アメリカがまた引き籠りになってしまわないように最大限の努力をしてきたわけです。しかしそれももう75年も続けていることになります。引き籠りのアメリカを実際に経験している人は今では殆ど生き残っていないということです。

今回トランプさんがアメリカの次期大統領に選ばれることになったのですが、選挙運動中の発言を見ていると、トランプさんはいよいよ引き籠りのアメリカを再現しようとしているようです。これはアメリカ以外の国々にとってははた迷惑以外の何物でもありません。とはいえ、独立した国と国の間で無理やり引き籠りを引っ張り出す有効な手段はないので皆困っています。昨日トランプさんの勝利で世界中が大混乱になっているというのもそういうことです。

日本でも戦後1945年以来71年にわたってアメリカ軍が駐留し、日本を防御してくれていたため、反戦平和主義の人たちが日本国内でいくら反米を叫んでもその体制はビクともせず、安心していられた訳ですが、それがトランプさんが大統領になりアメリカが引き籠りになったら、まるで違った世界になる、ということです。

いずれにしても70年以上慣れ親しんだ世界が変わるかもしれない、ということです。今まで当り前だと思っていた世界を、今まで当たり前だと思っていたことを当たり前ではないかもしれない、と一度見直してみたら面白いかも知れません。

第9条と修正第2条

2016年10月24日 月曜日

アメリカの大統領選もあと残すところ2週間、先週は3回目のテレビ討論会がありました。

そのしょっぱな、司会者がトランプ・クリントンの両候補に投げた質問が、銃規制の話でした。

それに対して、トランプもクリントンも合衆国憲法修正第2条を引き合いに出しながら意見を言っていました。

アメリカ合衆国というのは、それぞれ独立した国(States)がまとまって連邦国家(United States)を作るということでできた国ですから、その元々の憲法の規定は、その連邦国家の組織をどう作り、運営していくかということしか書いてありません。

そこで憲法ができた後、その修正を『修正条項』という形で様々な規定を盛り込み、基本的人権もそのようにして盛り込まれたものです。
その基本的人権の修正第2条として、銃の保持の自由が定められているわけです。修正第一条は、信仰の自由・言論の自由・集会の自由・請願の自由という一般的な人権の規定ですから、具体的な人権としてはこの銃の保持が最初のものです。

すなわち各個人が自由に銃を持ち自分および家族を守る、というのが基本的人権の一番目ということです。

そのためこの憲法修正第2条というのは『神聖にして犯すべからず』というもののようで、トランプさんの方はこの修正第2条は神聖にして犯すべからずなんだから銃規制などもってのほか、という議論ですし、クリントンさんの方は神聖にして犯すべからずとは言ってもそのためにアメリカ人が毎年何万人も死んでいる以上、多少の法規制は憲法違反ではない、という主張です。

この議論を聞いて、日本国憲法第9条の議論に良く似てるなと感じました。

この日本国憲法第9条の戦争放棄の規定も『神聖にして犯すべからず』の規定で、護憲派はこの条文をちょっとでも変更することは許されないと主張し、他方改憲派は『神聖にして犯すべからず』とは言え現実的に修正することは問題ない、と主張しているわけです。

それにしても日本とアメリカで、アメリカは銃を持つことによって社会の安定・国の安全が保たれると考え、日本では軍隊を持たないことによって国の安全が守られると考えていて、その二つの国が最も親密な軍事同盟を結んでいる、というのも面白い話ですね。

日本では各個人が自由に銃を持つなんてことはありませんし、それが基本的人権に反しているなんて考える人はまずいません。歴史的には豊臣秀吉の刀狩りによって武士以外から刀を取り上げ、明治政府の廃刀令で武士からも刀を取り上げ、軍人と警察官だけが刀を持つことができたのが、第二次大戦が終わり軍人がいなくなって、軍人からも刀を取り上げたということなんですが、西部劇の時代から『ライフルで家族を守るのが男の役目』というアメリカの文化とは改めてすごく違うものですね。

