原発事故に関する「民間事故調査委員会の報告書」という得体の知れないものが出てきて、マスコミは大騒ぎしていますね。
昨日のテレビニュースでは、どこの局でもニュースキャスターが嬉しそうに400ページにもなる報告書を手に持って話していました。
ニュースを見る限り、誰がどう言ったという噂話を集めた新聞や、あるいは週刊誌の記事の大型版のようです。
マスコミは先日発表された正式の事故調査委員会の報告書は読みにくくて面白くないので、こちらの報告書の方が嬉しいでしょうね。
噂話の週刊誌の記事を400ページも読んでみてもしようがないので読もうとも思わないのですが、一応はどんなスタンスで書かれているのかくらいは見ておこうと思ってその報告書を見ようと思ったのですが、なかなか見つかりません。
仕方がないので、報告書を出した「日本再建イニシアティブ」という所に問合せてみました。
『報告書を見たい』と言うと、『印刷した部数が少ないので足りていない』ということでした。『どれ位の部数印刷したのか』と聞いたら、『それは言えない』という答えでした。『現在、報告をネットにアップするなり市販するなり、検討中』という説明でした。
やはり思った通り、この報告書はマスコミと政治家に配っただけで、他の人にも見せよう等とは思っていなかったようです。マスコミや政治家はところどころ走り読みして面白そうなところをつまみ食いして使うだけですが、他の誰かにじっくり読まれたりすると困るんでしょうね。
日本のマスコミはマスコミ向けに発表すれば、それが国民に対して公表したということになると思っているようですね。まずここの所で本物の報告書とはまるで違います。
マスコミの報道を聞くと、この報告書では「誰が悪い」というようなことがたくさん書かれているようです。いかにも日本のマスコミらしい内容ですね。
念のためこの「日本再建イニシアティブ」の中味を見てみたら、案の定、理事長は元朝日新聞の人ですし、この報告書をまとめた事務局長も元朝日新聞の人です。
これは私の偏見ですが、朝日新聞というのは常に自分達が一番正しくて一番賢いという前提で他の人を次から次に悪者に仕立てて糾弾するという、まあ他のマスコミも同じようなものではありますが、それを最も得意としている新聞です。
ですから私は健康のために朝日新聞は原則読まないようにしているのですが、これを見て「やっぱりそうか」と納得しました。なおさらこの報告書は読む価値がなさそうです。
この「日本再建イニシアティブ」というのは「一般財団法人」というのが頭に付きます。財団法人というのは昔は公益法人といってそれなりの権威のあるものだったのですが、今は法律が変わり、一般財団法人とか一般社団法人というのは登記さえすれば誰でも簡単に作ることのできる組織です。でも知らない人は、昔の財団法人のイメージで何となく権威のあるもののように思うんでしょうね。
この報告書を作るのに、何百人もに聞き取り調査した、ということですが、調査に応じた人は単なる民間の機関のインタビューのために時間をかけて対応したんでしょうね。その人達は、私も民間人としてインタビューを申し込めば応じてくれるんでしょうか。そんなことも思いました。
結論として、この報告書は「マスコミによるマスコミのための報告書」ということで、これからしばらくはその話をマスコミが流し続けるんでしょうね。あまり聞きたいとも思いませんが。