‘時事雑感’ カテゴリーのアーカイブ

『公的年金の保険原理を考える』

2017年3月6日 月曜日

日経新聞の『経済教室』のページに、しばらく前から『やさしい経済学』の連載として標記の『公的年金の保険原理を考える』というのが掲載されています。書いているのは、大妻女子大短大の教授の玉木さん、という人です。

この連載は年金問題を論じる、いわゆるコメンテーターや専門家などでも良く分かっていない基本的な所を非常に丁寧にやさしく説明してされているので、お勧めです。

しばらく前には同じ欄に慶応大学の権丈先生が『公的年金の誤解を解く』というタイトルで連載していました。この玉木先生は、この権丈先生の連載よりさらに基礎的な仕組みについて丁寧に説明しているので、権丈先生の連載を読むための準備運動として読むのも良いかも知れません。

公的年金の仕組みを理解するための標準的な資料として、教科書になると良いですね。

アカラクシアの解散

2017年2月22日 水曜日

私が仕事をしているアカラックス株式会社という会社は、『アカラクシア』という子会社を持っていました。保険の代理店をするのに、コンサルティングの会社とは別会社にしておいた方が良いだろうということで作った有限会社ですが、委託型募集人はダメという保険業界のルールの変更に伴い、保険の代理店は廃業し、しばらく休眠状態にしておりました。

いつまでも毎年住民税の均等割7万円を払っていても仕方がないのでこの会社を整理することにしたんですが、単純に『解散・清算』するというやり方と、親会社のアカラックスに『吸収合併』されて消滅するというやり方とがあります。色々検討して『吸収合併』の方を選択し、何度か法務局や税務署・税務事務所に相談に行って、この1月1日に正式に消滅しました。

それを受けて吸収合併と消滅の法人の登記を行ない、登記のできるのを待って、消滅会社の税務申告を済ませました。法人税・事業税等はなし。住民税は均等割の7万円の半分の3万5千円を申告と同時に納付して終りなのですが、預金の利子に対する源泉所得税の還付だけが残ってしまいました。たった3円なので別に還付して貰わなくても良いようなものなんですが、変則的な取扱いもかえって面倒だろうと、法人税の申告書には還付してもらうように書いて提出しました。

で、今日その還付について『還付しました』という葉書が税務署から送られてきて、これにてアカラクシアとしての手続きは無事終了です。

あとは親会社のアカラックスの年次決算の法人税等の確定申告で、今回の吸収合併に伴う合併差損等の処理をきちんと済ませば良いだけになりました。

登記のための色々な書類を用意したり官報に公告を出したり、いろいろ手続きがありましたが約半年弱で何とか無事終了。

なかなか面白い経験ができました。

ケインズ 『一般理論』の最後の部分

2017年2月8日 水曜日

一般理論の感想文、途中で止まってしまっていますが、トランプ大統領の登場で思い出した部分があるので、コメントします。

それは、一般理論の最後の24章『一般理論の誘う社会哲学-結語的覚書』の最後の、第5節の部分です。これは時折引用されることがあるので、覚えている人も多いかも知れません。

『思想というものは、もしそれが正しいとしたら-自分の書くものが正しいと思わない著者がどこにいよう-時代を超えた力を持つ、間違いなく持つ、と私は予言する。』

『経済学者や政治哲学者の思想は、それらが正しい場合も誤っている場合も、通常考えられている以上に強力である。』

『誰の知的影響も受けていないと信じている実務家でさえ、誰かしら過去の経済学者の奴隷であるのが通例である。虚空の声を聴く権力の座の狂人も、数年前のある学者先生から(自分に見合った)狂気を抽き出している。』

『たとえば、経済学と政治哲学の分野に限って言えば、25ないし30歳を超えた人で、新しい理論の影響を受ける人は、それほどいない。だから役人や政治家、あるいは扇動家でさえも、彼らが眼前の出来事に適用する思想はおそらく最新のものではないだろう。』