Excelのべき乗計算

2016年10月24日 月曜日

Excelではべき乗を^を使って、例えばAの2乗はA^2と書きます。

そこでAの2乗からBの2乗を引く計算は、
 A^2-B^2 とするのですが、諸般の都合により
 -B^2+A^2 と書いてしまいました。

すると驚いたことに、これは
 A^2-B^2 と同じ値にはならずに
 (-B)^2+A^2 と解釈されてしまうようです。

私も長年Excelを使っているのですが、これは初めて知りました。

これが分かるまでああでもないこうでもないと、かなり長い時間を費やしてしまいました。

そこで念のため記録として書いておきます。

アフラックの『給与サポート保険(就労所得保障保険)』

2016年8月4日 木曜日

ライフネット生命は株式を公開しているので、ライフネット生命の投資家向けの掲示板がネット上にあります(ライフネットのサイトとは別の、yahooのサイトです)。

投資家がどんな事を考えているのか知るためにこのサイトを見るようになり、なかなか楽しいのですが、近ごろ『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』が話題になりました。これはアフラックが『給与サポート保険(就労所得保障保険)』を発売することになり、ライフネットの商品と直接バッティングしてしまうということからです。

で、商品の優劣比較の話から、保障内容の違いの話になりました。

成り行きで私もライフネット生命①『働く人への保険(就業不能保険)』、その改良型の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』、アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』の3つについて約款を読んで、簡単にコメントしました。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』は被保険者が『就業不能状態』になり、その状態が180日を超えている場合に給付金を払います。その『就業不能状態』というのは『入院または在宅療養しており、少なくとも6ヵ月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態』と定義されています。

次にその改良型の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では被保険者が『就業不能状態』になり、その状態が支払い対象外期間を超えている場合に給付金を払います。この商品では『就業不能状態』は『入院または自宅等で在宅療養している状態』と定義されています。
ここで在宅療養については、『軽労働または座業ができる場合は在宅療養をしているとは言いません』という注がついています。

最後にアフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』では、被保険者が『就労困難状態』に該当し、それが60日継続した場合に給付金を支払います。この『就労困難状態』とは、『入院・在宅療養あるいは国民年金法に定める障害等級1級または2級を含む所定の障害状態に該当した場合』と定義しています。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』の『少なくとも6ヵ月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態』というのは、医学的見地から何をどうやって判断するんだろう、そんな診断を求められたお医者さんは困るだろうな、ライフネットは何らかのガイドラインなりマニュアルなりを用意してお医者さんに提供しているんだろうか、と思います。

ライフネット生命の次の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では、診断の内容はかなり分かりやすくなっていますが、それでも『軽作業または座業』ができるかどうか、というのはどうやって見極めるんだろう、と思ってしまいます。『できる』というのは実際にやってみれば良いので判定しやすいですが、『できない』というのはなかなか判定が難しそうだなと思います。

その点アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ではそのような判断は不要で、入院しているか自宅等で在宅療養しているか、あるいは具体的に列挙されている障害状態に該当するかどうかの確認ですから、お医者さんも気が楽です。

そこであとは働ける、あるいは働いている時でも給付金が支払われるのかどうか、ということになります。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』では明確に『いかなる職業においても全く就労ができない』となっているので、働ける、あるいは働いている場合は給付金が支払われないことは明らかです。

そこであとはライフネット生命の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』と、アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ですが、どちらも入院については例によって『治療に専念している』という条件が付いています。これを『治療に専念していれば働いていても給付対象になる』と考えることもできるし、『働いているんなら治療に専念しているとは言えないから給付対象にはならない』と考えることもできます。

自宅等での療養については、ライフネット生命の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では『軽労働または座業ができる場合は在宅療養をしているとは言いません』という注により、働ける・働いている時は給付の対象にはならないんだろうな、と思います。アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ではこれまた『治療に専念し』という文字がついているので、入院の時と同じような問題になります。

最後にアフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』の障害状態については、その障害状態に該当するかどうかだけが要件になるので、働けるか働いているかにはかかわりなく給付金は支払われることになります。

とまあ、だいだいこんなことをコメントした所、その掲示板の参加者から、これらの保険は『働けない時の保険』なんだから、働ける時・働いている時に給付金が支払われるわけがないじゃないか、という投稿がありました。

私としては約款を読むとこういう解釈になる、という話をしたのですが、その人はアフラックのコールセンターに電話して確認したんだ、と言っているので、先日アフラックのコールセンターに電話して聞いてみました。すると驚いたことにコールセンターの担当者もその人と同じように『この保険は『働けない時の保険だから、働ける時・働いている時は給付金は支払われません』という答えでした。

約款の『就労困難状態』の定義には、働けるとか働いているとかの条件は付いてませんよ、といくら言っても答えは変わりません。ちゃんと確認してくれと言うと、しばらく待たされて『確認しました』と言って、答は変わりません。

何度か繰り返し確認して分かったのは、『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態』だから働ける・働いているという状態は『就労困難状態』ではない、という話です。

