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ピケティ 『21世紀の資本』その2

月曜日, 2月 2nd, 2015

毎週、土曜日の朝は予定が入っていなければBSでNHKの朝の連ドラの1週間分の再放送を見ているのですが、それが始まるまでの時間、NHKの地デジで『ニュース深読み』という小野フミエさんがやっている番組を見ています。いろんな問題について模型を使ってやさしく説明してくれる、なかなか面白い番組です。
おとといの土曜日はこの番組で、ピケティの資本論の話をしていたので、ぼんやり見ていました。この番組のまとめによると、ピケティの資本論というのは、資本収益率が経済成長率より大きいので、金持ちがより儲けが大きくなり、格差が拡大する、ということのようです。
その説明のために、資本収益率と経済成長率の推移を示すグラフが出てきました。
そのグラフ、すぐには気が付かなかったんですが、あとで考えてみたら横軸の年が0年から始まっていたような気がしました。今が2015年、というベースの0年です。
大昔の資本収益率や経済成長率をどうやって計算するんだろう、と思って、気になったので夕方、家の近くの本屋さんに行ってピケティの本を確認してきました。
グラフは横軸に年、縦軸に、資本収益率や経済成長率がプロットされている折れ線グラフです。横軸の期間は、0-1000, 1000-1500, 1500-1700, 1700-1820, 1820-1913, 1913-1950, 1950-2012, 2012-2050, 2050-2100という9つの期間です。
この中でまともに資本収益率や経済成長率が計算できると思われるのはせいぜい1913-1950, 1950-2012の2期間、無理したとしてもそれに1820-1913を加えた3つだけです。
残りは、どうやって計算したのかわからない昔の率と、どうやって予測するのか、予測が当たるのかどうかもわからない未来の率です。
更にその、多分実際の率が計算できると思われる期間について、『たまたま例外的に資本収益率より経済成長率の方が大きかった』けれど、グラフ全体を通して見ると、ほとんどの期間で資本収益率の方が経済成長率より大きい、ということのようです。
何というむちゃくちゃな議論の仕方なんだろう、とアキレハテテしまいました。
よく考えれば、つまらない話ですが、このグラフのスタートのところの0-1000年、というのもおかしな話です。
我々が使っている西暦の年には、0年、というのは存在しません。西暦1年の前の年は紀元前1年であって、0年という年はありません。(天文学の方ではそれでは不便なので0年を入れていて、そのために紀元前の年が一般の数え方と1年ずれている(紀元前100年が天文学では紀元前99年になる)ようですが。)
このグラフを見ながら、これはもしかするとこのピケティの本というのはかなりいい加減な、いかがわしい本なのかもしれないな、と思いました。
まともな本はまともな読み方で楽しめますが、いかがわしい本はいかがわしい本でそれなりの楽しみ方ができます。どこがどういかがわしいか、確認しながら読み進める、というのも面白いものです。
3週間前にこのブログでピケティの本について書いた時、さいたま市図書館のこの本の蔵書は1冊で、私の予約の順番は325番でした。3週間たって蔵書は8冊に増え、私の順番は305番にまで繰り上がりました。順番が20番も繰り上がったのは、待ちきれずに本を買ってしまって予約を取り消した人や、700ページもの大部の本を見て借りた途端に返してしまった人がいるんだろうな、と思います。この調子でいくと、3週間前に順番が回ってくるのに15年くらいかかりそうだ、とした計算は2年くらいにまで短縮されそうです。

2年後にこの本が真っ当な本なのか、いかがわしい本なのか、確認するのが楽しみです。