『早晩、良くも悪くも危険になるのは、既得権益ではなく思想である。』

これらの言葉、トランプ政権の今後4年間、あるいはトランプさんが大統領になった後のアメリカと世界を考える時、じっくり味わいたい言葉だと思います。

トランプさんの信じている経済学、政治哲学がいったい誰の、どのようなものなのでしょう。ノーベル経済学賞の受賞者を輩出しているアメリカの経済学界は、トランプさんをうまく説得できるでしょうか。

千代田区長選の電話アンケート

2017年2月2日 木曜日

先週の日曜、会社に電話がありました。
日曜なのになんだろう、と思って電話を取ると、千代田区長選の電話アンケートでした。

私は東京都民でもないので、この選挙の有権者でないため、本来的にアンケートに答えずに電話を切るべきだったんでしょうが、たまたま暇だったので、適当に電話のボタンを押して答えてしまいました。
千代田区は住民がかなり少ないため、無作為的に電話を掛けてうまく千代田区民の個人の固定電話に掛かる、というのはなかなか大変な話で、予定の回答数をこなすのは大変なんだろうな、と思います。
1時間ほどたったところでまた同じアンケートの電話がありましたが、最初のアンケートには答えて2番目のアンケートには答えない、というのも失礼な話なので、またまた適当に電話のボタンを押して答えてしまいました。

回答の内容はホントにいい加減なものなので、選挙情勢の分析には何の影響も与えることはないと思いますが、それでもこの2回分の回答はコンピュータで集計されて報告されることになるんだろうな、と思い、不思議な気がしました。

a global Britain

2017年1月19日 木曜日

イギリスのメイ首相のEU離脱に関するスピーチが話題になっていますが、そのスピーチの映像のバックの壁紙にこの言葉が書かれています。

最初は『Great Britain』と書いてあるのかと思っていたのですが、よく見ると『a global Britain』と書いてあるようです。

ここで、冠詞が定冠詞の『the』出なく、不定冠詞の『a』となっている、というのは、『これっきゃない』ということではなく、『いろいろあるうちの、一つの』という程度の意味です。
さらに『a』は英語では定冠詞ですが、すぐ隣のフランスではアクセントがついて『à』となって、前置詞になります。その意味は『…の方へ、…に向かって、』というくらいの意味です。 すなわち、イギリスは狭いEUの枠から出て、世界のイギリスになるぞ、というくらいの意味です。

なかなかカッコいいキャッチフレーズだと思うのですが、マスコミであまり取り上げられていないようなので、ちょっとコメントしました。

山内昌之 『中東複合危機から第三次世界大戦へ』

2016年12月5日 月曜日

この本は図書館で予約して何ヵ月もかかってようやく順番がきて読んだんですが、予約などせずさっさと本屋さんで買って読むべきだったなと思いました。で、読み終わって早速本屋さんで買いました。

中東複合危機というのは、イラク・シリアで進行中のISを中心とする戦争のことで、これが第三次世界大戦につながる、あるいはもうすでに第三次世界大戦が始まっているのかも知れないという現状を踏まえ、現実にどこで何が起こっており、当事者達は何をどう考えてどうしようとしているのか、をわかりやすく解説している本です。

シリアではアサド大統領の政府軍、反政府軍としてはIS・クルド人・スンニ派アラブ人・トルコ系民族等が入り乱れて互いに戦争しており、それがイラクに及んで、イラクではISに対してはシーア派政府軍、クルド人勢力、スンニ派民兵等が戦争をしているわけですが、やはり中心となるのはISです。これがどのようにできてきたか、何をしているのか、その戦争がモダン・プレモダン・ポストモダンの様々な形態での戦争が混在して進行しているという有り様を丁寧に説明しています。

