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大相撲の八百長問題 の問題

2011年2月4日 金曜日

大相撲の八百長問題、大変なことになってしまいましたね。
とはいえ、私が問題だと思っているのは、マスコミが大騒ぎしていることとはちょっと違いますが。

マスコミでは今まで何度も噂になってその都度否定された八百長が実際にあったということと、それによって相撲協会が存続の危機にあるというのが問題の中心のようです。
私に興味があるのは、事の経緯、どうしてこの八百長の事実がみつかったかという所です。
私の会社では日経新聞を取っているので、その記事によって整理してみます。

例の野球賭博の問題で、警察が力士の携帯電話を押収してそこに残っていたメールを調べた所、八百長を疑わせるメールがいくつもみつかったということです。そこで警察は親切にもそれを警視庁から警察庁へ、警察庁から文部科学省に報告し、文部科学省は相撲協会へその報告を渡してちゃんと調査するように指示したということのようです。
すなわち、野球賭博の捜査で押収した携帯から、野球賭博とは関係のないデータを取り出して、それを(多分)本人に断りもなく他人(警察庁やら文部科学省やら相撲協会やら)に教えてしまったということのようです。

記事にはご丁寧に、「この八百長は違法ではない」という説明まで付いていますから、要するに悪いことをしたわけでもないのに、個人の携帯の中の情報を勝手に他人に教えたということです。守秘義務も個人情報保護もへったくれもありません。そしてそれを率先してやったのが警察(警視庁)であり、警察の大元締めの警察庁であり、中央官庁であり教育を主管している(学校の先生の大元締めの)文部科学省だということです。
こんなことがまかり通るということであれば、何かの犯罪に関係して警察の捜査を受けたとしたら、携帯にしろパソコンにしろ中味を全部見られてしまって、その捜査の内容とは関係がなくても、また他の犯罪に関わることでなくても、そこで見つかったことを断りもなしに他人に見せられてしまうかも知れないということです。

これは本当にえらいこっちゃです。相撲協会がどうなるこうなる・・・なんてより、よっぽど大変です。

相撲が好きでよく見ている人にとって、勝負の中にはあれっ?と思う立合いがあるのは先刻承知だと思います。負けてあげるとか勝たせてもらうとかはあるだろうなと思いながら楽しんでいるんだと思います。
これ自体は犯罪ではないようですから、これでお金のやり取りがあったとして、関心があるのは、そのお金のやりとりに関して税金を取れるかも知れない税務署くらいなものでしょう。それでも貸し借りが全体でチャラになるようになっているんだったら、別にそれほど目くじらをたてることもないようなものですが。
相撲協会は今まで「八百長は全くない」と言い続けていたので、ちょっと困ったことになるのかも知れません。

この問題で相撲協会が公益法人でいられなくなって、解散しなくてはならなくなるなんて事も騒がれています。これもまるでわかってないな、という話です。
財団法人とか社団法人とか、いわゆる公益法人と言われる法人組織については既に「公益法人改革法」といわれる法律ができていて、遅くとも数年後には全部なくなることになっています。
これは不祥事があってもなくても変わりありません。

通常はまず一般財団法人とか一般社団法人という形に組織変更しておいて、さらに本当に公益性の高い事業をやっている所については公益性の認定を受けて公益財団法人とか公益社団法人になるということになっています。単なる財団法人とか社団法人はなくなってしまうんです。
この公益○団法人になれるのは今の公益法人のうちでもごくわずかで、殆どの公益法人は公益性の認定を受けることができず、一般○団法人にしかなれないようです。
この一般○団法人は別に公益性についての条件はありませんので、今回の八百長問題があったとしても公益性うんぬんで問題になることはありません。

これくらいのこと新聞やテレビは知らないはずはないのに、スポーツ面や社会面の記者さんは何も知らずに「相撲協会がなくなる」と大騒ぎしているのかなと思っていたら、今日になってようやく日経新聞ではそのあたりが記事になっていて、「公益性の認定を受けられなくても、一般財団法人に移行するのはそれほど難しくない・・・でも国技館は・・・」という調子になってきています。
こんな問題が起きなくても、相撲協会がやっているのは「相撲ファンの人が楽しむだけ」じゃないかと言われてしまえば、公益性の認定は受けられないかも知れないですから、いずれにしてもそんな大騒ぎするような話ではないでしょう。

でも警察の方の問題、どういうことになるんでしょうね。