『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態』ではなく、約款に列挙してある状態のことではないんですか、と言っても、答は『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態であって、約款に列挙してある状態ということだ』という答えです。

これ以上は話をしてもラチがあかないので、アフラックの商品担当の人に確認したのかと聞くと、コールセンターで受けた電話なのでコールセンターの中のこの保険に詳しい人に確認した、商品担当の人には確認しないという答。商品担当の人と話をしたいと言っても、コールセンターで受けた電話なので商品担当の人につなぐことはできないという答。商品担当の人に電話したいと言っても、コールセンターで受けた電話なので商品担当の部署の電話番号は教えられない、という回答でした。

コールセンターの担当者としては首尾一貫した見事な対応です。話がなかなか進まないで私がちょっときつい言い方をした時も、あくまで丁寧な受け答えで素晴らしい対応でした。

ということで、コールセンターのあまりの素晴らしい対応の結果、アフラックの商品部門に直接の知り合いのいない私としては、ニッチもサッチも行かなくなってしまって、仕方なくこのブログに書くことにしました。

この3つの約款は

  1. ライフネットの『働く人への保険(就業不能保険)』
    https://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_policy_201412_1000.pdf
  2. ライフネットの『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』
    http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_policy_201606_1000.pdf
  3. アフラックの『給与サポート保険(就労所得保障保険)』
    http://www.aflac.co.jp/yakkan/pdf/kyuyo_77875700.pdf

で、pdfファイルが入手できます。

興味がある人は、夏の夜の暑気払いを兼ねて気分転換にこの約款を見て、私の解釈とアフラックのコールセンターの回答のどちらが正しいか、考えてみて下さい。

もし私の解釈が正しくてアフラックのコールセンターが私に対して行ったと同じ説明をしているとすると、これは将来的に給付金不払い問題の原因となるかも知れません。

もしアフラックのコールセンターの答が正しいのだとすると、アフラックの約款の規定がちょっと不備だ、ということになるんではないか、と思います。

もしこのブログの読者の中でアフラックの商品関係の部署に知り合いのいる人がいたら、アフラックの商品部門の見解を聞いて私にお知らせ頂けると有難いです。

インターネットの世界では知り合いの知り合いの知り合いの・・・と、何段階かすると殆ど全世界の人とつながれるという話ですから、うまく行けばこのブログの記事もアフラックに到着し、何らかの納得できる説明が聞けるかも知れません。

なお、厄介なことに、最初に紹介した掲示板では参加者のうちの何人かが同様にアフラックのコールセンターに照会の電話をしていて、ある人は『働けるなら給付金は支払われない』という回答を得ており、ある人は『障害等級1級または2級で給付金が支払われる場合は、働けるかどうか、働いているかどうかに関わりなく支払われる』という回答を得ており、ある人は最初は『支払われない』という回答だったのが、本当にそうか確認してくれと言ったら『確認の結果支払われないと言ったのは間違いで、支払われます』という回答を得ている、と投稿されています。

NHKの『未解決事件 file5 ロッキード事件』

2016年7月29日 金曜日

3部構成でちょっと長かったのでビデオに撮って、ようやく見終わりました(全部で3時間15分あります)。

第1部と第2部ではドラマ仕立てで、ロッキード裁判の時の話が再現されていました。案の定、あの事件で検察側で大活躍した堀田力さんや、田中金脈で有名になった立花隆さんなどが自慢そうにコメントに登場していました。

第3部では『40年後の真実』ということで、最近分かった情報が紹介されました。

それによるとロッキード事件の5億円というのは、全日空がトライスターを導入するためのお金ではなく、自衛隊が対潜哨戒機としてP3Cを採用するためのお金だ、ということです。

この話がロッキード裁判の時に明らかになっていたら、ロッキード裁判のほとんどは吹っ飛んでいたはずです。お金の目的がまるで違っていたんですから。

堀田さん達がアメリカから得々として運んできた資料では、事前にアメリカで、P3C関係の情報は綺麗に削除されていた、ということです。

田中角栄さんは一審で有罪判決を受け、高裁は控訴棄却、その後最高裁は徹底して判決を避け、被告人が死亡することをひたすら待ち続けて判決を出すことを巧妙に回避しました。これが有罪判決をしていたら、それこそ世紀の大誤審ということになっていたはずです。