その説明のためにイスラム教・ムハンマド(マホメット)についても簡単に解説していますが、これがまさに簡にして要を得ている、何とも見事なものです。

イスラム教の歴史の概略を説明して、イラクという国がどういう国か、トルコという国がどういう国か、シーア派とスンニ派とは何が違うのか等も説明しています。

その上でISが何をしていて何をしようとしているのかを説明し、その後現実にシリア・イラクで進行中の戦争について説明しています。

最初はアラブの春の一つとしてシリアで反政府運動が起こり、それに対してアサド政権が頑強に抵抗する中で、反政府運動の中からISが生まれ、それがアサド政権だけでなく、他の反政府勢力にも戦争を仕掛け、シリアの中で攻められるとイラクに移ってイラクでも反政府運動を拡大し、さらには中東にとどまらず、ヨーロッパ・アジアにも戦争を拡大しています。

シリアの戦争の実態は、アサド大統領の政府軍はもはや殆ど壊滅状態で、その代わりにイランの革命防衛隊がシリア政府軍の名前で戦争している。イラクでも政府軍の指導権はこのイランの革命防衛隊が握っている。このようなイランに対して、戦争の当事者としてトルコとロシアが乗り込んで三つ巴の戦争が進行している。トルコとロシア・ロシアとイラン・イランとトルコはある場所では対立し、ある所では協力して、このシリアとイラクの地で戦争をしているわけです。
このトルコ・イラン・ロシアが何を考えて何をしようとしてるのか、が丁寧に説明されています。

いずれの国もそれぞれの国の事情を抱え、それぞれの国の目的を達成するために権謀術数の限りを尽くしていますので、本来単純明快な日本人にはなかなか理解が難しい所を丁寧に説明してくれます。

この当事者3ヵ国に加え、周辺にはサウジアラビアを含む他のアラブ諸国とイスラエルがあり、さらにもっと遠くにEUとアメリカがある、というのが現在の構図のようです。

実は上記の当事者3ヵ国に準ずる位の位置に中国がいて、シリア・イラクには中国は出てきていませんが、むしろISの方が中国に進出しつつあり、これについてはこの本の本文では書き切れないため、ごく簡単に後書きの部分で触れています。

この本は、トルコがロシアの戦闘機を打ち落として、まだトルコとロシアの仲直りする前の時点で書かれているので、その分ちょっと状況が違っていますが、いずれにしても現在のISあるいはシリア・イラクの戦争をきちんと理解するのに格好の本です。

お勧めします。

出しゃばりのアメリカと引籠りのアメリカ

2016年11月10日 木曜日

アメリカという国は二つの顔を持っています。
『出しゃばりのアメリカ』というのは、世界の警察官という名前で世界中のあらゆる事に介入して、アメリカ流の正義を実現しようとします。

『引き籠りのアメリカ』というのは、アメリカが自分の固有のテリトリー(自分ち)だと考える南北アメリカ大陸の範囲に引き籠り、その外の事についてはアメリカの利害に関係がなければ知らん顔を決め込むというものです。

アメリカという国は、この二つの顔が交互に出てきます。

第一次大戦が始まった時は、まだ引き籠りのアメリカだったのでなかなか参戦しなかったのですが、途中から出しゃばりのアメリカになり参戦したので、かろうじてイギリス・フランスはドイツに勝つことができました。

その後第一次大戦が終わり、終戦処理をして国際連盟を作るあたりまでは出しゃばりのアメリカが主導してすべてを仕切ったのですが、国際連盟がスタートする時にはもう引き籠りのアメリカに変わっていたため、国際連盟はアメリカ抜きでやらなければならないことになりました。

その後ドイツも日本も国際連盟を抜けて国際連盟が機能しなくなり、1939年にはヨーロッパで第二次大戦が始まりました。それでもアメリカはまだ引き籠りのままでしたから、フランスはドイツに占領され、イギリスも風前の灯でした。その引き籠りのアメリカを出しゃばりのアメリカに変えたきっかけが1941年の日本軍による真珠湾攻撃です。

以来、アメリカは出しゃばりのアメリカをずっと続けていますので、第一次大戦・第二次大戦でひどい目にあったヨーロッパや日本は、アメリカがまた引き籠りになってしまわないように最大限の努力をしてきたわけです。しかしそれももう75年も続けていることになります。引き籠りのアメリカを実際に経験している人は今では殆ど生き残っていないということです。

今回トランプさんがアメリカの次期大統領に選ばれることになったのですが、選挙運動中の発言を見ていると、トランプさんはいよいよ引き籠りのアメリカを再現しようとしているようです。これはアメリカ以外の国々にとってははた迷惑以外の何物でもありません。とはいえ、独立した国と国の間で無理やり引き籠りを引っ張り出す有効な手段はないので皆困っています。昨日トランプさんの勝利で世界中が大混乱になっているというのもそういうことです。

日本でも戦後1945年以来71年にわたってアメリカ軍が駐留し、日本を防御してくれていたため、反戦平和主義の人たちが日本国内でいくら反米を叫んでもその体制はビクともせず、安心していられた訳ですが、それがトランプさんが大統領になりアメリカが引き籠りになったら、まるで違った世界になる、ということです。

いずれにしても70年以上慣れ親しんだ世界が変わるかもしれない、ということです。今まで当り前だと思っていた世界を、今まで当たり前だと思っていたことを当たり前ではないかもしれない、と一度見直してみたら面白いかも知れません。

第9条と修正第2条

2016年10月24日 月曜日

アメリカの大統領選もあと残すところ2週間、先週は3回目のテレビ討論会がありました。

そのしょっぱな、司会者がトランプ・クリントンの両候補に投げた質問が、銃規制の話でした。

それに対して、トランプもクリントンも合衆国憲法修正第2条を引き合いに出しながら意見を言っていました。

アメリカ合衆国というのは、それぞれ独立した国(States)がまとまって連邦国家(United States)を作るということでできた国ですから、その元々の憲法の規定は、その連邦国家の組織をどう作り、運営していくかということしか書いてありません。

そこで憲法ができた後、その修正を『修正条項』という形で様々な規定を盛り込み、基本的人権もそのようにして盛り込まれたものです。
その基本的人権の修正第2条として、銃の保持の自由が定められているわけです。修正第一条は、信仰の自由・言論の自由・集会の自由・請願の自由という一般的な人権の規定ですから、具体的な人権としてはこの銃の保持が最初のものです。

すなわち各個人が自由に銃を持ち自分および家族を守る、というのが基本的人権の一番目ということです。

そのためこの憲法修正第2条というのは『神聖にして犯すべからず』というもののようで、トランプさんの方はこの修正第2条は神聖にして犯すべからずなんだから銃規制などもってのほか、という議論ですし、クリントンさんの方は神聖にして犯すべからずとは言ってもそのためにアメリカ人が毎年何万人も死んでいる以上、多少の法規制は憲法違反ではない、という主張です。

この議論を聞いて、日本国憲法第9条の議論に良く似てるなと感じました。

この日本国憲法第9条の戦争放棄の規定も『神聖にして犯すべからず』の規定で、護憲派はこの条文をちょっとでも変更することは許されないと主張し、他方改憲派は『神聖にして犯すべからず』とは言え現実的に修正することは問題ない、と主張しているわけです。

それにしても日本とアメリカで、アメリカは銃を持つことによって社会の安定・国の安全が保たれると考え、日本では軍隊を持たないことによって国の安全が守られると考えていて、その二つの国が最も親密な軍事同盟を結んでいる、というのも面白い話ですね。

日本では各個人が自由に銃を持つなんてことはありませんし、それが基本的人権に反しているなんて考える人はまずいません。歴史的には豊臣秀吉の刀狩りによって武士以外から刀を取り上げ、明治政府の廃刀令で武士からも刀を取り上げ、軍人と警察官だけが刀を持つことができたのが、第二次大戦が終わり軍人がいなくなって、軍人からも刀を取り上げたということなんですが、西部劇の時代から『ライフルで家族を守るのが男の役目』というアメリカの文化とは改めてすごく違うものですね。