この第3部を受け堀田さんや立花さんの顔を見たいもんだ、とも思ったのですが、どちらも頭が良くて弁の立つ人ですから、適当に言いくるめて自分を正当化するコメントをするんだろうなと思い直したら、この二人のコメントが第3部に入ってなくて、聞かされることにならなくて良かったなと思いました。

リーマンペーパー

2016年6月8日 水曜日

伊勢志摩サミットで安倍さんが資料を配り、『今、世界経済はリーマンショックと同じ位の大きなリスクに直面している』と言ったということで、大騒ぎになっています。

この大騒ぎの、特に経済評論家や民進党の先生方やマスコミのコメントがあまりにもひどいので、ちょっとコメントします。

その前に、このリーマンペーパーとよばれるA4 4ページの資料、テレビでは何人もの人が手に持ってヒラヒラさせているのを見るのですが、これの出所が良くわかりません。ネットでいろいろ探してみたのですが、みつかりません。サミットの資料なので外務省の所管になるのですが、外務省に電話で問い合わせた所、資料は一般には非公開だということで断られてしまいました。

その後もうしばらくネットを探したら、ようやくIWJというサイトで画像イメージをpdfファイルの形で公開されているのを見つけました。
http://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2016/05/20160530165328.pdf

そういうわけで必ずしもこれが本物だ、という確証はないのですが、ここで偽物を公開してみてもあまり意味はなさそうなので、とりあえずこれを本物だと考えて読んでみました。なかなか面白い資料で、いろいろ考えることができます。

で、今話題になっているのは、この資料を誰が作ったのかということで大騒ぎになっているのですが、私はそんなことはあまり重要な話ではなく、重要なのはこの資料のデータは本当なのか、本当だとしてこの資料から安倍さんの言うリーマンショックなみのリスクに直面しているというのが本当なのか、ということです。

この『安倍さんの言った』というのがはっきりしません。『リーマンショックの直前に似ている』と言ったとか、『リーマンショックの前後に似ている』と言ったとか、安倍さんはそんなことを言っていないとか、いろんな話が飛び交っています。

で、資料を見る限り『直前に似てる』と言ったというのは間違いのようです。リーマンショックによっていくつかの経済指標が急落しているんですが、それと同様の急落が現在起こっているということが資料になっていますから『直前』というよりむしろ『直後』に似ているという資料です。

リーマンショックの後の経済変調がまた起きるかも知れないということ示す資料のようです。

で、これに対してサミットに参加した各国首脳が安倍さんの言うことに同意しなかったということですが、これは当然の話です。もし皆が安倍さんの言うことに『そうだ そうだ』なんて言ってしまったらそれこそそれが第2のリーマンショックの引き金を引いてしまうことになり兼ねませんから、特にドイツのメルケル首相はドイツ銀行が第2のリーマンになるかも知れないという状況で『そうだ』とは言えないでしょうし、イギリスのキャメロン首相も世界の国際金融の中心地ロンドンを抱えて、またイギリスのEU脱退という大きなリスクを抱えていて、そんなことを言えるわけがありません。

で、このような状況でマスコミやネットに出てくる話、まずは『今、世界経済はそんな危機的な状況にはない』というものです。もちろん安倍さんが言っている(と思われる)ことは、『今が経済危機だ』ということではありません。『経済危機になるかも知れない』ということです。この二つはまるで違います。たとえばバブルの最後の時経済は最高潮で、バブル崩壊は目前です。今景気が良いということと危機直前というのは別に矛盾する話でも何でもありません。

次に言われるのは、先進各国の成長率を並べておいて、日本だけ0%とかマイナスとかなのに他の国は2%とか3%とかなので、リスクがあるのは日本だけだ、という理屈です。これもおかしな話です。日本の方が成長率が低いんですからリスクもそんなに高くなく、成長率の高い他の国の方がリスクは大きいと言うべきです。

次に言われるのは、今までにそんなケースはないとか、経済学的にあり得ないとかの一見もっともらしいコメントです。これも経済学というのが基本的に後付(あとづけ)の理屈でしかない、という事実を十分認識していません。

リーマンショックがどのように起き、どのように世界経済に影響したのかは、それが起き、経済に大きなダメージを与えた後で色々分析して分かることです。

今までどんなケースがあったかとか、経済学の理論とかで事前に分かっていた話ではありません。もし事前に分かるものであれば、リーマンショックも事前に防ぐことができているはずです。