Excelのべき乗計算

2016年10月24日 月曜日

Excelではべき乗を^を使って、例えばAの2乗はA^2と書きます。

そこでAの2乗からBの2乗を引く計算は、
 A^2-B^2 とするのですが、諸般の都合により
 -B^2+A^2 と書いてしまいました。

すると驚いたことに、これは
 A^2-B^2 と同じ値にはならずに
 (-B)^2+A^2 と解釈されてしまうようです。

私も長年Excelを使っているのですが、これは初めて知りました。

これが分かるまでああでもないこうでもないと、かなり長い時間を費やしてしまいました。

そこで念のため記録として書いておきます。

アフラックの『給与サポート保険(就労所得保障保険)』

2016年8月4日 木曜日

ライフネット生命は株式を公開しているので、ライフネット生命の投資家向けの掲示板がネット上にあります(ライフネットのサイトとは別の、yahooのサイトです)。

投資家がどんな事を考えているのか知るためにこのサイトを見るようになり、なかなか楽しいのですが、近ごろ『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』が話題になりました。これはアフラックが『給与サポート保険(就労所得保障保険)』を発売することになり、ライフネットの商品と直接バッティングしてしまうということからです。

で、商品の優劣比較の話から、保障内容の違いの話になりました。

成り行きで私もライフネット生命①『働く人への保険(就業不能保険)』、その改良型の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』、アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』の3つについて約款を読んで、簡単にコメントしました。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』は被保険者が『就業不能状態』になり、その状態が180日を超えている場合に給付金を払います。その『就業不能状態』というのは『入院または在宅療養しており、少なくとも6ヵ月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態』と定義されています。

次にその改良型の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では被保険者が『就業不能状態』になり、その状態が支払い対象外期間を超えている場合に給付金を払います。この商品では『就業不能状態』は『入院または自宅等で在宅療養している状態』と定義されています。
ここで在宅療養については、『軽労働または座業ができる場合は在宅療養をしているとは言いません』という注がついています。

最後にアフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』では、被保険者が『就労困難状態』に該当し、それが60日継続した場合に給付金を支払います。この『就労困難状態』とは、『入院・在宅療養あるいは国民年金法に定める障害等級1級または2級を含む所定の障害状態に該当した場合』と定義しています。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』の『少なくとも6ヵ月以上いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態』というのは、医学的見地から何をどうやって判断するんだろう、そんな診断を求められたお医者さんは困るだろうな、ライフネットは何らかのガイドラインなりマニュアルなりを用意してお医者さんに提供しているんだろうか、と思います。

ライフネット生命の次の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では、診断の内容はかなり分かりやすくなっていますが、それでも『軽作業または座業』ができるかどうか、というのはどうやって見極めるんだろう、と思ってしまいます。『できる』というのは実際にやってみれば良いので判定しやすいですが、『できない』というのはなかなか判定が難しそうだなと思います。

その点アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ではそのような判断は不要で、入院しているか自宅等で在宅療養しているか、あるいは具体的に列挙されている障害状態に該当するかどうかの確認ですから、お医者さんも気が楽です。

そこであとは働ける、あるいは働いている時でも給付金が支払われるのかどうか、ということになります。

ライフネット生命の①『働く人への保険(就業不能保険)』では明確に『いかなる職業においても全く就労ができない』となっているので、働ける、あるいは働いている場合は給付金が支払われないことは明らかです。

そこであとはライフネット生命の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』と、アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ですが、どちらも入院については例によって『治療に専念している』という条件が付いています。これを『治療に専念していれば働いていても給付対象になる』と考えることもできるし、『働いているんなら治療に専念しているとは言えないから給付対象にはならない』と考えることもできます。

自宅等での療養については、ライフネット生命の②『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』では『軽労働または座業ができる場合は在宅療養をしているとは言いません』という注により、働ける・働いている時は給付の対象にはならないんだろうな、と思います。アフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』ではこれまた『治療に専念し』という文字がついているので、入院の時と同じような問題になります。

最後にアフラックの③『給与サポート保険(就労所得保障保険)』の障害状態については、その障害状態に該当するかどうかだけが要件になるので、働けるか働いているかにはかかわりなく給付金は支払われることになります。