あともう一つ、危機はいつでもあるんだなどというコメントもあります。危機がいつでもある、というのは確かにその通りなんですが、それと危機のリスクが高いか高くないかは別の話です。これは地震はいつでもどこでもありうるんですが、それでも地震が起きやすいか起きなさそうかという判断は重要です。これを一緒くたにしてしまうと、それこそ地震はいつでもどこでも起こりうるんだから地震対策なんかやるだけ無駄だということになってしまいます。このような簡単なことも分からなくなってしまう経済評論家というのは困ったものです。

別に危機が起きてほしいわけではありませんが、仮に本当に危機が起きてしまったら、安倍さんはとてつもない先見性のあるリーダーだ、ともてはやされるんでしょうか。多分その時には自分にはわかっていた、とか、自分の言っていた通りになった、なんて言い出す経済評論家が山ほど出てくるんでしょうね。

とまれ、危機のネタはいたるところで大きくなっているような気がします。

マイナンバーカード、貰ってきました。

2016年5月30日 月曜日

マイナンバーカード、貰ってきました。

通知では朝9時から、となっていたんですが、市役所は8時半からやっているので、ダメもとで8時半チョットすぎに市役所に行ったらもう交付の手続きもやっていて、待ち時間なしで9時前には貰うことができました。

手続きと言っても本人確認の書類を出して、暗証番号・パスワードの入力をするだけですから、たいして時間はかかりません。
役所の窓口のカウンターに巨大なタッチパネルが置いてあり、そこで暗証番号・パスワードを入力するのですが、数字の方はテンキーの配列なのでどうということはないのですが、アルファベットの方が、ABC順の配列になっていて、見つけるのにちょっと時間がかかってしまいました。確認のために入力を2回ずつするのですが、普段パソコンでやってるような、2回目はコピペで、という手が使えませんので、その分ちょっと手間でした。

身分証明書の方は10年有効、電子証明書の方は5年間有効、ということなんですが、同じカードで有効期間が違う、というのも何となく変な話だな、と思いました。
で、この10年有効、5年有効ですが、よく見ると誕生日ベースになっていて、私はもうすぐ誕生日になるので、実質的に、身分証明書の方は9年とちょっと、電子証明書の方は4年とちょっとの有効期間でした。結果的に西暦の年数が5で割り切れるときに更新、ということでわかりやすい、と言えばわかりやすくなったのですが。
有効期間を長くしたい場合には誕生日の直後に交付してもらった方がいいようです。
この有効期間が切れるころに何らかの更新案内の連絡をしてもらえるのか聞いてみましたが、『決まってません』という回答でした。

で、カードは普通のクレジットカードその他と同じ大きさのカードですが、表の写真の入っている方が身分証明書になっているようです。氏名、住所、その他が印刷されています。
カードは透明のプラスチックフィルムのケースに入っているのですが、その一部にマスクが入っていてカードを取り出さないとマスクの部分が見えないようになっています。
何にマスクが入っているのかと思ったら、カードの下の方がえらく小さい文字で臓器提供の意思表示になっていて、その部分にマスクがかかっていました。
もう一つ右の上の方に小さなマスクがあったのですが、そこには性別が印刷されていました。
いつの間にか性別はマスクをかけるものになっていたようです。

マスクのかかっていない部分には、
氏名、住所、生年月日、身分証明書の有効期限、さいたま市長、電子証明書の有効期限が表示されているのですが、生年月日は昭和の年月日で、身分証明書の有効期限は西暦の年月日で印刷してあり、電子証明書の有効期限は平成の年月日が手書きされていました。
このあたりのアンバランスが楽しいですね。

裏の方は、個人番号が印刷されていて、そこにマスクが入っています。
その下に氏名と生年月日が印刷されています。
いちおう点字表示をしてもらったので、その下の部分に点字で名前が印刷されていました。名前と同じ行の右端には点字で『バン』と印刷されていて、これは何だろうと思ったのですが、これは個人番号カードだと分かるようにしてあるのかな、と思います。

左下の部分には3次元バーコードが入っているので何が書いてあるんだろうと思ってケータイで読んでみたところ、この3次元バーコードにはマイナンバーが入っていました。
即ち、目で見てすぐわかる数字表示のマイナンバーの部分はマスクで隠してありますが、パーコードの方はマスクなしですから、ケータイなりカメラなりで撮ってしまえばマイナンバーが分かってしまう、ということのようです。

で、とりあえず無事にマイナンバーカードは手に入ったので、今後これで一体何ができるようになるのか、あるいはどんな個人情報が漏えいしてしまうのか、楽しみです。

まずはこのカードをなくさないようにきちんとしまっておかなければなりませんが、そのしまい場所をちゃんと覚えていられるかどうかが問題です。
それと、暗証番号・パスワードをどうやって覚えておくかも問題です。もちろんどこかに書いておくんですが、その書いてある場所を忘れないようにするのが問題です。

マイナンバーカード

2016年5月23日 月曜日

マイナンバーカードができたようで、『取りに来い』という通知がようやく届きました。
申込みをしたのが1月の後半ですので、だいたい4ヵ月かかったことになります。

途中3月の終り頃状況を問い合わせたのですが、システム不具合でまだ当分かかりそうだ、ということでした。その後システムの不具合の原因が分かったというニュースもあったので、今ではマイナンバーカード発行の手続きもスムースにいっているのかな、と思っています。

通知は葉書1枚の表裏に小さい字でびっしりと印刷されています。老人にはちょっとつらい字の大きさです。表(葉書のあて名の書いてある方)には、どこに貰いに行ったら良いのか、交付場所の情報が印刷され、その上にシールを貼って隠しています。

裏の方には本当に本人が申請したのかどうか確認する署名欄があり、また代理人が取りに来る時のための委任状となる部分があり、さらにマイナンバーカード発行に必要な4種類の暗証番号あるいはパスワードを記入する部分があり、そこにもシールがあって隠してあります。

委任状の部分の記載に一部が黄色のマーカーでマークしてあったり、貰いに行く期限(私の場合は8月末まででした)の所が(多分)ゴム印で印字されていたりするので、この通知の発行は基本的に手作業をしているようです。

近日中に貰ってくる予定ですが、また何か新しい発見があるかも知れません。

マイナンバーカードが手に入ると、今、本人確認用に使っている運転免許証は基本的に用済みになります。今年は免許更新の年にあたるのですが、更新すべきかどうか、悩ましいことになってしまいました。

衆議院補欠選挙

2016年4月25日 月曜日

北海道と京都の衆院補欠選挙が終わりました。
京都の方は自民党の不戦敗のようなものですが、北海道は町村さんの弔い合戦で順当に自民党の候補が勝ちましたね。

この選挙戦でいわゆる野党共闘の中味が見えてきたので、ちょっとコメントします。

今回北海道で野党統一候補となった池田さんという人は、民進党の候補でも共産党の候補でもない無所属の候補で、それに民進・共産その他の党が推薦したり応援したりした、ということのようで、選挙運動も民進党・共産党がやるわけでなく独自に運動した、ということのようです。

で、今回は野党の方の候補は当選できなかったのですが、仮に当選できていたとしたらどういうことになるのか、考えてみました。

民進党にも共産党にも属さない候補ですから、議員になっても民進党に入るとか共産党に入る、ということにはならないでしょうから、仮に野党の方が勝ったとしても民進党も共産党も議員を増やすことにはならない、ということです。単に自民党の議員の数を増やさないというだけで、自分の党の議員の数を増やすことはできない、ということです。

そしてこの新人議員が民進党にも共産党にも属さないということは、国会議員としてのきちんとした教育を受ける機会がないということになります。こうなると、こういう形で当選した議員は、何とかチルドレンと言われる議員よりもっと悲惨なことになります。

何も教えられず何の活動もしないで、任期が終わるのを待って消えていってしまうという人が殆どでしょうし、そうでない人は自分の興味のあるテーマについてだけ精一杯のパフォーマンスをして、それ以外のテーマについては何もできないで終わってしまうでしょう。

次の参議院選挙に向けて野党統一候補がいくつもの選挙区で決まりつつあるようですが、その統一候補がこのような形の、どの政党の候補でもないということになると、そのような人が議員になる意味がどれくらいあるのか、と思ってしまいます。

今回の選挙が終わって気がついたのですが、このような形で野党統一候補を決めていくことによって、共産党は当選する見込みのない自党の候補を下ろすだけのことですが、民進党にとっては万が一くらいには勝てるかも知れない候補を立てずに、自党の議員を増やす努力を放棄するということを意味します。

と言うよりむしろ、この野党統一候補というのは民進党が自党の候補者を立てることができないことを隠すための運動でしかないということかも知れません。

これは選挙の責任者である枝野さんの、いかにも弁護士らしい責任逃れということになるのでしょうか。この野党協力がなければ今頃は民進党は候補者選定の遅れで大騒ぎになっていたのかもしれません。

次の参議院選挙戦、野党が勝つことは殆ど期待できませんが、仮に野党が勝っても与党にとってほとんど痛手にはなりそうにないですね。