とまあ、だいだいこんなことをコメントした所、その掲示板の参加者から、これらの保険は『働けない時の保険』なんだから、働ける時・働いている時に給付金が支払われるわけがないじゃないか、という投稿がありました。

私としては約款を読むとこういう解釈になる、という話をしたのですが、その人はアフラックのコールセンターに電話して確認したんだ、と言っているので、先日アフラックのコールセンターに電話して聞いてみました。すると驚いたことにコールセンターの担当者もその人と同じように『この保険は『働けない時の保険だから、働ける時・働いている時は給付金は支払われません』という答えでした。

約款の『就労困難状態』の定義には、働けるとか働いているとかの条件は付いてませんよ、といくら言っても答えは変わりません。ちゃんと確認してくれと言うと、しばらく待たされて『確認しました』と言って、答は変わりません。

何度か繰り返し確認して分かったのは、『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態』だから働ける・働いているという状態は『就労困難状態』ではない、という話です。

『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態』ではなく、約款に列挙してある状態のことではないんですか、と言っても、答は『就労困難状態』というのは『就労が困難な状態であって、約款に列挙してある状態ということだ』という答えです。

これ以上は話をしてもラチがあかないので、アフラックの商品担当の人に確認したのかと聞くと、コールセンターで受けた電話なのでコールセンターの中のこの保険に詳しい人に確認した、商品担当の人には確認しないという答。商品担当の人と話をしたいと言っても、コールセンターで受けた電話なので商品担当の人につなぐことはできないという答。商品担当の人に電話したいと言っても、コールセンターで受けた電話なので商品担当の部署の電話番号は教えられない、という回答でした。

コールセンターの担当者としては首尾一貫した見事な対応です。話がなかなか進まないで私がちょっときつい言い方をした時も、あくまで丁寧な受け答えで素晴らしい対応でした。

ということで、コールセンターのあまりの素晴らしい対応の結果、アフラックの商品部門に直接の知り合いのいない私としては、ニッチもサッチも行かなくなってしまって、仕方なくこのブログに書くことにしました。

この3つの約款は

  1. ライフネットの『働く人への保険(就業不能保険)』
    https://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_policy_201412_1000.pdf
  2. ライフネットの『働く人への保険2(就業不能保険(2016))』
    http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET_policy_201606_1000.pdf
  3. アフラックの『給与サポート保険(就労所得保障保険)』
    http://www.aflac.co.jp/yakkan/pdf/kyuyo_77875700.pdf

で、pdfファイルが入手できます。

興味がある人は、夏の夜の暑気払いを兼ねて気分転換にこの約款を見て、私の解釈とアフラックのコールセンターの回答のどちらが正しいか、考えてみて下さい。

もし私の解釈が正しくてアフラックのコールセンターが私に対して行ったと同じ説明をしているとすると、これは将来的に給付金不払い問題の原因となるかも知れません。

もしアフラックのコールセンターの答が正しいのだとすると、アフラックの約款の規定がちょっと不備だ、ということになるんではないか、と思います。

もしこのブログの読者の中でアフラックの商品関係の部署に知り合いのいる人がいたら、アフラックの商品部門の見解を聞いて私にお知らせ頂けると有難いです。

インターネットの世界では知り合いの知り合いの知り合いの・・・と、何段階かすると殆ど全世界の人とつながれるという話ですから、うまく行けばこのブログの記事もアフラックに到着し、何らかの納得できる説明が聞けるかも知れません。

なお、厄介なことに、最初に紹介した掲示板では参加者のうちの何人かが同様にアフラックのコールセンターに照会の電話をしていて、ある人は『働けるなら給付金は支払われない』という回答を得ており、ある人は『障害等級1級または2級で給付金が支払われる場合は、働けるかどうか、働いているかどうかに関わりなく支払われる』という回答を得ており、ある人は最初は『支払われない』という回答だったのが、本当にそうか確認してくれと言ったら『確認の結果支払われないと言ったのは間違いで、支払われます』という回答を得ている、と投稿されています。